表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
17/19

17話:その後とライバル

「ねぇねぇ、竜騎。あれは何?」

「あれか? 俺の行ってる学校だよ」

とある病室の窓から見える景色。

そのうち一つの建物を指さして、入院患者専用の淡いピンクの服を着て、ベッドに座っているフェリーア。

そしてその問いに答えているのは、もちろん神島竜騎(かみしまりゅうき)だ。

「ふふっ、そうなんだー」

一山をともに越えたこともあり、フェリーアも完全に竜騎に気を許すようになり、敬語も堅苦しい雰囲気もなくなった。

「えらく嬉しそうじゃんか」

「だって、竜騎が助けてくれたんでしょ?」

「俺だけじゃないよ。美咲も、あ、あと単崎も」

園生美咲(そのえみさき)は、とりあえず一命は取り留め、フェリーアの隣の病室で入院中。

単崎将(たんざきしょう)は、能力を使って美咲を『アウト』の本拠地にすぐ連れて行き、医療系能力者に治させた。

その後、気絶していた医者たちが目を覚まし、脳も正常に元通りになった『医療区』は最大病院いつも通り機能し始めた。

なので、竜騎はフェリーアと美咲を病院に送り、今は2人とも休養中だ。

「単崎って?」

「あ、そっか。知らないんだな。『アウト』のリーダーだよ」

「その人、敵じゃないの?」

「うーん、敵じゃないけど、かといって味方でもないような……」

フェリーアは小首を傾げていた。

竜騎1人ではゲートを越えられないので、『アウト』の本拠地には、美咲を治療してもらってから行っていない。

なので、単崎が今どこで何をしているかは、竜騎には分からない。

「ありがとう、竜騎」

「えっ? あー、おう」

不意にお礼を言われたため、竜騎は少し動揺した。

顔を赤らめたことに、自身は気づいていない。

「竜騎にいっぱい助けてもらったね」

「まぁ、俺だけの力じゃどうにもならなかったんだけど……」

竜騎の『素材錬成(マテリアルアルケミー)』はあの後クラスがχ(カイ)に上がっていた。

両手どちらでも錬成でき、かつ2つ以上のものを掛け合わせたりもできるようになった。

といっても、竜騎自身にあまり実感はなく、寒川晴海(さむかわはるみ)にくすりと笑われていた。

「竜騎……」

フェリーアが顔を赤らめた。

目を静かに閉じ、上半身を少し前に出した。

その様子はまるで―――

(キス!?)

心臓が飛び跳ねる。

鼓動音が激しくなる。

無論初めての竜騎にはやり方など分かるはずもない。

(っ……! もうどうにでもなれっ!)

腹をくくり、静かに顔を近づけていく。

唇が触れ合うまさにその時。

「竜騎ぃぃぃぃぃぃぃ!!」

叫び声とともに、病室のドアが開け放たれた。

「っ!!」

2人は反射的に飛び退く。

内心残念だったものの、竜騎は声の主を見た。

「なんだよ……」

「そんな、唯一の頼りである幼なじみにその反応とは!」

そこにいたのは、竜騎の幼なじみである白根結衣(しろねゆうい)である。

「って! その子誰!? まさか……」

「ち、違う違う!! 別にそんなんじゃない、ただの知り合いだ」

ただの知り合い。

その言い方にややむっとしたフェリーア。

「竜騎、誰なの!?」

「なぜフェリーアまで!? 幼なじみの結衣だよ」

2人がむぐぐぐぐと睨み合い間に、竜騎が苦笑いしながら、

(なんでこうなってんの……?)

と思っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ