表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い翼の少女と創生する少年  作者: Rewrite
少女との出会い―meet a girl who has white wings―
10/19

10話:装置と敵

『ドロップ』本拠地のビルへ戻った園生美咲(そのえみさき)神島竜騎(かみしまりゅうき)

『アウト』のリーダー、単崎将たんざきしょうから何とか退いた2人。

そして彼らは今、本拠地に戻ってきた。

確かに、本拠地へ戻ってきたのだ。

しかし、そこには廃ビルはなく―――。

あったのは、傷ついた仲間たちだけだった。

「みんな!!」

美咲は倒れている広瀬直人(ひろせなおと)に駆け寄った。

「どうした!?」

「野郎……、クソっ、ビル潰していきやがって……」

「誰か来たのか!?」

「『ダウン』の、ボスだ……」

「なんだって!?」

『アウト』のリーダーの次は、『ダウン』のリーダー……。

2人は息を飲んだ。

「やつら、フェリーアを連れて、行きやがった……」

「なんだと……!?」

竜騎の表情が一転した。

『ドロップ』のメンバーではない竜騎としては、正直彼らが倒れていても、とてつもない焦りや苛立ちを覚えることはなかった。

しかし、フェリーアが、となれば話は別だ。

「どこへ連れて行ったんだ!?」

まるで広瀬に怒っているかのように聞いた。

「『日本学園』東中央区、『医療区』だ……。やつら、『装置』と『部品』を見つけやがった……。うっ!」

そう言うと、広瀬は力なく倒れた。

「広瀬!!」

美咲が呼びかけても、もう返事はない。

「おい、『装置』は得たんじゃないのか!?」

「分からない……。偽物を渡されたか、今奪われたのか……」

しかし、重要なのはそこじゃない。

「『装置』ってのは、何なんだ……?」

「私らが『ダウン』から貰った『装置』っていうのは、東中央区にある『医療区』の最大病院のネットワークルームへの鍵」

「ネットワークルーム……?」

「みんなの脳の状況と、能力をチェックする部屋だよ」

「まさか、『装置』ってのは……」

そう、と一拍おいてから、美咲はかなり真剣な表情で告げた。

「何千人もの、脳だ」


美咲の『時間転送』(タイムトランス)により、『医療区』にたどり着くまでに時間は要しなかった。

「とりあえず、ネットワークルームへ」

2人は急いで向かう。

地下にあるようだ。

そこへ向かう途中に、何人かの医者達や看護士達が倒れていた。

今、この病院が機能しない以上、他に病院などない。

ゆえに、この病院には何千人もの患者がいて、脳がある。

『ドロップ』のメンバーも、つらい気持ちを押し切って、あの場に残してきた。

「よし、ここだ」

「俺に任せてくれ」

竜騎が前に出た。

最強の硬さで作られた扉。

銃弾、爆弾すらも効かない扉だ。

「君の空気砲じゃ、壊せないよ」

「大丈夫だ」

竜騎は今のところ何の役にもたっていない。

なんとしても、力にならなければと思う。

「両手に無の具を似る力を!」

そうして、右手を扉につける。

「『素材錬成』(マテリアルアルケミー)!」

パッと扉が消え、あるのは竜騎の左手に拳銃だけだ。

「扉を素材にした。まぁ、せっかくだから拳銃も造っておいた」

ほぉ、と美咲は感嘆した。

「行こう」

中には通路。

その先には、薄暗い部屋、パソコンのような機器の明かりでうっすらと見える。

「『ドロップ』か?」

中にいた男が、後ろを振り向かず聞いてきた。

男は2人。

「そうだよ。私が副リーダーの園生美咲だ」

「副リーダー、『時間転送』の女か」

どうやら、相手は知っているようだ。

「ここは、俺が出ましょう」

そして現れたもう一人の男。

「嘘……、どうして……」

美咲がなぜか驚いている。

「どうした美咲!?」

「この、人は……」

男は竜騎は見て、ふふっと不敵に笑った。

「初めまして、神島竜騎。俺は『ドロップ』のリーダー、獅子鹿央(ししかおう)だ」

いよいよ話の結末へ向かいます。

読んでくださった方、ありがとうございます。

よかったら、感想、アドバイスなどよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ