名もない花
花は頑張って咲いた
日も当たらないところで
でも、誰にも見てもらえず
毎日泣いていた
ある日は歌を歌った
ある日は鮮やかに咲いた
でも、誰にも見てもらえない
虫でさえ、ここにはやってこない
花はそれでも
枯れないように根を伸ばした
見てもらえるように花を咲かせた
そうしたある日、
ある男がここを通りかかり、
そして、泣きながらこう言った
「僕もここまで頑張れたなら」
その涙が花に落ちた時、花は枯れた
やっと見てもらえたって
笑顔を顔に浮かべながら……
あなたは、この花の人生が意味あるものに見えましたか?そういうことを考えながらもう一度読んでもらえたら、うれしいです。