口が悪い
前の話までで、修正加えたところがありますが、問題はないです。スイマセン。
開け放たれた扉から姿を見せたそいつは、かなり小柄の少女に見えた。一瞬、その遠目にも非力に見える少女がどうやって扉を開けれたのか疑問に思ったが、それも自嘲の溜息一つに消えた。……扉を開けるためのスイッチが小さく見えたからだ。
「はっ! どいつもこいつも馬鹿みてぇな面しやがって…………見てんじゃねぇぞ!」
その濁りのない高い声は、前方から鋭く響いてきた。そう、この部屋にある唯一の扉の方から。少女の口から……。事を理解した時には、少女は俺たちに五メートルまで迫っていた。
「知性の欠片もなさそうなやつらだな? 屑は居るべき場所に帰った方がいいぜ」
固まった空気は直ぐに怒号によって壊された。
「あぁ? なに、なめた口きいてんだ? 死に……てぇのかクソ餓鬼!!」
短髪にピアスの怒鳴り声だ。やはり第一印象はあてにならないなと思う。
「おぉ〜これは失礼。気に障ったんなら謝るよ」
そう言った少女は、白く木の枝のように細い足をクロスさせ、身につけた灰色のワンピースを左右それぞれ軽くつまみあげゆっくりと会釈をした。通った鼻筋、透きとおる薄茶色の目、さらさらと揺れるロングの髪。正直絵になっていると思ってしまった。
「っち! クソ餓鬼、喧嘩売ってんのか? あぁ!?」
「待て。少し冷静になれ。な?」
短髪にピアスの肩に手を置きつつそう宥めたのは、あの大男だった。よく見ると短髪にピアスの表情が僅かに歪んでいる。大男が圧力をかけているのだろうか? 精神的にも、肉体的にも。
「……もう、いいですね?」
老人の声のように酷くぶれた制止の声が、参加者全員の注目の視線を集めた。
「今は七時四十三分です」
一人異質な黒フードは、時計も見ずにそう言った。どうやら耳についた通信機器のようなものから把握しているらしい。
「残りは十七分です」
その場ににいる黒フード以外の全てが沈黙を守った。皆、目をぎらつかせ神経を張りつめている。
「ルールを説明します」
予想できていたとはいえ少し拍子抜けした。開始までの三十分の空白があまりにも平凡なもので埋まると分かったからだ。




