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白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
2/19

2話:少女と頼み

測定室にいた寒川晴美(さむかわはるみ)から結果レポートを受け取り、神島竜騎(かみしまりゅうき)は開発局を出た。

「まだクラスφ(ファイ)なのかよ……」

自分の力を詳しく記した、右手に持つレポートにため息をついた。

「速さ、正確さ、威力、球数、全部今まで通りか……」

竜騎の『素材錬成(マテリアルアルケミー)』は、速さと正確さ、さらに威力と球数で測定する。

すべて五段階になっていて、竜騎はどれも4である。

「いつも通り、やるか」


竜騎が来たのは、駅から見て開発局からもう少し向こうにある無人の工場である。

もちろん能力は練習すれば(他にもあるが)上がるものだ。

なので、竜騎は毎回クラスが上がってないたびにここで練習する。

やるのは簡単。

そこらにある機械などを正確に打ち抜いていくこと。

今日もしようと来てみたが、何やら先客がいたようだ。

(誰かいるのか……?)

こっそりと中を覗いてみた。

中には男が2人と少女が1人いた。

「てめぇ、どうゆうつもりだ?」

「わ、私は……、あなたたちには、ついて行かない……」

「何を今さら言ってやがる……」

「お前らんとこのリーダーから了承は得てんだよ」

「で、でも……、私はイヤっ……!」

見た感じ、女の子を男たちが連れていきたいようだ。

やりとりから、女の子は拒否してるようだ。

「ふざけんなよ……!」

男が少女を殴ろうとしたとき、竜騎は反射的に空気砲を男に撃った。

言霊を言っていないので、男に対したダメージはないだろう。

「誰だ!!」

もう一方の男が叫ぶ。

(はぁ、やっちまった)

内心ため息をつき、工場に入った。

「その子から離れろ」

竜騎が少しドスのきいた声を出した。

「何だとガキが!!」

最初にあてた男が立ち上がった。

男たちが拳銃らしきものを持ち、こちらに向ける。

(無能力者か)

竜騎は勝利を確信した。

「遅い!」

男が撃つより先に、竜騎は撃った。

手に命中し、男は思わず拳銃を落とす。

「くそっ!」

男たちは、工場の入口と正反対にある裏口から逃げて行った。

「大丈夫か?」

「あ、うん……。ありがとう」

少女はぺこりと頭を下げる。

「別にいいよ。偶然立ち寄っただけだしね」

「本当にありがとうございます」

再び頭を下げる少女に、竜騎は手を乗せ撫でた。

竜騎がどうして撫でたかというと、竜騎には妹がいたからだ。

「んじゃ、俺はこれで」

これ以上厄介事に関わりたくなかったので、練習を中止にして帰ろうと思った。

のだが―――。

「あの、助けて下さい!」

これが、竜騎と少女の出会いだった。

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