お詫びデートに行きましょう
うーん、本当にこのコースで良いのかな?
「こんにちは、今日はよろしくお願いします。」
ウセーファさんが言った。
海洋生物研究所の時と違って
フェミニンな格好だ。
あのきゃしゃなデザインのミュール
可愛いな♪
って、女性らしくかっこよくエスコートだよね。
「お手をどうぞ。」
さりげなく手を握った。
うーん、自分より身長高い人エスコート。
大変かも。
「ありがとうございます。」
なんか微笑まれた。
ジャックの情報と
寮のロリエーンさんの
乙男情報によると
セーラリスの港町のカフェが
人気らしい。
「可愛い♪」
私は言った。
南国のオープンテラスの付いたカフェは
木製のエキゾチックな椅子とテーブルが置かれている。
明かりは貝細工の揺れる
可愛い風鈴みたいなものだ。
梁も剥き出しで雰囲気がある。
うーん、こう言う所に
エスコートされてきたいよ。
まあ、仕方ないか。
「可愛いですね♪」
ウセーファさんがクスッと笑った。
…それ、私の事ですね。
すみません、女らしくなくて。
カフェの椅子をひいてウセーファさんを
座らせてからだよね。
「どうぞ、碓井さん。」
ウセーファさんに椅子ひかれました。
「…すみません。」
私は言って座った。
なんか、シェルの女として間違ってる気がする。
「ココナッミルクティーとマンゴーパフェを1つ。」
ウセーファさんが注文してくれた。
なんか私子供ですか?
ちなみにマンゴーパフェが私です。
「外部の女性だと楽ですね、ここにくるまでも男性同士で話してるみたいで楽しかったです。」
ウセーファさんがニコニコ言った。
「すみません、上手にエスコート出来なくて。」
私は言った。
やっぱり無理かな?
「私はお転爺の跳ねっ返りですから、あんまり女々しい人は苦手です。」
ウセーファさんが微笑んだ。
ああ、ジャック、私大失敗かも。
とりあえずシェルの女らしく見えるような
格好はしてきたけど。
もしかしたら、綺麗なお姉さんに連れられた。
頼りない年下の生意気な少年?
外部的には…ああ、ダメダメだ、私。
マンゴーパフェは甘くて美味しかった。
「川牛の暴走原因はわかったんですか?」
話題が無くて聞いたけど、これもたぶん失格だよね。
「まだ、わかりません、霧華さんはどう思いますか?」
ウセーファさんが言った。
うーん、川牛は基本的に
そんなに暴走しないらしい。
早いけどね。
「天敵とか嫌なものでも来たんですかね。」
私はマンゴーアイスで少し
頭をキーンとさせながら言った。
「川牛に天敵は川馬かしら?」
興味深そうにウセーファさんが言った。
研究所では、線の細い女性だとおもったけど
こう言う格好してるとシェルの男性にしか見えない。
明らかに研究者らしい
知的な美男だよね。
「そう言えば、隊長さんが心配そうに見おくってたわね、面倒見がいいわね。」
ウセーファさんがニコニコ言った。
隊長狙いですか?
良いけどね、あの人恋人いないから。
「優しくしてもらってます。」
時にはスパルタだけど。
「そうなの?」
ウセーファさんが言った。
うーん、愛のキューピッドした方が良いのかな?
「楽しかったから、また一緒にお茶しましょう?はしたないですかね。」
ウセーファさんが言った。
「はい、喜んで。」
私は言った。
友達感覚だよね、いいけど、私もその方が。
まあ、なんとか喜んでもらえてよかったよ。
隊長ともお見合いセッティングしてみようかな?
お友だちだしね。