薬の開発したくありません
霧華さんが来たのに私は寝ていたらしいわ。
それとも、また、寝かされてた?
霧華さんを盾にとられて怪しい薬の研究をやらされてるわ。
いっそ、逆手にとってやるわ…。
やりたくないけど…。
どこから集めてきたんだろうと言う膨大な薬の材料のリストをみて茫然としたわ。
でも、使えそうなものがあるわね…。
私は材料の種類の検索をしながら考え込んでいた。
まず、頭のなかで考えないとだからだ。
「ウセーファさん、あなた、やる気あるの!?」
イブリンが言った。
ボッーとしてるように見えるのかしら?
熟考していただけなのに…。
この人は王立海洋研究所にかつていたらしいわ。
セージェル主任と同級生らしいわね。
天才と名高かった男性研究者が
海馬の研究で道を踏み外したとか…。
詳細はしらないけど。
大方、怪しい薬でも作ったんじゃないかしら?
「あなたは良いわよね、平民の出のくせにエリート武官に求婚されてるんですものね、ミチラーダだってあなたに夢中だわ。」
イブリンが言った。
そうね、霧華さんはエリート武官よね。
中級武官になったし。
将来は出世間違いなしの女性なのよね。
たしか名門宇水家出身だし。
私はたしかに実家は食堂だし。
身分違いかも知れないわ。
でも、悪いけど、霧華さんを誰にも渡す気はないわ…。
カイエラさんにも、イシエクワさんにもね。
「イブリンさんはどなたか好きな人がいるんですか?」
私は薬の効果を弱める処置をしながら言った。
この方法は知らないわよね。
新しい方法だもの。
「ピエーネ様は素敵だけど…所詮身分違いの同性だし…オースウアはワイルドすぎて好みじゃないわ、ミチラーダは底知れないしね…。」
イブリンが言った。
ついでに鎮静剤を加えて…っと。
「ケインさんとウラティスさんかしら?エリート武官らしいきびきびとした動き…それでいくと、霧華さんも素敵よね…優しいしぐさに武官特有のきりっとした動きが…。」
イブリンが手の指を組んだ。
エリート武官がお好みなら、こんな所にいないで近衛騎士団のおっかけでもすればいいんだわ。
むっとしたのでついでに遅行性の眠り薬も入れといた。
「ねぇ、あなたはどうせミチラーダのものになるんだから、霧華さんは私の逆ハーにいれてもいいわよね。」
イブリンが言った。
冗談じゃないわ…私はミチラーダ何て言う人のものなんてならないし。
霧華さんもあなたになんて渡さないんだから!
「霧華さんは私の婚約者です。」
私は言った。
戦闘能力があったらこの男蹴り倒してやるのに!
「まあ、うまく、手柄をたてればピエーネ様の国王御即位の時にでも認めてくださるんじゃない?ミチラーダのものにあなたがされる可能性の方が高いけど。」
イブリンが言った。
「オレがどうしたって?」
研究室の扉からミチラーダが入って来た。
「ああ、今、あなたがウセーファさんを手に入れるんじゃないかって言う話しをしていたのよ。」
イブリンが言った。
おしゃべりな男ね。
「ウセーファさんがか?オレはいつでも受け入れるぞ。」
ミチラーダが微笑んだ。
獰猛な海獅子のような顔に見えた。
「私には、婚約者がいますので。」
私は言った。
「婚約の証をもらってないのにか?」
ミチラーダが近づいてきた。
まずい、今、右足に足枷がつけられてて自由が制限されてるんだったわ。
「やめないさいよ、ピエーネ様に止められてるんでしょう?」
イブリンが言った。
「そうだが、美しいものは愛でたいものだろう。」
ミチラーダが言った。
霧華さんに言われれば心が浮き立つのになにも心に響かないわ。
ミチラーダが私の髪を一房手にとってキスした。
気持ち悪いだけよ…。
「なにをしている?」
ウラティスさんが来てくれたようだわ。
「ウラティスさん♪」
イブリンが嬉しそうに言ったわ。
なんでこんな組織にはいったのかわからない固い人なのよね…良い人だけど。
「愛しい男性に会いに来ただけだ。」
ミチラーダが笑って手を離した。
気持ち悪いわ!
後で絶対にキスされた所洗いまくらなくっちゃ。
ああ、霧華さんともう一度会う為に頑張らないといけないわ。
自暴自棄になっちゃだめよ、私。
きっと、二人とも助かるわよ。




