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白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
8/19

8話:クラスと時間転送

「行く」

神島竜騎(かみしまりゅうき)はそう、はっきりと告げた。

「そう。期待してるよ、天使(エンジェル)救世主(ヒーロー)

園生美咲(そのえみさき)は少しだけ笑った。

おそらくエンジェルというのは、白翼を持つフェリーアのことだろう。


着いたのは、『日本学園』を出るための北ゲートだ。

2人とも正規の住民なので、(フェリーアたちは非正規である)出るためには許可を受けなければならない。

「どうやって出る?」

「まぁ、任せて」

ゲートには警備員がいる。

美咲は普通に通ろうとした。

「待ちなさい。許可証は?」

「『時間転送(タイムトランス)』」

美咲はそう言うと、右足のつま先で地面でトン、とついた。

すると、2人はゲートをこえ、外に出ていた。

「どうなってる……」

竜騎が呟いた。

「私の『時間転送』で、あの後、私があの警備員をねじ伏せるまでの時間を、別の時間へ転送しただけ」

つまり、と美咲は説明を続ける。

「切り取って後に時間を転送して、その分を後ろから詰めた、ということ。ぷよぷよのようなものかな?」

消して、他からそこを埋める。

警備員をねじ伏せる時間を転送し、その後外に出る時間を持ってきた、ということらしい。

「そんなことができるのか?」

「それが私の力だからね」

「能力クラスは?」

「ψ(プサイ)」

つまり、9だ。

『日本学園』の生徒の中に、クラスψは14人のみ。

総生徒数1万人以上にもかかわらず、クラスψは14人、ω(オメガ)は5人しかいない。

あわせてたった19人。

そのうちの1人。

そんな化け物の能力は、確かに常識の範疇を超えていた。

(クラスωなんて、一体どんな化け物だ……)

竜騎は内心絶句する。

不意に美咲から質問がきた。

「そういえば、君のクラスは?」

竜騎が一番気にしているふしだ。

「φ(ファイ)」

不服げに答えたのを見て、美咲は苦笑する。

「高い方だよ。万一この後戦いになったら、実力を見させてもらうねー」

声はやや高いものの、顔は真剣だった。


そして歩くこと数分。

実際は1時間ほど歩いたようだが、『時間転送』を使用したのですぐに感じた。

「頭の中がぐらぐらする……」

「ごめんね。やっぱりいきなり何時間も転送したら体に負担がかかっちゃうね」

時差ぼけのような、体の体感に違和感を感じる。

「構わないさ。それで、目的地はここか?」

目の前にある、ビルを指差す。

『ドロップ』の廃ビルとは違い、きちんとしたビルだ。

「はぁ、中もちゃんとしてるな」

スーパー、ファミレス、ゲームセンター、雑貨屋など、営業してれば客もいる。

「確か……」

美咲が地図を広げだす。

「うん、ここだね」

そこは一階雑貨屋の男子トイレ。

美咲は当たり前のように入る。

「ちょ、待てよっ……!!」

「急ぐよ竜騎」

個室が四つ。

一番奥。

上には換気扇がある。

サイズがやたら大きい。

そもそも、換気扇が天井にあるだけで不自然だ。

美咲が殴って壊した。

上に続いている。

(隠し入口ってか)

竜騎も美咲の後に続き、上にあがった。

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