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木漏れ日の下で  作者: 北川 斗興
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第1話

初投稿です!不定期ですが、少しずつ書いて頻繁にあげていけたらと思っています!

小説書くのが初めてで、楽しんでいただけないかも知れませんが、少しずつ上達していって、皆さんに面白いと思ってもらえる作品を作っていきたいです!

 

「これからもずっと幸せにします!だから...結婚してください!」


 とある春の日の夜、俺は最高にロマンチックなデートスポットで、一世一代のプロポーズをした。

 相手は一年間付き合った、俺に初めて出来た恋人。


 彼女との出会いは三年前の、大学の入学式の時だった。

 学部ごとに入学式の行われた体育館で、来た順に席に着く。その時たまたま俺の隣に座ったのが彼女だった。


 ──あの時の衝撃は、今でも覚えている。


 黒髪ロングで顔はすごく整っている。身長はあまり高くはないが、姿勢がよく、すらっとしている。


 正しく美人である。


 そんな彼女に見とれていると、さっとこちらを向き、手を出してきて


「よろしくね」


 と言った。


「よ、よろしく」


 俺は返事をしてから差し出された手を握っていいものなのかどうか、躊躇しながらも恐る恐る手を出すと彼女の方から握って、俺に笑いかけてきた。


 その笑顔に胸を打たれた。


 ──一目惚れだった。


 彼女は入学後たった数日で同学年のみにとどまらず、大学の非リア男子全員の憧れの的となった。

 彼女は誰にでも優しく、あの素敵な笑顔を振りまくことから、「童貞キラー」の異名が付けられた。


 そんな彼女を俺は横目で追いかけるだけ。


 俺は自分に自信はないし、声をかける勇気もなかった。


 そしてそのまま季節は流れて三年生に上がった頃、とある講師が「四年生になったら就活で忙しくなるから、エンジョイ出来るのは今年までだぞ」と言った。

 その言葉を聞き、ここで行動しなかったら後悔すると思い、人生初の告白を決意した。

 幸いにも、今彼女には彼氏がいないという情報は得ていたから、変な空気になることは無いと思えた。

 たとえ失敗しても、何もせずに後悔する方が嫌だ。その気持ちが俺に勇気をくれたのだ。


 そして──


「好きです!付き合ってください!」


 人生初告白。結果は.....


「えっと...うん。いいよ」


 まさかの成功!もうすべてが夢なんじゃないかと思うくらい、凄く嬉しかった。


 それからの日々は楽しいことずくめ。色々なところにデートに行ったり、食事に行ったり、一緒に勉強したり。人生の中で最も充実した一年だった。


 彼女も楽しそうに笑っていてくれたので、俺は彼女が運命の人なんだと思っていた。そして彼女も俺のことをそう思っているのだと思っていた。


 ──しかし、その勘は全くの見当違いだった。


「あー、えっと、そのぉ...」


 ん?


「んーと、なんて言ったらいいのかなぁ...」


 あれ?


「えっとぉ...申し訳ないんだけど...」


 嘘でしょ?


「ごめん、実はあたし、将暉君のこと本気で好きって思ったことないんだよね...」


 .....。


「えぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!!」


 なんで!?いつも楽しそうに笑っててくれたじゃん!


「ほらあの時さ、告白OKした頃。あたしたくさんの男子に告白されてて、すごく面倒だったのよ。その時にたまたま将暉君が告白してきて、付き合っちゃえば誰も告白してこないだろうって思ってOKしたんだ」


 そんなぁ...。


「じゃ、じゃあ今まで笑っててくれたのも、嘘の笑いだったってこと?」


「いや、楽しかった時もあったよ!」


「なら...!」


「けどね、好きって思ったことは1度もなかったの」


 これ程にきつい言葉はないだろう...。


 さらに童貞キラーは、俺に追い打ちをかけてくる。


「あとね、もう就活も始まってるし、そろそろ別れようとも思ってたんだ。いい機会だし、別れよ?」


 何も言えない俺。だけど、彼女は返事が欲しそうに待っている。

 その時の彼女の微笑みは、悪魔の笑のようだった。


 .....そんな顔されたら、言うしかないじゃないか。


「.....はい」


 こうして、俺は一世一代のプロボーズに失敗し、初めての彼女とその子を思う気持ちを失ったのだ。




次回、ヒロインと会います!

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