猫踏んじゃった 3
すみません、投稿しながら書き直していきます
ぽっちゃりな・・・いや、かなり太ったトラ猫だ。想像していたより丸々とした体型をしていて、子供が追いかけるのも無理ないほど可愛らしい。
「こ・・・こんにちは」
虎之助は、視線をチビの胸元にやり、大きな体に似合わない小さいな声で挨拶をする。
ちょっと大きな声で怒鳴ったくらいで目も合わせられないくらいチビのことが怖いのだろか?この妖怪は多分、人間恐怖症以前に臆病者なのだろう。
「こんばんは、じゃないわよ。あんな良い人に迷惑かけて」
チビは、虎之助の頭ををペシリと叩いた。
「す、すみません。でも、これには訳がありまして?」
言い訳するなんて見苦しい。
もう一度小突いてやろうした瞬間、ちょっと待って下さいと叫ばれたのでふりあげた腕を空中に止めたまま、虎之助を睨みつけた。
「どんな訳よ?」
虎之助はコホンと咳払いをすると、愛らしい脂肪のつき方はそのままだが、毛が全身茶色に変わり、目は丸く、尻尾が短くなった。
「実は、私化け狸なんです」
なぜか、誇らしげに大きなお腹をたたいた。
いつの間にか敬語になっている。
「あんたが化け狸であることぐらい分ってたわよ。怖がりの妖猫なんて聞いたことないしね、だとしたら他の妖怪が化けてると思うのが普通でしょ。化けれる妖怪と言えば狸と狐しかいない、狐は私たちより輪にかけて高慢ちきだし、残るは狸は、臆病物で有名だからね」
「そ・・・そうですね」
正体を見破られたせいか、さっきまでの自信にあふれた態度は消え、また、オドオドと視線を四方八方に泳がせ始めた。
チビは、はぁーとため息をついた。
こう、いちいち脅えられては、こちらが悪者になったみたいで気分が悪い。
「なんで、また、妖猫のふりをしているの?」
虎之助は、泳がせていた視線、再度チビの方に向けた。
「本当の虎之助の頼みでして」