表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
14/19

14話:アウトと単崎

「美咲!」

神島竜騎(かみしまりゅうき)は、現れた園生美咲(そのえみさき)に叫んだ。

「竜騎、これは!?」

「間に合わなかったんだ……! 『装置』の何千人の脳と、『部品』のフェリーアが、一緒になっちまった……」

唖然とする。

「あれは仕事の対象外なのか?」

その場の空気にそぐわないことを言う単崎将(たんざきしょう)

「君、何か知ってるのか?」

美咲は単崎に聞く。

「さぁな。あれがやつの言ってた『人工天使(アーティフィシャルエンジェル)』ってやつなんだろう」

単崎の言う「やつ」とは、陣野光秀(じんのみつひで)のことだ。

「仕事って何!? 君は何者なんだ!?」

美咲が単崎につかみかかる。

大切な仲間であるフェリーアがあの様な状況になってしまった。

気持ちが整理できていない。

半狂乱状態の美咲を、単崎は冷酷に振り払う。

「俺は『アウト』のリーダーと言ったが?」

「なぜ陣野たちを倒しにきたんだ」

「勘違いしてるようだが、『アウト』は世界への反逆を目的とするチームじゃない。世界の摂理を守るためのチームだ」

単崎は言う。

自分たちは守るためにいる。

ゆえに、世界に反逆するチームを倒そうとしていた。

だから、獅子鹿央(ししかおう)、陣野を狙った。

それが仕事、ということだった。

「じゃあ、お前は……」

「俺はあんたの敵じゃないんだよ、神島竜騎」

そう、始めから争うことはなかったのだ。

だから単崎は竜騎を攻撃せず逃がした。

今はもう美咲も敵ではなくなっている。

「勘違いするなよ、俺はあんたらの仲間じゃない。敵じゃないだけだ。だから、あの壊れた天使を倒す」

次は竜騎が単崎にくってかかった。

「ふざけるな!! あいつは……、フェリーアは敵じゃない、なりたくてあんな風になってるんじゃない!!」

必死で言う竜騎を一瞥し、再び天使に向く。

「うるせぇなぁ……。俺が倒すのは『人工天使』だ。中の女は範囲外なんだよ」

そう言うと、ぶわぁっと周りの空気を切り裂き、単崎は天使に向かって走る。

「小手調べだ『人工天使』!!!」

勢いにのせて突き出した右手の拳は、天使の羽根に防がれる。

「ちっ……。合わさった脳から能力まで吸い取ってやがるな」

体勢を立て直す。

「くそっ!」

竜騎も左手にある拳銃で撃ち込むが、跳ね返される。

「キィヤァァァァァァ!!!」

天使は再び声をあげる。

天使の翼の羽根、その内の一枚がふわりと天使の目の前に浮く。

羽根が光ると同時に、竜騎に向けて光のレーダーがとぶ。

「竜騎、危ないっ!」

美咲が竜騎をかばう。

「美咲!」

「がはっ!」

腹を突き抜けた。

射抜かれた勢いで、美咲は竜騎の後ろへ吹き飛ぶ。

鮮血が広がり、美咲は口から吐血した。

「くっ!」

竜騎は美咲に駆け寄ろうとした。

「よせっ!」

単崎の声にはっとする。

もう何枚もの羽根が、竜騎の方を向いて浮いている。

「嘘だろ……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ