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君が傍にいるはずなのに  作者: ラティオ
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異世界転生者と個性豊かな仲間たちー前編―

「こんばんはー! 私、琴音ですっ」

「えっと……はじめまして、薫、です」


開口一番に元気に挨拶してくれたのは、詩竜の妹で雄介の姉を名乗る琴音。

その琴音に続いて、隠れながら恐る恐る自己紹介をする薫の姿もあった。

どうやら人見知りのようだ。


「よろしくね、二人とも。あたし、七尾よ」

「わぁーい、女の人が来てくれるなんて嬉しいね、薫!」

「そ、そうだね」


琴音は綺麗な銀色の髪を高くツインテールで括り上げており、白いパーカーの下は黒いシャツ、赤いショートパンツに黒いストッキングと銀色の髪を中心に華を持たせたような、お洒落を意識した着こなしをしていた。

一方薫は、真っ白な髪に透き通るような青空の色の瞳をしており、茶色のカーディガンの下は女子中学生のような制服に模した格好をしていた。

いずれにしても美人ぞろいである。


「七尾さんの髪綺麗だね! ねぇ、最初からそんなに赤かったの?」

「ううん。あたし、最初は黒髪よ。この世界に来て気が付いたらこの紅い色に染まっていたのよ」

「あはは! じゃー、私たちと一緒だね!」


琴音が言うには、琴音も薫も二人とも最初は黒髪だったそう。

この世界の性質に影響したのか、能力に影響したのか、もしくは生前に何か願ったのかなど、いくつもの仮説は上げられるがその詳細は不明だそうだ。


「不明点だらけね、この世界」

「でも不思議よね! ここに集まる誰もが他人って感じがしないのよね」

「それは、そうかも」


どうやら七尾も何かしらの心当たりがあったようで、琴音の発言に納得の意志を示す。

いずれにしても、ここに異世界転生者が六名揃ったことになる。


「あ、そうそう! 本当はもう一人いるんだけど、もしかしたら七尾さん、知り合いかもしれないよ!」

「え? どうしてそう思うの」

「奏斗、自分で言ってたよ。もしかしたら知り合いかもしれないって」


そう、後一人奏斗という人物。

今は山を下りて町へ情報収集に行っているらしく、戻るのは明日の朝らしいのだが、七尾を保護したという情報は先に通信機を通して知っているようだ。


「七尾さんには心当たりない? 奏斗って名前に聞き覚えとか」

「うーん、兄の名前が奏斗って名前だったのは確かだけど。もう何年もあってないし、正直顔もわかるかどうか」

「お兄さん、亡くなってるの?」

「たぶん?」

「あはは、七尾さんってば自分のことも分かんないことだらけだね」


食い気味に質問を重ねてきた琴音だったが、何も知らない七尾に対して一旦身を引く選択をした。


「まぁ、会えばわかるよ! それはそうと、七尾さんはどんなお仕事してたの?」

「えっとね、暗躍するのが仕事だったんだけど、裏方だったからあんまり良いものではないよ」

「暗躍者! なにそれ! カッコいい響きだね!」


奏斗以外の仲間が全員集まっているにも関わらず、ひたすら一人で質問し続ける琴音を止める者はおらず、七尾はそのまま一晩中質問に答え続けることになった。


大人しく冷静な子だけだと個性に掛けるので、琴音には元気いっぱいの女の子でいて貰う事になりました。

次回は奏斗が登場します。

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