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番外編 元王太子

舞踏会で、無礼にも側近に囲まれて外に連れ出された。ランダが泣いているから、あいつに反省をうながそうとしている所だったのに。


宰相が待っていて、王子としての振る舞い。ランダは王子と並んでいるものとしての振る舞いがなってないと、がみがみ説教された。


王子は負担の多い立場だから癒しが必要だと、また教えてやらねばならなかった。


すると


「あなたは王子ではなくなります。国王夫妻もかばいきれない。あなたがたの結婚は認めます。王領の一部を領地として差し上げようかと・・・そこで暮らして下さい。王都への踏み入れは当分の間、禁止です」と宰相がえらそうに言うのを


「なんだと、誰が決めたんだ」と王子の威厳を持って問いただすとあっさり


「国王陛下ですよ」と答えが返って来た。


「へ?父上が?」


「そうです。ようは廃嫡されました。そちらのボーダード嬢もなんですか?最低の礼儀も学びませんでしたね。陛下も殿下の望みをかなえようと協力されたのに、せめて口をつぐむことが出来ればなんとかなったのに・・・せめて留学って思ってましたけど、外に出せないですね。無理でしたね。どこかの婿としては今、探してますが無理でしょうね」と宰相が言った。それから目つきが変わると


「うちの息子も愚かでした。今、他所で勉強しなおしています。我が子の不始末ですから、誰も恨めませんが・・・恨みませんが・・・恨んではいけないと理解してますがね」と穏やかな宰相とは思えない口調で言った。


「どこで勉強しているのか?」と尋ねたかったが、ランダが口を出してきて言えなかった。


「なによ。わたしは殿下が踊りをけなされていたから抗議しようとしたのよ。殿下がへたくそでわたしの優雅さが、映えないと馬鹿にされるのをかばおうとしたのよ」

なんだか、随分な言いようだ。

おれはそれなりに踊ったよ。足を動かすタイミングが最低のランダをかかえて踊ったよ。それにあいつらは礼儀正しく拍手してたし、なにも言ってないよ。ランダには聞こえたの?


「誰もなにも言っていませんよ。すぐに始めるダンスの準備をしてましたよ。お相手に、にっこりほほ笑みかけておずおずと、手をとってって初々しいあの時期の・・・あれっていい思い出になるんですよね・・・甘酸っぱいって言うあれですよ・・・うぅん」と最後に宰相は咳払いすると、いつもの宰相に戻ってこう言った。

「そちらのお嬢さんの想像力過多って言うの、迷惑なんですよ」


想像力過多! なんだそれはランダを貶めて! だってランダは優しくて、悪意に敏感ですごく傷つきやすくて、大切に守らないと・・・そう大切に・・・・・・・・誰もなにも言わなかったよな・・・・それどころか誰も気にしてなかった・・・・ランダの大声にびっくりしてたし・・・・あっ・・・おれはなにをしたんだ・・・



「・・・言われても平気な振りをしてたのよ。教師はあの本を声をだして読めとか無理なことを言うし、あんな字しかない本読めると思う?」


考えて事をしている間にランダの話しが続いていた。なんてことを言っているんだ。そうだランダが勝手に言っているだけのことをおれは・・・


おれは、宰相の言うとおり、王領の隅に行くことした。国王陛下の温情を受け取った。



それから、おれの側近だった宰相の息子が、いなくなった理由がわかった。宰相は心を鬼にして息子が落ちるまえに救った。


おれも救われたのだが・・・もう少し早く気づけば、おれも側近もずっと一緒だったのに・・・






誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。

とても助かっております。


いつも読んでいただきありがとうございます!

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。



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