海馬(ケルピ)に乗れるようになりましょう
海馬は可愛い。
でも、滑るんですよ。
「きちんと太ももではさめ。」
隊長が言った。
「はい!」
私は言った。
只今、海馬の特訓中です。
さっきも落ちたんでもう
ビショビショです。
まあ、騎士団の制服は
スイムスーツみたいな水対応のものなんです。
水に濡れても重くないってどんな技術使ってるんですかね。
「霧華頑張ってね。」
エリックが微笑んだ。
左側にミツアミは健在だ。
あきれられなかったんだね婚約者さんに。
「エリックは離れろ。」
隊長が言った。
まあ、そうだよね、誤解されないようにしないと。
あ、今乗れてる…。
「よし、いいぞ、たちのりは次回で。」
隊長が言ったとたん落ちた。
「大丈夫?霧華?」
エリックが言った。
「だ、い、じょう、じゃな。」
すぐに海馬が拾ってくてたけど
水がはなとか口に入る。
「すぐのれ。」
無情に隊長が言った。
頑張りますよ
「隊長!アルス隊長!本部から連絡でセーガヒ川の川牛が暴れてるそうです!出動要請来てます!」
デジエ事務官が訓練場に駆けてきた。
セーガヒ川は第二騎士団の管轄内にある
農業用水に使われている川だ。
「すぐにでる、いけるか?」
隊長が言った。
「はい、いつでもどうぞ。」
副隊長のイセルケス・ビーシアさんが言った。
「これより、セーガヒ川の川牛制圧に入る!」
アルス隊長が宣言した。
川牛は確かに
川牛だ、巨大な青っぽい
身体はどうみても牛なのに
水の中をスゴい勢いで群れになってかけている。
早いな…牛の常識越えてるよ。
「囲み込め!」
隊長の号令が飛ぶ。
海馬の陣がセーガヒ川に展開された。
「ハア、なんとか陸地に乱入は避けられました。」
イケルケス副隊長が言った。
「そうだな、こちらの被害は?」
アルス隊長が言った。
「イフィットが川牛にぶつかって打撲、ミックの海馬カヤルが川牛に蹴られて右前足を擦り傷です。」
副隊長が言った。
「そうか、霧華は溺れてないな。」
隊長が言った。
あ?そうだ、のれてる。
海馬が付いてったから
必死でしがみついてただけだけどね。
でも、バランス感覚わかった
「その海馬と相性が良いみたいだな♪
お前の海馬のようだ、名前はなんだ?」
隊長が副隊長に聞いた。
「ナナムです、霧華しっかり世話をするように、よかったですね。」
副隊長が微笑んだ。
「はい!」
私は言った。
とたん落ちかけた。
うーん、海馬はやっぱり
滑るよ。
まあ、のれてよかったよ。
「今度はたちのりだ。」
隊長が容赦ないことを言った。
「はい…。」
ただでさえ滑るのに…。
まあ、仕方無いか…たちのりできないと
戦闘能力半減だしね。
頑張ろっと。
よろしくね、ナナム。