ドラゴンローリングローリングエスカレーターエレベーター
「その意味の分からない言葉の並びは?」
製作者が答える。
「『ドラゴンローリングローリングエスカレーターエレベーター』
略してDRREEは、
最先端のエレベーターだ。
『エスカレーターエレベーター』は、
エスカレーター式エレベーターであり、
階段が動くと共に、階段全体も一度に上下する装置だ。
『ローリングエスカレーターエレベーター』は
階段全体が回る装置。例えば、螺旋を描いて上下する。
『ローリングローリングエスカレーターエレベーター』は、
階段全体と共に、階段一段一段も回る。
手すりに掴まることが必須だ。
そして、『ドラゴンローリングローリングエスカレーターエレベーター』は、
宙を舞う。
自由自在に動き、上下左右に回り、バク転をし、高度1万mに達する。
竜のように、身体を波打たせ、空を舞う。
それがDRREEだ」
「それは…
意味があるのか?目的は何だ?」
「そんなものは、無い」
「なんでそんなダサい名前なんだ?」
「美しい名前だろう?」
「いつ完成する?」
「もう完成している」
「どこに」
「ここに」
突然、床が抜け、長大な階段が現れる。
慌てて、手すりにしがみつく。
そこに、
「ドラゴンローリングローリングエスカレーターエレベーター」は、あった。
階段が波打ち、遙か先、2つの目が閃光を放つ
機械の軋む音、竜の咆哮のような響きに耳を塞ぐ
階段が揺れ、宙に浮く
製作者が呼びかける。
「さあ
出発だ」
出発の揺れで、俺達二人は振り落とされた。
無人の「ドラゴンローリングローリングエスカレーターエレベーター」は、
製作者の悲痛な叫びを背に、
彼方へと飛んで行き
そのまま永遠に姿を消した




