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白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
13/19

13話:人工天使と逃亡

(…………)

真っ暗になったパソコンを見つめる神島竜騎(かみしまりゅうき)

後ろには四次元空間のような虹色の球体がある。

中には獅子鹿央(ししかおう)陣野光秀(じんのみつひで)園生美咲(そのえみさき)、そしてその球体を―――ありとあらゆる限界を自らの意のままに変える『限界(リミット)調整(アドジャスト)』を使い―――生み出した本人たる単崎将(たんざきしょう)がいる。

「フェリーア!」

探し求める彼女の名を、竜騎は叫ぶ。

その時、どこからか絶叫のごとき悲鳴が上がった。

「フェリーア!!!」

その声の主は、間違いなく彼女だ。

しかし、どこか分からない。

すると、その部屋のパソコンより向こうの壁に、ミシミシとヒビが入った。

バァンっ!

壁が砕け散り、そこにいたのは……。

「天使…………!!?」

真っ白の翼を背に、ゆっくりと立ち上がる人。

その姿は人ではなく、天使。

頭の上には、光り輝く輪がある。

しかし、その顔、体格、すべてがフェリーアなのだ。

「フェリーア!!」

声をかけても返事はない。

天使はチラッと竜騎を見た。

「キィヤァァァァァァ!!!!」

とても人の声などではなく、耳が痛くなるような高い声。

そこから竜騎が感じられたのは、苦痛。

「落ち着け!! どうしたんだ!?」

必死に呼びかける。

天使はこちらを向いた。

「…………」

背中の翼がバサリ、と開いた。

いくつもの白い羽根からなる、絶世の美しさを持つ翼。

の、はずだった。

羽根一つ一つから、人の声が聞こえる。

脳を取り込まれた人の苦しみの声が、頭に響いてくる。

「ぐっ……」

あまりのすさまじさに、竜騎は思わず頭を押さえた。

「間に、合わなかったのかよ…………?」


「!?」

球体の中にいても、美咲には外の異変が伝わった。

「終わりっとォ。次はてめぇか?」

単崎が遂に鹿央をのしてしまった。

「ふぅ……。些か面倒だな。目的である反逆装置の『人工天使(アーティフィシャルエンジェル)』は完成した。後はもう用はないようだ」

「はっ。俺はまだ用があんだよ」

陣野はネクタイを直す。

「悪いが、君と戦うにはまだ早い」

ヒュッと風を斬るような音を残し、陣野は倒れた鹿央と共に消えた。

「ちっ! 『瞬間移動』(テレポーテイション)だったのか」

舌打ちをしたあと、単崎は美咲を見る。

「あんた、まだ世界に反逆する気か?」

「私は……」

美咲は少しだけ考えて、決心する。

「私の仲間を傷つけた、やつらを殺す」

仲間だった鹿央は、すでにやつらに部類している。

「そうかい。なら仕事の対象外だな」

「仕事?」球体が弾け飛び、2人はもといた部屋に戻った。

「フェリーア…………?」

壊れた壁、天使のような、変わり果てたフェリーアを目の当たりにして、美咲は呆然とした。


更新遅くなってすみません。

読んで下さってる方、ありがとうございます。

感想やアドバイスをぜひよろしくお願いします。

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