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第16話 イルのいないエッヂア家②


 と、そこへ長男であるジャックが入って来た。


「騎士団長、ご報告が」


「おおジャック。どうした? 騎士団で何か起こったのか?」


「いえ、そうではありません。エッヂア家を相手に集団訴訟です」


「……何?」


「数日前から次々に辞職していったウチのスタッフと、それからパワハラを受けたという門下生たちが集団で訴訟を起こしたという話です」


「そうか。で、向こうはいくら要求している?」


「通貨で言えば10億イェンです」


「10億か。では裁判官を買収した方が安くつくな。金の準備をしておけ、ラザブ」


「承知しました、父上。ああ、それからゼステイウ家からの出動要請です」


「そちらの方が重要だな。で、何だ?」


「隣国が国境付近に兵を配置していると。その対策に当たれという要請です」


「なるほどな。よし、こちらも兵を回そう。第1から第3の機甲師団に用意をさせておけ。用件は以上か?」


「次が最後です。議会の平和外交派がサウザントルル家の生き残りと接触を図ろうとしている動きがあるとのこと」


「サウザントルル家か……ゼステイウ家とヴァイニクス家の温情で生かされているというのに、恩知らずなやつめ」ザファーはため息をつき、言った。「念のため一個小隊に監視をさせて置け。サウザントルル家という象徴を得ればまた平和外交派の勢力が盛り返さないとも限らん。ラザブ、その情報はどこからだ?」


「ゼステイウ家の情報筋からです」


「やつらにとってもサウザントルル家は目の敵というわけだな。ここで借りを作っておくのも良かろう」


「では……」


「サウザントルル家については貴様に任せる。訴訟の件も任せたぞ」


「は、法務部に言っておきます」


 素早い動きで再び部屋を出ていくジャック。

 その姿を見て、ザファーは行方不明になったイルのことを思い出した。

 イルの戸籍は既に死亡した者として扱われている。


 もしあいつにもジャックの欠片ほどの才能さえあったなら有能な駒として使ってやったのに。せめてエッヂア家の恥とならぬようどこかで死んでいてくれ、と。






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