今のはメラではない、マダンテだ
色々とおかしい所や変えたい設定などがあったので報告しときます。
スキルにレベルを追加。
これだけです。
気づいたら、僕はこの城の医務室みたいなところで、ベットに寝かされていた。
どうやら魔力が切れると、気絶する仕様になっているらしい。
いや、憶測だけどさ。もしかしたら違うかも知れないし。
と、言っても僕の場合は魔力が切れた訳じゃない。
魔力を使わないようにしていた僕の体を、僕が無理矢理使おうとしたら、少しだけ漏れて、さらに、僕の体がもとに戻そうとして気絶した、ということらしい。
えー、つまり、水が溢れ出そうなホースの先を指で押し込んで出ないようにしていたけど、勢いが強すぎてはなしたら水が出た、みたいな。
うーん、僕は説明が下手なようだ。
要は、僕にもわからないのだ。
と、いうか。
正直いってヤバい。
よくよく考えると僕の職業は、魔法使いだ。
そんな僕が魔法を使えないとなると、『誰こいつ?ゴミ?』という評価を下されることになってしまう。
なにせ僕の体のステータスは魔力以外全て一般的なのだ。
周りが何千というステータスを持っている中、たかが何十程度のステータスの奴が転がり混んでいる。
アカン……アカンでおま……!
虐められるっ。完膚なきまでにっ。
と、迫り来る恐怖にわなわなと震えていると。
「よぉ、大丈夫かー、夏樹」
「藤堂? どうしたの?」
藤堂が来た。
「あ?お前が無事か見に来ただけだ。何だ、悪いか?」
「いや、どうせならもっと可愛い子に来てもらった方がいいなと思って」
「ソラあたりか?」
「野郎は勘弁だ」
「うし、大丈夫そうだな」
そういって、藤堂は僕のベットの横にある椅子に座る。
「で、お前どうする?」
「どうするって、何を?」
「戦争だよ。お前、魔法使いなんだろ? 魔法が使えないじゃないか。そんなんで、どうやって戦うつもりだ」
「んー。剣士とかになって戦えばいいんじゃないかな? 僕、皆よりはステータスが低いけど、普通の人にとっては結構高めだし。『灯り』魔法を使って目眩ましとかやって、剣でバッサリと切る。そう、名付けて『瞬剣の魔剣士』とかね」
「こっちは真面目に聞いてんだ」
「僕だって真面目だよ?」
どうしたんだ、急に?
「……俺は、お前に戦ってほしくない……」
「どうして?」
「死ぬからだ」
威圧を込めた口調で、彼は言った。
「俺たちはな、夏樹。お前には戦わないでほしい、戦争をしないでほしい、お前には戦うことを知らないで、幸せに生きてほしいんだ」
「大袈裟だな」
「大袈裟なんかじゃないさ」
「大袈裟だよ。藤堂。僕が何時、死ぬと言った? 何で『戦う=死』に繋がるんだ? 大体、藤堂だってまだ一度も戦ったことないじゃないか」
「いや、確かにそうだがな……」
「大丈夫だよ、僕はそう簡単に死なないさ。格好よくいうならば、『死ぬか死なないかなんて、僕が決める!』かな?」
うん、決まった。
「……お前は、なにもわかっちゃいないな……」
藤堂はうつむきながら、その言葉を口にする。
「心配なんだ、夏樹。お前のことが。俺たちは……」
「あっ、そう。ありがとう」
「軽いなお前!」
藤堂は予想外の言葉に、すかさずツッコミを入れる。
正直言って、まさかこんなに軽い言葉が返ってくるとは思わなかったぞ! と、続ける。
でもな、藤堂。僕にはね。
「僕にシリアスは似合わん!ほら、さっさとするよ!こっからは全部ギャグパートだ!」
「ったく、何だよ。そのテンションは……」
「もう一度いっておくけど、僕には死ぬ気なんて更々ない。まさか僕がレベルを上げずに戦場に向かうとでも? ……僕は死なないぞ、藤堂。僕はレベルがカンストするまでレベルを上げ続けて、異世界最強を目指すんだ。そんでもって、異世界でハーレムを作る。それまで僕は死ねないね」
僕は大仰に、手を広げながら、芝居がかった口調で言い放った。
その言葉に藤堂は、
「…ハッ」
と、呆れたかのように、鼻で笑った。
「……そうだな、お前はそんな感じの奴だった」
「なにそれ?誉めてんの?」
「ある意味貶してる」
「なにそれ酷い」
「…まぁ、一つだけ条件をつけようか」
「条件って?」
「俺たちに、お前を守らせろ」
僕は予想外の条件に少し戸惑った。
でもまぁ、それは、
「願ってもない条件だね」
僕はその条件に、藤堂と握手をすることによって了承した。
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「なぁ、藤堂」
「なんだ?夏樹」
「『心配なんだ』って、言った時あったじゃん?」
「あ、ああ、確かに言ったな。うん。」
あの時のことを思い出して、今更ながらに恥ずかしがる藤堂。
照れくさそうに頬をポリポリとかいている。
「でさ、その時、『俺たちは』って言ったじゃないか。あれって、誰のことを言っていたの?」
「細かいことを気にするな……」
「いや、これは結構重要なことなのだよ、藤堂くん。この中に神崎さんが入っているかいないかで、これからの君たちへの対応が変わる」
「お前……相変わらず神崎のこと好きすぎるだろ……」
「べっ、べべべ別に神崎さんのこととか好きじゃねーし! 本当だし!」
「はいはい、わかってますよ。夏樹くん」
本当だし! か、かか、神崎さん好きとかそんなのないし!
と、若干胸が痛みつつ、心の中でも意味のない弁解をしていると……
「あっ」
可愛らしい声が聞こえた。
僕は首を捻ることがなかなか出来ないでいた。
ま、まさか…。
「い、いえ、聞こうと思っていた訳じゃなかったんです! ただ、ちょっと偶然聞こえてしまって…」
なんと、神崎さんが部屋に入ってきていたのだ。
「わ、私、部屋から出るね……」
「ちょっと待ってくれ神崎さん! 君は大きな勘違いをしている!」
と、僕の声を聞かず、神崎さんはピューっと走り出していった。いや、よくよく考えたら勘違いもくそもないわ。
「な……!」
何てこったーっ! やっちまったーっ!
「自業自得だな」
「てめぇ、ぶっ潰してやる!」
「八つ当たりはみっともないぞ夏樹!」
「うるせえ!さっさと殴らせろゴラァッ!」
僕は藤堂の肩をパンチに継ぐパンチで鬱憤を晴らした。
ちくしょう…。
野郎との絡みを書いていてもなにも楽しくない。
でも書きたい。
なにこれ、不思議。