端末で通信しましょう。
うう、男性とお茶のみデート。
どうすりゃ良いのさ?
「あ、桜川さんからメール入ってる。」
ジャックにでも相談しようと
端末と言うものを出したらメール着信が光ってた。
『霧華ちゃん、その後調子はどうですか?』
私を見つけてくれた桜川櫻主さんからのメールだ。
櫻主さんは桜川財閥の跡取りらしい。
でも、今は私がいた秩父空間遺跡で
明正和学園の発掘チームに加わっている。
もし、お祖父ちゃんが身内ってわかんなかったら面倒見るって言ってくれてた、いい人だ。
『戸惑う事ばかりですが、元気です。』
私はメールを返した。
ジャックにでもメールしようと思ってたら
着信音が鳴った。
桜川さんから電話だよ。
『霧華ちゃん?ごめんね、電話して。』
端末の映像には前と変わらない
ピンクの髪の桜川さんが映っていた。
「すみません、心配させちゃいましたか?」
私は言った。
『うん、心配かな?シェルなんか行ってるし。』
桜川さんが言った。
「シェルは色々風習があってよくわからないです。」
私は言った。
『……霧華ちゃん、かえっておいでよ、実家に帰りずらければ僕の家おいで。』
桜川さんが言った。
「ありがとうございます、でも、みんないい人なんですよ。」
隊長もジャックもフォローしてくれるし。
『…困ってるんじゃないの?』
桜川さんが言った。
「あの、デートってどこいけばいいんですか?」
私が聞くと桜川さんは頭を抱えた。
そんなに難しい質問かな?
『デートするような男性がいるの?』
桜川さんが言った。
「うーん、名前ききかけちゃたんでお詫びデートなんですよ。」
私は言った。
『名前を聞きかけたらまずいんだ?』
桜川さんが言った。
現代人の桜川さんも知らないんなら
私が知らなくてもしょうがないよね。
私は名前を聞いてプロポーズだと言う風習を説明した。
『…じゃあ、名前を聞かせてください。』
ニコニコと桜川さんが聞いた。
「冗談ですよね。」
私は言った。
『本気だよ、僕のお嫁になってください。』
桜川さんが真剣な眼差しで言った。
「桜川さん、なんで?」
私は戸惑った。
宇水のお祖父ちゃんと同じで
保護者感覚しか私にはない。
『……僕は君と一緒にいたいんだよ、霧華ちゃんは僕の実家の財産なんか気にしないし。』
桜川さんが微笑んだ。
ああ、苦労してるんだな。
再生槽から出るまで
この人は幾度も来てくれた。
違う、病院出るまでかな?
そのあとは通信だけだった。
もっと話せばよかったな。
「私、桜川さんの事、まだ、そう言う対象に見られないんです。」
私が言うと桜川さんは悲しそうな顔をした。
「だから、なるべく、通信して、日本に長期休みの時帰るので、会ったりしませんか?」
私は言った。
もしかしたら、宇水のお祖父ちゃんとか現代に身内が居なかったら、私も孤独感にさいなまれてたし。
『…うん、わかった、その代わり変な男性にひっかからないでね、霧華ちゃん。』
桜川さんが言った。
表情は少し明るくなってる
よかった。
それから、しばらく通信して
日本での再会を約束して通信を切った。
あー、なんかちょっとうれしいかも。
シェルにいると自分がどんどん
外部てきには男らしくなってきて
悲しい事があるし。
プロポーズの事きちんと考えよっと。
あー、こっちのお詫びデートの事は
デートのエスコートの仕方聞き忘れた。
やっぱり、ジャックに聞くか…。