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季節の静けさ  作者: 波歌
20/83

日記 15 ☼

❀ ✧0.003-04

ᵕ̣̣̣̣̣̣ 日記 15 ☼


チョウがそっと私を小突き、再び胸の高鳴りを隠しきれずに言った。

「早く行こう、逃しちゃうよ」彼女は立ち上がり、スカートについた砂を払い落とした。

私はその後に続き、屋根から降りて砂に覆われた道に軽く足を下ろす。夜はすっかり訪れ、頭上には提灯が温かく輝き、村を黄金色に染めていた。人々が通りを歩き、話し声が混じり合い、ときおり空を彩る花火の音が響いた。それはまるで夢の中を歩いているようで――平和で、生き生きとした私たちの世界が広がっていた。

曲がりくねった小道を抜け、母がいるであろう場所へ向かう。彼女はきっといつものように神社にいて、供え物を整えているに違いなかった。母は賑やかな人混みは好まなかったが、神社で神々と静かに向き合う時間を愛していた。それは、屋根の上が私たちの場所であるように、母にとって村の中の「居場所」だった。

「いた!」チョウが小声でささやき、指差した角を曲がると、やはり母が神社の石段のそばに立っていた。背を向け、提灯の柔らかな光に包まれている。母は一番の浴衣をまとっていた。深い青は紫がかって見え、金色の鶴や暗い花々が繊細に刺繍されている。長い髪は夜そのもののように流れ、光を受けて輝き、時を超えた静けさをまとっていた。

私たちは静かに近づいたが、母は気配に気づいたのか、振り向いて温かな笑顔を見せた。

「やっと来たのね」母は柔らかな声で言った。「迷子になったのかと思ったわ」

チョウはにっこり笑い、母の腰に飛びついた。

「屋根から花火を見てたの!すごくきれいだったんだよ、見せたかったな!」

母は優しくチョウの頭に手を置き、微笑んだ。

「そうだったのね」そして私に目を向け、そのまなざしを和らげた。

「セイヨはどう?楽しめた?」

私はうなずき、近づいた。

「うん。静かで……でも良い静けさだった」

母は小さく笑った。

「それらしいわね」そう言って私の手を軽く握り、すぐに離した。「二人が楽しんでくれてよかった。今夜は本当に美しいもの」

三人で立ち尽くす。村の喧騒が静かに流れる中で、母と一緒にいるだけで、すべての欠片がぴたりと収まっていくような安心感に包まれた。

「次はお祭りの続きを見に行こうよ!」チョウが輝く目で言った。「まだたくさんあるし、提灯流しもやりたい!」

母は空を見上げ、柔らかく開いた花火を眺めながら微笑んだ。

「いいわね。みんなで一緒に行きましょうか」

チョウは嬉しそうに私たちの手を取り、提灯流しの道へと引っ張っていく。家族で小さな紙の提灯に火を灯し、川へ流して一年の恵みに感謝する――それは祭りの中でも特に好きな行事だった。無数の提灯が水面に浮かび、やわらかな光を波に映す様子は、言葉にできないほど美しかった。

川辺にはすでに多くの家族が集まり、提灯を灯して水面へと送り出していた。川面は何百という小さな光で揺らめき、あたり一帯が黄金色に包まれていた。

母は片膝をついて提灯に火を灯し、それをチョウに手渡した。チョウはにっこり笑い、私を見上げた。

「セイヨも灯して」

私もひざまずき、自分の提灯に火を灯す。小さな炎が揺れ、手元を柔らかく照らした。顔を上げると、母が静かに、すべてを見守るような微笑みを浮かべていた。

三人で並んで川の縁まで歩き、提灯を水に浮かべる。流れに乗り、ゆっくりと遠ざかる光が他の無数の明かりと溶け合っていく。その光景を、ただ並んで見つめていた。

「きれいだね」私は小さくつぶやき、再び心に静けさが広がるのを感じた。

「本当にね」母も柔らかに答える。「私たちは幸せよ。こんな時間を、こうして一緒に過ごせるんだから」

チョウは私の手を握り返し、そのエネルギーも静かにやわらいでいた。

「うん、そうだね」

私は微笑み、夜と提灯の温もりに包まれる。祭りは続き、夜もなお広がっていく。けれどこの瞬間は完璧だった――三人で、村の心臓部に立ち、私たちの「家」と呼べる世界を分かち合っていたのだから。


【とじ✿】♡


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