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パクりで目指す世界最強  作者: 健全な青少年
よくある展開と僕など
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魔法使いは使えない

「それでは、ステータスも確認できたとろで、皆さんを精一杯おもてなし……したいのですが、まずは、この世界の事について詳しく知ってもらうことにします」


 王様の横にいる、護衛のような騎士が、僕たちに話しかける。


「魔法も知らない、というような感じでしたしね」


 クスッ、と、その殴りたくなるような端正な顔を綻ばせ、こちらをイラつかせてくる。


 その笑顔だけで、キュン…と、胸を射抜かれた女子も多数いた。


 もうほんと、女って単純。

 僕が言える事ではないけど。


「と、いうわけで、まずは魔法について知ってもらうことにしましょう。着いてきてください」


 そして、僕らは初めてこの部屋から出て、異世界へと足を踏み入れた。




_____________________________________________




 この世界において、魔力というのはスゴく重要なものである。

 何故なら……と、言うまでもないと思う。

 普通にわかる。


 何にでも成れるからだ。


 火にも、水にも、風にも、土にも。


 魔力さえあれば、どんな暗闇に居たとしても火を出すことで光を確保出来る。

 魔力さえあれば、砂漠のど真ん中に居たとしても、喉の乾きを気にすることもない。


 それだけのことが出来る。


 正直言って、

 無人島に漂流したときに、たよりになるのはどちらか?

 と聞かれたとき、サバイバル能力を持った屈強な男性と、魔法が使える奴だと同じくらいの価値がある。


 さて、僕の職業はその魔法使いとやらだ。

 文字通り、魔法を使う職業だ。


 これらのことを踏まえて、僕が魔法を使うことが出来れば、この戦争で大きく貢献できると思う。


 そう、魔法が使えれば(・・・・)…。



_____________________________________________



 ここは城の中に作られた、闘技場。

 なぜこんなところにいるのか、疑問に思う人もいるだろう。


 ここへは、魔法の扱いについて学ぶために来た。

 理由は簡単。危ないから。

 そりゃあ、屋内というか、教室のような閉鎖空間で魔法を使う訳にはいかないけどね。


 大体の人はスゴい魔力を持っていたから、まだ扱えない状態だと制御出来なかったときとか大変だしね。


「それでは皆さん、魔法…別名『スキル』について教えます」


 おぉ!やっとこの世界で魔法を使えるのか!

 回りの男子たちもワクワクと期待の目で騎士の人を見ている。


「それではステータスの時と同様に、スキル一覧と念じてください」


 その言葉と同時に皆の前には文字が色々と書かれた、ステータスの時のようなものが、宙に浮かんで出てくる。


 僕も出してみよう。


(スキル一覧)


 うん。出てこない。


 さっぱり分からん。


「スキル一覧」


 仕方なく声で出す。


スキル

なし

特殊スキル

能力付与 Lv.1


 おお、これか。結構小さい。

 ん? 特殊スキルってなんだ?


「それでは、スキルの使い方について説明します。スキルは、魔法などの他に、剣技などがあります。まぁ、別に両方とも違うというわけではありません。どちらも使うときはMP……魔力を使います」


 ふむふむ、魔法と剣技ね。

 つか、またでてきたよMP。


「また、皆さんの目の前には、スキルと特殊スキル、二つがあるはずです。これ等は、同じようで、少し違います」


 この能力付与ってやつか。


「スキル…これは努力することでいくらでも魔法や剣技を覚えることができます。逆に、特殊スキルの場合は、最初から覚えているか、他の人から譲渡されないと、増えることはありません。一種の才能のようなものです」


 つまり僕には才能があると。


「この特殊スキルを持っている人は少なく、大体100人に一人、いるかいないかというレベルです」


 思ったより少ない。


「それでは、この特殊スキルを持っている人は、この中にいくらいますか?」


 僕は迷わず手を挙げる。


 って全員じゃないか!


「あぁ、いえ、ふふっ、そうでしたね。貴女方は魔王を倒す、勇者様でしたね」


 むー、一人だけだと思って特別な感じがしたのに……。


「では、普通のスキルについて教えましょう。初めに、光で周りを照らす、『灯り』魔法からいきましょう。スキル『灯り』と、唱えるだけで使えるので、やってみてください」


 よし、それじゃ、ちゃっちゃと覚えることにしようか。




_____________________________________________




「ふんっ!ぬぐぐぅおおおおぉぉっ!」


 結論から言おうか。

 使えなかった。


 どんなに魔力や器用が低くても必ず覚えることが出来るといわれている火属性魔法『灯り』。

 そりゃあ、唱えるだけだしね。


 現に、僕以外の人は手の指先からほんのりと光る球みたいのが浮かんでいる。


 いや、覚えることは出来た。

 使えなかったのだ。


「ぬぐぐ、何故だ…何故なんだ…!」


 なぜ僕が魔法を使えないか。

 理由は、僕のバグレベルの魔力に問題があったからだ。


 器用との差が大きすぎた、らしい。


 僕の器用は100。

 で、魔力は100000。

 その差、99900。


 つまり、僕のでかすぎる魔力を器用で制御出来なくて、最初から使わないように無意識に抑えている、ということらしい。


 てーへんだてーへんだ。

 このままでは魔法が使えない魔法使いという矛盾が起きてしまう。

 つか、僕が魔法を使いたい。

 せめて、せめて『灯り』だけでも…!


「ぬおおおぉぉぉぉ!」


 はぁっ!


 と、次の瞬間。


 ビカァァアッ! と失明するかのような光が闘技場を包む。


 やった! 使えた!


 と、思ったのも束の間。

 僕は意識を失った。



9.27

そういえば、後から気づいたのですが、固有スキルが特殊スキルになっていたので、特殊スキルで統一します。

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