ジョフリー
『空想喫茶発明所 中』
二千三十一年・・・理想郷を視察したことになる。
近くのスーパーの金さん・・・
茶葉とビン詰めブルーベリーを、籠に入れた。昼飯もついでに作ろうと、精肉なども一緒に買った。店に戻ると、すでに開店の準備が整っていた。俺様が在庫を補充していると、作は二つのプレートのうち、左のプレートを反転させた。これが、喫茶店開店の合図なのだ。開店は大体十時ごろ。早いときもあれば、遅いときもある。昨晩の新聞の通りならば、厄介な客が訪れるはずだ。
チリ~ン
冷菓「しあわせ~」
ガチャ
さて、今日の客は・・・
冷菓「お好きな席へどうぞ~」
こいつ、あの席に座った。まさかな・・・俺様が接客する。
金「すみませんが、貴方の職業はなんですか?」
客「はぁ?」
俺様は、作に肩を叩かれ、厨房に立った。
作「金さん。私がやろうとしたことを先読みするなんて。これが書かれてたんですか?」
金「あぁ、在るんだろ?ジョフリーカード。」
作「はい。この通り。」
それはシンプルなものだった。白い背景の端にJFと、赤と深緑で印刷されており。中段に氏名、下段に職業を書く線が印刷されていた。裏面は効率的なバーコード。
作「これをあのお客さんに渡してきてくれませんか?あ~ペンならここに。」
ポッケから出した、黒いペンを借りた。
金「お待たせしました。今回から三ヶ月間、こちらのジョフリーカードによる清算を行うと、飲食代がタダとなります。」
客「タダになるのは、一ヵ月後ですよね?」
金「はい、これはその先駆けでして・・・」
客「それに・・・この店でしか使えませんよね?」
金「はい・・・じゃあ要らないんですね?」
客「いえ、タダになるなら要ります。」
金「ではどうぞ。」
客「はい。」
金「それで、ご注文は?。」