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君が傍にいるはずなのに  作者: ラティオ
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詩竜の能力

「あぁ、戻っていたのか。おかえり、雄介」

「ん、ただいま」


二階に上がっていた詩竜が降りて来て、雄介に気付いて声をかける。

兄弟というだけあって、親しげだ。


「収穫はどうだった? 妙な気配だとか言っていただろ?」

「アンタが拾ってきたこの人で間違いないと思うよ」

「そうか。て、え、まだお互い名乗ってないのか? 七尾さんだよ、雄介。ちゃんと名前で呼びなさい」

「距離の詰め方は人それぞれだろ」

「それはそうだが」


どうやら詩竜は事情を知っており、雄介はわざわざ気配を感じて外出してくれていたようだ。

仲が良くて連携できるだなんて、羨ましいし微笑ましい限りだ。


「ふふっ 二人とも仲が良いのね」

「普通だよ。それより詩竜、琴音と薫は?」

「出たなこのシスコン。心配しなくても先に戻ってきてるよ、今は休んでいる」


雄介は詩竜のことをアンタと呼んだり、詩竜と呼び捨てにしたりとかなり自由な様子。

男兄弟同士ならではの距離感なのだろうか。

併せてシスコン、琴音と薫というワードが飛び交ったという事は、雄介の兄弟には姉もしくは妹も存在し、尚且つ雄介がシスコンだという証明に他ならない。


「へぇ、雄介君ってシスコンなんだ。名前的に女の子よね、お姉さん、妹どっち?」

「拾うとこソコなのかよ。はぁ、アンタとの距離の詰め方難しいな」

「へ?」

「まぁいいや、また後で」


そう言い残して今度は雄介が二階に上がってしまった。

何か気に障るようなことでも言ってしまったのかと気にした七尾だったが、すぐに詩竜がフォローを入れてくれた。


「七尾さんがマイペースで安心したって意味だよ」

「そうは聞こえなかったけど」

「七尾さんには順を追って説明しなきゃね。雄介にどこまで聞いた?」


七尾は雄介から聞いた情報を同じように詩竜にも説明した。

以前にも異世界転生者がここへ来ている事。

転生者は何かしらの能力を持ち合わせていること。

最後に、七尾自身は自分で何の能力を持っているかが自覚がないことも伝えた。


「うん、能力については生活していればわかるよ」

「同じことを雄介君にも言われたわ」

「ははっ そうかい?」


詩竜はそこまで聞いた上で、この家で生活している住人が七尾を含めて七名いること、全員が転生者であること、最後に、雄介の他の兄弟は姉が一人いると教えてくれた。


「全員が転生者ってことは、詩竜さんも能力者ってこと?」

「うん、そうだよ」

「どんな能力なの? 知りたい!」

「俺はね、聴覚が鋭いんだよ」

「耳が良いってこと?」

「そう」


簡単に言うが、どの程度の距離で聞こえてしまうんだろう、距離ではなく音域だったりするのだろうか。

詩竜は簡単に耳がいいというニュアンスで答えたが、具体的な情報は測り知れない。


「言いたいことは分かるよ。距離はね、半径一キロぐらいかな。意識すればもっと聞こえるし、逆に意識しなければ全然聞こえないんだよ」

「え、聞こえる範囲広いね?」

「でしょう? でも普段はあんまり使わないんだよ、疲れちゃうからね」


半径一キロの範囲で聞こえるというのはにわかに信じがたいが、どうりで先程詩竜が上に居た時に雄介と話した会話の内容を確認した訳だと、七尾は納得する。


「体力も使うから、無制限に使えるものじゃないんだ」


詩竜曰く、能力を使うにしても際限なく使えるものはなく、体力もしくはMPを消費するような何かゲージがあるとのこと。

その上限は使えば使える程上がってくるようだが、いざという時の為に、限界値を超えるのはやめておこうというのがこの家での暗黙の了解となっているらしい。


「そうなんだ、色々考えて使っているのね。それで、あの。詩竜さんも使えるってことは、雄介君も何か能力を?」

「それは本人に直接聞くといいよ」

「それもそうね。そうするわ」


聞くだけ聞いたが、流石にプライバシーが入るためか簡単に教えてはくれなかった。

詩竜の能力は聴覚が鋭いこと。

それが分かっただけでもまずは収穫だ。


世界観がいまいち表現できないまま能力説明にいってしまっている。

ただのキャラクター紹介だと思って気長に読んでいって下さい。

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