日記 15 ☼
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ᵕ̣̣̣̣̣̣ 日記 15 ☼
チョウがそっと私を小突き、再び胸の高鳴りを隠しきれずに言った。
「早く行こう、逃しちゃうよ」彼女は立ち上がり、スカートについた砂を払い落とした。
私はその後に続き、屋根から降りて砂に覆われた道に軽く足を下ろす。夜はすっかり訪れ、頭上には提灯が温かく輝き、村を黄金色に染めていた。人々が通りを歩き、話し声が混じり合い、ときおり空を彩る花火の音が響いた。それはまるで夢の中を歩いているようで――平和で、生き生きとした私たちの世界が広がっていた。
曲がりくねった小道を抜け、母がいるであろう場所へ向かう。彼女はきっといつものように神社にいて、供え物を整えているに違いなかった。母は賑やかな人混みは好まなかったが、神社で神々と静かに向き合う時間を愛していた。それは、屋根の上が私たちの場所であるように、母にとって村の中の「居場所」だった。
「いた!」チョウが小声でささやき、指差した角を曲がると、やはり母が神社の石段のそばに立っていた。背を向け、提灯の柔らかな光に包まれている。母は一番の浴衣をまとっていた。深い青は紫がかって見え、金色の鶴や暗い花々が繊細に刺繍されている。長い髪は夜そのもののように流れ、光を受けて輝き、時を超えた静けさをまとっていた。
私たちは静かに近づいたが、母は気配に気づいたのか、振り向いて温かな笑顔を見せた。
「やっと来たのね」母は柔らかな声で言った。「迷子になったのかと思ったわ」
チョウはにっこり笑い、母の腰に飛びついた。
「屋根から花火を見てたの!すごくきれいだったんだよ、見せたかったな!」
母は優しくチョウの頭に手を置き、微笑んだ。
「そうだったのね」そして私に目を向け、そのまなざしを和らげた。
「セイヨはどう?楽しめた?」
私はうなずき、近づいた。
「うん。静かで……でも良い静けさだった」
母は小さく笑った。
「それらしいわね」そう言って私の手を軽く握り、すぐに離した。「二人が楽しんでくれてよかった。今夜は本当に美しいもの」
三人で立ち尽くす。村の喧騒が静かに流れる中で、母と一緒にいるだけで、すべての欠片がぴたりと収まっていくような安心感に包まれた。
「次はお祭りの続きを見に行こうよ!」チョウが輝く目で言った。「まだたくさんあるし、提灯流しもやりたい!」
母は空を見上げ、柔らかく開いた花火を眺めながら微笑んだ。
「いいわね。みんなで一緒に行きましょうか」
チョウは嬉しそうに私たちの手を取り、提灯流しの道へと引っ張っていく。家族で小さな紙の提灯に火を灯し、川へ流して一年の恵みに感謝する――それは祭りの中でも特に好きな行事だった。無数の提灯が水面に浮かび、やわらかな光を波に映す様子は、言葉にできないほど美しかった。
川辺にはすでに多くの家族が集まり、提灯を灯して水面へと送り出していた。川面は何百という小さな光で揺らめき、あたり一帯が黄金色に包まれていた。
母は片膝をついて提灯に火を灯し、それをチョウに手渡した。チョウはにっこり笑い、私を見上げた。
「セイヨも灯して」
私もひざまずき、自分の提灯に火を灯す。小さな炎が揺れ、手元を柔らかく照らした。顔を上げると、母が静かに、すべてを見守るような微笑みを浮かべていた。
三人で並んで川の縁まで歩き、提灯を水に浮かべる。流れに乗り、ゆっくりと遠ざかる光が他の無数の明かりと溶け合っていく。その光景を、ただ並んで見つめていた。
「きれいだね」私は小さくつぶやき、再び心に静けさが広がるのを感じた。
「本当にね」母も柔らかに答える。「私たちは幸せよ。こんな時間を、こうして一緒に過ごせるんだから」
チョウは私の手を握り返し、そのエネルギーも静かにやわらいでいた。
「うん、そうだね」
私は微笑み、夜と提灯の温もりに包まれる。祭りは続き、夜もなお広がっていく。けれどこの瞬間は完璧だった――三人で、村の心臓部に立ち、私たちの「家」と呼べる世界を分かち合っていたのだから。
【とじ✿】♡




