表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パクりで目指す世界最強  作者: 健全な青少年
よくある展開と僕など
3/84

勇者参戦

 全く、面倒なことになったとつくづく思う。


 僕は戦うのは嫌いだ。

 スポーツで試合するのも嫌だし、ゲームで人と戦うのも嫌いだ。

 なんというか……勝ち負けがあること自体が嫌いなのだ。


 そもそも、平和な国日本で生まれ育った僕には魔王と戦う、もとい戦争をするのはかなり酷な話だ。

 だいたいそんな経験すらない。


 脳内で超能力系ダークヒーローを気取っていても現実は違う。


 僕だけでも拒否させていただきたい。


「なぁ、みんな」


 む、その声は……委員長?


「なぜ、僕たちはこの戦いに巻き込まれたと思う?」


 いつもはあまり前に出るような性格じゃないのに……何かあったのか?


「僕たち勇者は。伝承によると、すごい力を持っているらしいんだ。ですよね、王様。」


 こくり、とうなずく王様。


「僕たちは、この戦いに参加する理由なんてないと思う。少なくとも、僕は思った。だけど、だけども、僕らは。強大な力を持っているらしいのに。この国を、この世界を見過ごしていい筈がない」


 なぁ、みんな? と続ける、委員長。


 ああ、そうか。そうだよ。

 委員長はあまりしゃべるような性格でもない。

 だけど、正義感だけはかなり強かった。


 僕は、不良に絡まれたことがある。

 不良に絡まれていた生徒を助けようとして、逆に絡まれた。


 もちろんボッコボコにされた。

 一応反撃したけど、あんまり意味はなかった。

 三対一では、当然だ。


 そこに、委員長が先生をつれてやって来た。

 あのとき、委員長が気づかないふりをしていたら、僕はさらに怪我を負っていただろう。


 以外にも、たよりになる人なのだ。


 そんな委員長が、目の前の困っている人たちを気にかけない訳がない。


「僕は、この戦いに参加する。前の世界では、持っていなかった力を、困っている人たちを助けるために……ここで使う……。僕は、前のような非力な僕じゃないんだ。みんな、僕に力を……いや、命を預けてくれ・・・・・・・


 委員長は、前の世界では絶対に言わなかっただろう言葉を、力強く言った。


「みんな、お願いだ……」


 ここまで言った委員長を、蔑ろにするやつはいなかった。


 戦いに参加するかなんて、言わずもながだ。


「全く、しょうがねぇな!」「へへ、委員長にそこまで言われたら、なぁ?」「みんな!この世界を魔王から守るわよ!」「「「ウオォォォォ!!」」」


「み、みんな…!」


 委員長の目から涙が流れる。




 ……なにこれ。茶番?


 そう思ったけど、みんなやる気がありそうなので一応僕も乗っかっておく。


「……なんだこれ」


「みんな回りの雰囲気に酔ってるね……」


「私、戦うのはちょっと……」


「ハァ……。ダメだこりゃ」


 藤堂、蒼井、神崎さん、鈴野さんは納得いかないようだった。




_____________________________________________


「それでは、まず勇者さま方のステータスを確認したい。心のなかでステータスと念じてみてくだされ。もしできないようでしたら、声に出すことでも発動するであろう」


 ステータス?

 この異世界にはステータスという概念が存在したのか。


(ステータス)


 心のなかで念じてみたが、なにも起きない。


 だが、回りのクラスメイトはそうでもないようだった。


「うおっ」「え、なんだ、変なのが出てきたぞ」「なんか数字が書いてあるように見えるけど…」


 みんなの前に自分の能力が、数字となって表示された。

ゲームみたいだ。


 例えば、藤堂なんかだと…。




ワタリ・トウドウ Lv.1

[戦士]


筋力 1800


体力 1800


頑強 900


魔力 100


器用 50


敏捷 900


幸運 100


称号 勇者




 みたいな感じである。

 高いのか低いのか分からないが、とりあえず魔力と器用は低いんじゃないか。


 そう思って、王様の方を見る。


 が、王様は感心したような顔で藤堂のステータスを見ていた。


「ほう、これはなかなか…」


「このステータスって高いんですか?」


 藤堂が王様に訪ねる。


「高いなんてレベルの話ではないぞ、トウドウ殿。普通の人間が二桁、良くても三桁程がステータスが一般的であるのに対し、まさかLv1でこの強さとは…。ほとんど化け物といっても遜色ないですな」


「そ、そうなのか?」


 自分の手を見つめてにぎにぎと開けたり、閉じたりしている藤堂。


 まぁ、自分の体にそんな力があったと言われたら気になるよな。

 ちなみに、王様の隣に座っていた女性は欠伸をしていた。なにあの人、いる意味あるの?




 と、ここでチラリと、藤堂がこちらを見る。


「お前は見ないのか?」


「へ?」


 おっと、そうだ僕はまだ自分のステータスを見ていなかった。

 念のため、もう一度心のなかで念じてみる。


(ステータス)


 ……なにも起こらない。


 まぁいっか。別に不自由はないし。

 なんで発動しないか気になるけど。


「ステータス」


 僕のステータスが表示される。




ナツキ・ハルハラ Lv1

[魔法使い]


筋力 50


体力 30


頑強 50


魔力 100000


器用 100


敏捷 50


幸運 100


称号 勇者




 僕はスッ転びそうになった。

10.29

いろいろと修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ