明朝のスノードーム
包愛、崩壊
愛されたい人に愛されたい。
私を撫でた後の手で君は誰を撫でるの?
もう直してもらえない襟を今日は自分の手で直す。暖房の温もりが気持ち悪くなって、あーこうやって君の温もりさえも受け入れられなくなるのかな。あのうざったそうな顔と声が今日も私を壊していくよ。その代償にあの日、1分顔を合わせるためだけに儚さを演出したさいこうにおめかししたパジャマ姿をいつだって思い出せばいいのに。ときめきがないなら、やさしさが欲しい。崩れた髪ですら演出だと思わせたい。崩れて壊れて壊れて壊れて。洗剤で洗えば全て綺麗になくなるのに、ずっと名残があるような気がして口づけするグラスは割れないで。いつまでもこんなんじゃやってられないや。あの日のラズベリー除光液が鼻をくすぐる。想香。後ろ姿すら知らない今日が何もなく過ぎていってしまうようになったぐらい私は君をなくしていかないといけないのでしょうか。なにもかも私の手をすり抜けていく。名残惜しく居てよ。
君が別れを示唆してくる二回目を私は見逃しちゃいけないのだろう。もう、「!」をつけるのに疲れてしまったこの夜を何度くり返せばいいの。どうせ裏側を知りもしないんだろうな。そこに惹かれてるところもあるよ。狂ってるね。
私が夢の中でキスしようとしてた相手は君じゃありませんでした。キスする直前にマスクを外す仕草をした君を見てあーこんな世界だったねって思い出す。酸素とマスクとの板挟みで君の顔には直接触れない私の二酸化炭素。こんな世界じゃなかったら君は私の××××××××××××?なんて言ったらまた引かれちゃうね。おもしろいね。
「言わなきゃよかった」を知らない君には分かんないよ。
ねえ、別れ際君が少し微笑んだのは信じてもいい笑みですか。期待してもいつもそれは灰になって消えちゃう。一つの言葉一つの仕草にバカみたいに振り回されてバカみたい。それしか縋れるものがなかった。君の仕草ひとつで全部全部報われるの。分かって?
まあいつか「懐かしいな〜」なんて同窓会とかで言うんでしょ。懐かしい、って寂しいな。過去になっちゃったんだもんね。あんなにきれいな思い出もさ。ほんとはきれいじゃなかったかもしれないのに美化されて美化されて美化されて。
自分の名前にしっくりくるのは、君に名前を呼んでもらった時なのに君に名前を呼ばれてもときめかなくなってしまったら、それは恋の終わりですか。君の脳内に存在していたかった。
「いってらっしゃい」が私宛じゃないことなんて君にはどうでもよくてどうしようもなくなっちゃうよ。砕けるのがスノードームだったら君の記憶に私が散るのに。
今日はスノードーム。
「またか」って思わせちゃったならもう涙はもらえない。本当は一度で決めなきゃいけなかったね。終わらせなきゃいけなかったね。
おかえりって言われたのが嬉しすぎてスクショ3枚も撮っちゃった。こんなやさしさがたくさんあれば紛れもなくしあわせだね。せめて、せめて。後輩ちゃんに、「大好きだよ〜!」ってLINEしたら「多分私のほうが大好きです」って返信が来た時みたいに。
綺麗な匂いになった制服にバックハグするように組章を付けていた。ねえ今なら、今、ハグしてよ。なんて。届かないのにね。
寂しいといってすぐにそれが満たされるのもなんか違うし、愛されたからって何が残るかもわっかんないや。「泣かないで」は私宛じゃないから口角を上げて脳を騙す夜もあるのよ。泣かないでなんて言われるのは大嫌いなのに君にならなんでも言って欲しかった。何でもいいから私のために言葉を紡いで。できれば「嫌い」以外で。
あの子が唱えた狂共依存説ですら私には羨ましかった。依存が一方通行じゃなければいいのに。道路標識を変えてよ。二人赤信号で時を止めようよ。ハグを待つ間も見て見ぬふりしてずるいから代償を払って。
見つめあった時に「なに?」って言われて首を振ったけれど、見惚れてましたって言えば良かった。
手を繋ぐのは冬だけの特権ですか?無条件にやさしさに触れたいのに。
そうやって惚れてる眼差しで私を見てはくれないかな。「誰かを愛する事でしか自分を愛せなかった」ってタイムラインに流れてきたどっかの誰かの言葉が忘れられない。私は私を愛せないけど君のことは全て愛すよ。
全世界どの場所にいてもおんなじ月を見ていると考えるとロマンチックですね。ちょっとやそっとじゃ救われなくなって「大丈夫だよ」そんな言葉も消えてって。ごめんね今夜満ちた月。私は君を願ったんだ。思考停止プリズムクラブ。この瞬間を忘れたくなかったのきっと。
文字でさえ愛想笑い今宵の音色。君はさ気づいてないんでしょ?もう笑っちゃうね。嘘だらけで笑っちゃうね。
シアター重ねればシアター。
爪に塗って深い青。
愛おしさがあなたを飛び越さないように。
好きの無毒化ができないからちょうどいい愛なんて知らないよ。早く義務教育にでもならないかな。
「ロマンチックだね」「ロマンチックだね」
共鳴今夜イルミネーション。
きらきらは地球には優しくないからときめくのだろうかと考える脳内が占める君のこと。おめかしが無駄になったとしても君のためにおめかしした事実が残ればそれでよかった。
きらきらが私宛じゃなくても君は輝いてる。皮肉にもね。
君がもし「これ私に向けて歌ってるのかな?」と思ったらそれはもう恋じゃんね愛じゃんね。離れていく手の甲しか見ることのできない今日に色はあるか。と言われると困ってしまう。手を取って、行かないでって抱きしめられる世界線じゃないから。あんだけ甘かったのに今さら期待しないなんてできるわけないじゃん。私そんなに大人じゃないの。君の温度感を忘れそうだよ。忘れてしまいそうだよ。半分突っ込んだ失恋ソング。記憶に残るなら残ってるなら温かくいてよせめて。「あなたには大切がたくさんあるよ」って言葉で見放さないで。君の温度感忘れそう。やさしさがもう分からない。にこにこ笑う目線が私に向けられた時にああ生きてるなって思いたい「忘れられる」という感覚を知ってしまったからこわい。今は、今でさえ視界にギリギリ居るぐらいなのに他の誰かを知っちゃったら私は過去になる。当たって砕けたひらがな4文字。わたし宛てじゃないものばかりが増えていく。冷え切った渋い紅茶に縋る夜もある。
味に気を取られて何もかも忘れたい。