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災害を防ぐ魔術の素
頸城を切られた人達へのレクイエム
フェンリルの腐敗
フェンリルを喰らって死んだ餓狼達は、未だかつて無い病に蝕まれた。腐敗しながら生きると云う原初の呪い。即ちアンデッドと云う。云うなればそれは、不老不死と不加算的に逆を意味する。永遠の業なのだ。彼らを救うため餓狼の長は、腐敗した元仲間を喰らった。
最早弔う者は誰もいない。フェンリルは息絶えた。然し、これを観た人は罪深き神狼を祀りだした。そうこれこそが原初の神罰。観間違えること無き真の神罰。これが、人が最初に獣の罪を踏み越えた、祟りの始まりだったのだ。
目撃し、黙認すべきを容認せず。剰え祭り上げてしまった。以降狼は二度と人に懐かなくなった謂れは、ここにあるのだ。
贄を供し奉ったものを神狼は食い千切って発起出した。
つまりこれが、原初人と獣が争い合う最初の瞬間だったのだ。
続く…………
荒唐無稽ノ黄泉劔。
悪を断罪せよ。
