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番外編 ランダさん

母さんが死んでどうしようかと思っていたら、お父様と言う人が迎えに来た。


もう少し早かったら母さんに会えたのに・・・そう言って泣いたらその人は慰めてくれた。


その人は慰めてくれたのに、その人の奥さんは冷たかった。お父様がわたしに優しくするとその人は睨むし、ご飯を食べる時も背を伸ばせだの、フォークをカチャカチャするなとか、カップは静かに皿に置けとかうるさいの。


それで、虐めるのはやめてって泣いたの。そしたらうるさいことを言わなくなった。もっと早くこうすれば良かった。



この学院で泣いた時に慰めてくれたのはその人たちだけだった。


後で王子様たちだとわかった。王子様ってやっぱり特別ってことね。




わたしは、ヨランダ・ボーダード男爵令嬢よ。貴族の娘は令嬢になるのよ。


そう教えて貰ったからクラスで自己紹介をする時に


「ヨランダ・ボーダード男爵令嬢です」って丁寧に言ったの。すると休み時間に自分で名乗る時は


「ヨランダ・ボーダード男爵が娘ですとか、の娘です。が三女ですとか言うんだって意地悪を言われたの」


「貴族らしく令嬢って使うほうが上品よ」って言ったら


「自分に敬語を使うのは間違い」ってもっと意地悪されたから泣いたよ。


わたしが泣くとみんな慰めてくれたからわたしは、泣きながら誰かが慰めにくるのを待ったの。


だけど誰も慰めに来なかった。ひどいわ。



だけど、クラスの人は反省したのか、意地悪はなくなったわ。


だけど、ちょっとしたことでわたしは傷ついてしまうの。たとえば誰も宿題をかわりにやってくれなかったりとか・・・できるんだからわたしの分を一緒にやればいいのよね。


最初のうちは見せてくれる人がいたの。それは良かったんだけど・・・その日の宿題は量が多くて写せなかったから、名前をわたしの名前に書き換えたの。ばれないようにちゃんと黒く塗りつぶしてわたしの名前を書いたのよ。そしたらその人はすごく怒ってしまって、以来写させてくれなくなったの。それで先生に叱られて泣いたんだけど・・・誰も慰めてくれないの



それで、クラスの人は見捨てて他の人を探したの。そして遠い廊下を歩いていたらすごく素敵な人に出会ったの。


それから世界が変わった。


わたしが泣くとすぐ慰めてくれるし・・・宿題もすぐやってくれるし・・・


そしたら、ある日


「婚約者がいる人にあまり近寄るのは良くないね」ってクラスの人同士が話していたから、なにげなく


「婚約者がいるの?」と言ったら、五人とも婚約者がいてびっくりしたら


「親が決めた婚約者なんてどうでもいいんだよ」とみんなが言ったから、その時は一人が王子様って知っていたから、王子様が言うのは間違いないよねと思っていっぱい近寄っていたけど、ある日お昼を食べに行ったらその人がいて、椅子も料理も足りなかった。


意地悪されたけど、わたしは泣くまいとがんばったのよ・・・それからも意地悪されたけど、みんなが一緒だから耐えられた。


いつのまにか側近の四人がいなくなって別の側近がいるようになって、なんだか窮屈になった。


お勉強から抜け出そうとすると手伝ってくれなくなったり、最低なのよ。



そして、あの夜会の時、失敗しそうになったわたしをみんなが笑っているようで、耐えられなくてウィルにうったえてたら、側近に力づくで部屋から出された。


でも、お勉強しろって言われなくなってゆっくりしてたら。ウィルが慌ててやって来て言うには、外国に留学するって・・・


外国?遠いの?っていやだなって思ったけど、うるさい側近とか意地悪な人と離れるならいいんじゃないって言ったら、ウィルは怒って侍従とか侍女とか手伝ってくれる人が、いないのに生活が大変になる。


困った。なに気楽なことを言うんだって・・・終いにはわたしのせいとか言い出したの。だから一緒に行ってあげないことにしようと思ってる。


わたしがいなくて寂しくても知らない!!


ウィルが遠くに行ったら、頼る人がいなくなる。だから家でゆっくり過ごしてあげようと思ったの。


可愛いわたしがいれば家も華やかになるでしょ!!


それなのに、お父様もその奥さんもわたしを部屋に閉じ込めたの。粗末な食事が部屋に届けられるだけ・・・お菓子がないのよ。信じられる? わたしを助けに来た人に言いつけてやるって思って、我慢してたの。


そしたら、ある日ドアが開いたの。わたし真っ直ぐその人の胸に飛び込んですがりついて言ったのよ


「怖かったーーーみんなひどいのーーーー」


「そう、ひどいんだ」って声に聞き覚えがあって顔を上げたらウィルだったわ。


そうか、反省して迎えに来たのね。そしたらウィルが


「僕と君は結婚する。そして領地を貰ってそこで一生暮らす」


「え? えっとそれっていいこと?悪いこと?愛し合ってる二人だよね?」と戸惑っている間にわたしの部屋のものはどんどん荷造りされて行った。


「荷物は全部持って行っていいそうだ」


ウィルの声に優しさが含まれていない! どうしてこうなったの!


誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。

とても助かっております。


いつも読んでいただきありがとうございます!

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。



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― 新着の感想 ―
ヨランダは明らかに色々(主に頭…)と足りてない子ですよね…。 元王子も元側近達も、よくヨランダと会話や意思の疎通が成り立ったな…。 しかも恋愛感情までよく湧いたな…。 ヨランダを良いと思える元王子達と…
婚約破棄を題材にした多くの作品が、ざまぁまでの過程は丁寧に書くけどざまぁ後がナレ死みたいな淡白さで物足りない中、王子とピンク嬢の末路が丁寧に描写されている本作は素晴らしいです。 王子の女の子を見る目の…
あたおかの頭の中身をそのまま文章にするとすごく読みづらいんだなぁと思いました。
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