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Neunt Keil  作者: 中村 リョウ
Begining
2/2

Episode2:Fleeing person

「本当にこの街は夜が似合いますね・・・」


「左様でございますか・・・」


日が落ち空は黒色で染めたかのように広がっている。その夜空の下には近代都市と思わせる夜景が美しく見える。

だが、そんな美しく見える街のいたる所からは、パトカーのサイレンが鳴り響いており、不穏な空気も流れている。いや・・・この街は元々そうだ。


「・・・なんで彼はこの街を守っているのかしら。」


少女はふと、言葉を口にする。


「人間とはよく分からない生き物でございます。」


「そう・・・ですね。」


寂しげに少女は街を見つめ直す。


(貴方は・・・何方につくの?)



〜レヴァイアシティ 25番街〜


「おい。今日のニュース見たか?」


「ああ。ベックフォード大学で立て篭もり事件があったんだろ?しかも、人質もとってたとか・・・」


「それがよ。犯人は5人グループで4人は逮捕されたけど今だ一人は逃走中らしいぜ?」


「あ〜・・・このまま酔った後、帰んの恐ぇーな・・・」


「んなもん気にすんなって!とりあず飲もうぜ!」


隣に座っている男性2人の雑談が耳に入る。


「・・・はぁ。」


酒が入ったグラスをテーブルに下ろしため息をつく。


(やばいな・・・)


左手を見てみるとまだ二重に見える。決して、酔っているわけではない。


(おかしい・・・あの後、急に意識がなくなって。)


男は、ここに来るまでの記憶を辿る。


(・・・やっぱり、銀行強盗なんてやめとけばよかった。)


銀行から逃走できたのはよかった。ただ、予想外だったのはボスがおかしくなり大学で立て籠もった事だ。おかしかったのは、元々だが。


(あいつから貰った薬のせいだな・・・)


銀行強盗の行動前。ボスは、4人全員に変なカプセル状の薬を配っていた。あいつは「単なる精神安定剤だ。」とか言っていたが、ヤバイ物には変わりない。依存性はないから麻薬ではないと思うのだが・・・


「ダッド・マーシャルだな?」


「なっ・・・!」


突然、背後から男の声がし自分の名前を呼ばれる。同時に声を上げそうになるが


「そのまま黙って聞いていろ。」


「ちっ・・・」


背中に何か尖った物で当てつけられる感覚がした。


「・・・警察か?」


「いいから黙って聞け。」


後ろにいる男は聞く耳を持たないのか自分の話すことだけを押し通そうとする。


「もうすぐ二人の警察官がお前を逮捕しにここへ来る。」


「なっ・・・う、嘘だろ・・・」


「・・・・・・」


後ろにいる男は沈黙した。嘘ではないと言わんばかりに・・・


「・・・捕まりたくなければ、この後起こす暴動に紛れてこの建物の屋上へ来い。」


「は、はぁ?何を・・・」


「時間がない。階段がある東のドアだけを集中しろ。」


男はそれを言うと、スッと尖った物を引く。

するとバーの入り口のドアに付いてあるベルの音がカランカランと鳴る。恐らく、誰かが出たのか入ってきたのだろう。

後ろを向き状況を伺う。


「っ・・・」


入ってきている・・・ジャンパーをきた黒人の男性と白人の男性だ。

店に入るなり誰かを探しているかのようにも見える。


(まずい・・・)


汗がタラタラと顔から滲み出る。


「あいつじゃないか?」


「後ろ姿だと分からないぞ?」


「なーに。本人かどうか、職務質問すればいい。」


コツコツと足音を立てながらこちらへとやってくる。


「おい、お前・・・」


一人の男がダッドに手を触れようとした時だった。


「どわぁっ!!」


「がっ!?」


いきなり、大男が宙を舞って手を触れようとしていた男にへと落下した。


(な、なんだ!?)


驚いたダッドは後ろを振り向くと・・・


「この野郎!」


「ぐあっ!?」


ダッドが後ろへ向いた時には暴動というより喧嘩が始まっていた。


「お前ら何を・・・おわっ!?」


店に入ってきたもう一人の男に吹っ飛ばされたギャングのような輩の身体に巻き込まれ転倒する。


(何か良く分からないが今のうちだな・・・)


ダッドは謎の男が言ったとおりに東にあるドアへと走る。


「ダッド・マーシャルが逃げたぞ!」


「くそっ!追え・・・ぐわっ!?」


声を気にせずドアを蹴り破り、階段を上がって行く。


「確か・・・屋上に来いって言ってたな?」


謎の男が言った言葉を思い出しながら、何段もある階段を駆け上がる。


「待て!!」


下から叫び声がした。恐らく警察と思われる男が暴動を切り抜けて追いかけてきてるのだろう。


「くそ!捕まってたまるか!」


息をきらし無我夢中で、階段を上る。気がつくと最後の階段を上がりきり、屋上へと出たが・・・


「なんだよ・・・何もねーじゃねぇかよ!」


絶望だった。

謎の男の言うとおり、来てみればこのザマだ。

ダッドは追いかけてくる警察官から距離をとるかのように、柵の端へ移動する。


「止まれダッド・マーシャル!」


銃を構えながら、こっちに詰め寄る二人の警察官。


「逃げ場はないぞ。」


(くそ・・・なんでこんな・・・)


ダッドは素直に両手を挙げた。

・・・もうどうしようもなかったのだ。


「大人しくこっちに・・・」


しかし、その時だった。

一人の警察官の動きが突然止まった。


「なっ・・・!?」


その理由・・・一人の警察官がもつ銃先を誰かが掴んでいたのだ。


「なんだおま・・・!」


その者は、銃を叩き落とし右肘を警察官の胸に突き当てる。


「ごはっ!?」


「この野郎!」


隣にいた警察官が銃を突きつけ発砲しようとするが謎の人物は、動きをよんでいたのか銃を握っている手を掴み地面へ向ける。その衝撃のせいか、持っていた銃は地面へ発砲し、空間には大きな発砲音と振動が伝わる。


「この・・・!」


警察官は抵抗し、余っている左手で謎の人物に格闘を浴びせるが・・・


「ッ・・・」


謎の人物は、それを避け首のうなじ部へ打撃を与える。すると、銃を持っていた警察官は、地面へと倒れこみ動かなくなっていた。死んでいるようにも見えないので、恐らく気絶したのだろう。


「・・・」


「・・・」


あっという間の事だった。

いきなり現れた謎の人物は、アクション映画のように熟練された格闘術で警察官2人を圧倒したのだ。


「な、なんだよ・・・お前・・・」


全身が黒く、銃弾を通さないと思わせる軽く良くできた近代的なアーマードスーツを着て顔も隠されており、背中には一本の刀を装着している・・・まるで"忍者"のような存在だった。

すると、忍者のような者はダッドの方に振り向くと、スタスタと歩いていく。


「ぐあっ!?」


忍者のような者は、いきなりダッドの襟元を掴むと。


「・・・こいつで間違いないな。」


『ああ。写真と一致するし、間違いないよ。』


ロボットのように機械染みた声を発し誰かと話しているようだ。


「ちっ・・・助けてくれたんじゃなかったのかよ!」


「お前の言うとおり助けてやった。」


「下で俺を脅したのもお前なのか?」


「ああ。脅したというよりも、忠告だな。」


「はっ!どうだろうな。」


バッと乱暴に襟元を離した忍者のような者はこちらを睨みつけるかのように問い詰める。


「・・・」


「なんだよ。」


「お前・・・薬を飲んだな。」


「薬?・・・ああ。」


嘘をついても仕方ないと思ったのか、ダッドは素直に認めた。


「どこから、入手した。」


「知るかよ。ボスが持ってたんだからな。」


「そのボスは昨日のベックフォード大学襲撃事件の奴だな?」


「ああ・・・あんなイかれた奴だとは知らなかったがな・・・」


「そいつにも話を聞かないといけなさそうだ。」


するとダッドは階段の方から足音と声が聞こえ、思わず動揺してしまう。


「おい・・・そんな事を聞く為に俺をここに呼んだのか?」


「いや・・・お前には協力してもらう。」


「つまり・・・助けてくれるのか?」


「・・・それは、お前自身が決めることだ。」


忍者はダッドの背中に小さな機械のようなものをつけ、屋上の端へと引きずる。


「おい・・・飛び降りろって言うんじゃあねぇだろうな・・・」


「その通りだ。」


忍者はダッドを強く押した。


「マジかよ!?」


すると、忍者がさっき取り付けた装置からワイヤーのようなものが発射されビルの壁に射し込む。そして、ダッドの身体はゆっくりと路地の地面へと降りて行く。


『まずいよ、ショウ。警察の応援が来てる。』


「分かってる。」


『まさか、全員とやる気かい?』


「そんな無駄な体力は使わない。」


忍者もビルの壁に何かを射し込み腰部分に取り付ける。


「動くな!」


一人の警察官がたどり着き忍者に銃を突きつけるも、忍者はビルから飛び降りた後だった。


「くそ・・・本部。こちら、ブライアン捜査官だ。二人が何者かに気絶させられた。尚、ダッド・マーシャルは今現在も逃亡中の模様。捜索範囲拡大を要請する。」


『こちら、本部了解。各区に検問をはり増援を出す。そちらも引き続き、犯人を捜索をせよ。以上。』


「了解。」


無線をしまい、二人の警察官の状態を確認する。


(・・・さっきの奴、何者だ?)



「本当に落としやがって・・・」


「黙って歩け。」


「ちっ・・・」


ダッドは舌打ちをし、辺りを見回した。異臭が漂う下水道を歩き気分は最悪だった。


「ジョアン。合流地点に着いたか?」


『うん。予定通りさ。まっ、君達がつくまで、イリーナとお喋りしとくよ。』


『話のネタがない・・・』


『あはは・・・出来るだけ早く来てくれ・・・』


「・・・了解。」


忍者は通信を終え声を殺し歩いていく。


「おい・・・距離はどれくらいなんだ?」


「・・・このまま、北に500メートル程行けば仲間の車がある。」


「北って言ってもよ・・・迷路だぞ・・・」


「黙ってついてこい。」


これ以上何も言うなと言わんばかりに、目の前で黙々と歩いていく忍者。

そして、鉄格子のドアを軽々と蹴り破る。本当に人間なのかとダッドは一瞬疑ってしまった。

つくづく思うと何故自分はこんな面倒なことに巻き込まれているのだろうと考える。そもそも、ボスと呼ばれていた男の話を聞かなかったらこんなことにはならなかったかもしれない。銀行強盗をやり、警察に追われ、今現在、変な忍者と同行することになった・・・

これも、自業自得というものだろうか。


「・・・止まれ。」


すると、忍者はいきなり立ち止まり腰部分に装着している刀の柄へ手を伸ばす。


「な、何だよ・・・」


ダッドは不安になり辺りを見回した。


「・・・!」


「ごはっ!?」


ダッドの腹部に痛みが走り、気がつくと視界は天井を写していた。

恐らく、忍者に蹴り飛ばされたのだ。


「てめっ・・・いきなり何しやが・・・」


ダッドは文句を言おうと、忍者がいる方に振り向くと言葉は途中で途切れてしまう。


「お前・・・」


忍者は鞘から刀を抜き取り刃には赤色の液体・・・血がこびりついている。

そして、地面には真っ二つになった人間が転がっている。


「うぷっ・・・」


ダッドは吐き気がした。


「くそ・・・にんげん・・・風情が・・・」


生きてる?


いや待て・・・人間風情ってなんだ・・・



頭がパニックになっているせいか、思考がおかしくなっている。


「貴様・・・こんなことをして・・・あの方が・・・」


「黙っていないか?」


忍者は容赦無くその者の頭を突き刺した。


「マジかよ・・・お前・・・人を殺しやがった・・・」


「こいつは人間じゃない・・・と言っても今はそんな事を理解できないか。」


忍者は刀を下に振り、刃にこびりついていた血を払うと刃を鞘へ戻した。


「ジョアン。予定変更だ。こっちに来れるか?」


『来れる?もう来てるよ。』


いきなり、忍者の上から爆発とともに砂煙が出る。ダッドは咳き込み、改めて爆発をした方へ目をやる。


「ハル・・・迎えに来た・・・」


ワイヤーロープのような物で辿りおりて来たのは青く長髪の女の子だ。


「助かる。イリーナ。あの男を頼む。」


「да.」


ロシア語を話す少女はダッドの元へ近寄り強引に立ち上がらせる。


「何なんだお前・・・!」


「いいから・・・こっち。」


自分で歩こうとダッドはもがくも、中々振りほどくことができなかった。女のくせに、力ありすぎだろとダッドは心の中でそう思った。


「これを腰に・・・」


「わかったよ・・・」


少女からフックのようなものを貰い腰に取り付ける。


「で?次はなんなんだ?忍者。」


「上がれ。」


「だと思ったよ・・・くそ。」


ダッドがワイヤーに手を掴んだ瞬間だった。


「ぐほっ!?」


腰に取り付けたフックがいきなり上へと上がり、あっという間にダッドの姿はなくなる。


「説明・・・忘れてた・・・」


「・・・気にするな。」



「・・・てめぇ。いちいち、説明が遅いんだよ!」


「悪かった。」


忍者と少女も上へと登り、トラックと思われる車内へ入ってくる。中はラボのように通信機器やパソコンといったものが揃えられていた。


「やあ、ようこそ。ダッド・マーシャル。」


モニターと面向かっていた眼鏡をかけいかにも大学浪人生だと思わせる青年がこちらに振り向く。また限りでは、ダッドより年下だろう。


「お前何処かで見たことがあるような気がするんだが・・・」


「そうかい?」


「話は後だ。奴らが集まってくる。」


「分かった。ジョー、本社まで送ってくれ。ああ!勿論、裏門からだよ?」


「了解です。」


ジョーと呼ばれる運転手らしき人物は眼鏡をかけた青年の言う通りにトラックのエンジンをかけ間も無く発進する。


「さてと・・・唐突だけど、ダッド・マーシャル。君は"ヴァンパイア"って知ってるかい?」


「はあ?ヴァンパイア?」


ヴァンパイアと言うのはつまり・・・架空の怪物だろう。


「ああ・・・それがなんだ?」


「実際に存在すると言ったら?」


実際に存在する?何を言ってるんだろうかこの青年は・・・

ダッドは思わずバカらしくなり・・・


「アホらしい・・・・・・ん?」


この時ダッドはふと思い出した。さっき、忍者が斬った人物・・・身体が半分斬られても喋っていた。


「・・・・・・」


「顔色が悪い・・・」


「当然さ・・・あれを見て、平然としてられるのは君とハルくらいだよ。」


青年は苦笑いを浮かべながら、テーブルの上に置いてあるコーヒーを啜る。


「おい・・・お前が斬ったのは・・・」


「ヴァンパイアだ。」


忍者は即答で答え、背中に装備してあった刀を手に取り、イスへと腰掛ける。


「・・・・・・」


「さっきより顔色が悪い・・・」


「昔の僕を思い出すね。」


青年は笑いながらまたコーヒーを啜り飲んだ。


「さてと・・・自己紹介をしなくちゃね。まずはそこに座っているクールな忍者・・・僕達はハルって呼んでる。」


「ハル?アメリカ人じゃ珍しい名前だな・・・」


「俺は日本人だ。」


「・・・そうかよ。」


素顔が分からないため何人だか知りようがない事にダッドは気づき少しイラついた。


「こっちは・・・」


「イリーナ・クリヴォフ・・・イリーナでいいです。」


イリーナという少女は礼儀正しくお辞儀をする。だが、ダッドには彼女の自己紹介よりも気になる事がある。


「お前・・・何を身に付けてるんだ?」


「えっと・・・こっちがコンバットナイフという物で・・・こっちが、XD拳銃という優れた銃です・・・」


「・・・・・・」


イリーナの左太ももにはナイフをしまい込むアタッチメントに右太ももには拳銃を入れるホルスターが装着してある。

ダッドだけではなく、誰もが見たらこう思うだろう・・・


(なんで女がこんな物騒な物を装備してるんだ・・・)


いくら拳銃の所持を認められている自由の国だからって、ここまで本格的に装備している者は見たことがない。確かにレヴァイアの治安の悪さとなれば理由は分からないでもない。

何より力の強さと言い、ただの女の子ではないようだ。


「あ〜・・・言いたい事は分かるけど、後にしようか。」


眼鏡をクイっと上げ、右手にコーヒーカップを手に持った彼は。


「僕はジョナサン・マクスウェル。名前くらい聞いた事があるだろ?」


「ジョナサン・マクスウェル・・・お前・・・」


「そう。マクスウェル社CEOを務めているジョナサン・マクスウェルとは僕の事だ。」


マクスウェル社は軍事、車、電化製品といった多くの産業を取り入れている大手企業だ。

何処かで見たことがあると思えば、この人物はマクスウェル社のCEO・・・会社のトップにいる者だ。それも、かなりの若さで・・・


「・・・まさか、大手企業のCEO様がモンスターが好きだとはな・・・」


「ははっ、悪いね。僕はオカルト系全般は嫌いなんだ。」


軽く笑いながら、ダッドの言葉を流した。


「さてと、自己紹介はここまでにして・・・ダッド・マーシャル。ハルから全部は聞いてないと思うけど僕達に協力してくれるね?」


「協力?」


そう言えば、このトラックに来る前に忍者は「お前には協力してもらう。」と言っていた事を思い出す。


「言い方がらしくないんじゃないのか?」


「そうだね・・・言い方を変えよう。僕達と"取引"しようか?」


「取引ね・・・」


「別に君みたいに強盗をするような事はしないさ。まあ、警察には厄介になるかもしれないけど。」


「お前らも相当悪だな・・・」


彼らが今まで何をやってきたかは知らないが、法には反している行いはしているのだろう。


「そうだね・・・話を戻そう。取引と言うのは、君は僕達に協力する。そして、君には自由をあげるよ。」


「自由?自由って何だ?」


「小説に影響されすぎだジョアン。」


忍者は立ち上がり、ダッドの方へと歩いてくる。


「つまり、今日誤った人生をやり直せると言うことだ。」


ダッドは少し背筋が凍った。忍者が言った言葉の意味を一瞬で分かった気がしたからだ。


「どうする?決めるのお前だ。」


「・・・・・・命の保証は。」


「・・・命をかける事にはなるが・・・それは、保証しょう。」


本当に命の保証はあるのか?とダッドは思うが、何故か彼には説得力がある。

ダッドは思わず。


「分かった。やってやるよ・・・」


「よし来た。」


ジョアンは座っているイスを回転させ、パソコンへと向きを変えるとキーボードを打ち出す。


「詳しい事は会社に着いてからにしよう。君にはいろいろ話さないといけないことがあるからね。もちろん、君にも今日の銀行強盗の件については話してもらうけど。」


「分かったよ・・・ちくしょう・・・」


ダッドは疲れた様子で頭を抱えながこう思った。


(これも、誤った人生じゃないよな・・・)


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