兄貴
伸行は悪ノリする由梨の性格を逆手に取る。
「か~め~は~め~〇!!」
伸行君…著作権的にアウトです。
『うわああああああああああああああああ!!!!』
しかし、さすが由梨と言った所だろうか…。
完全にノリにノッテいます。
『ならこっちは…ビックバン・アターーッ〇!』
伸行は顔を手で抑える。
「…。」
とんとんと由梨の肩を誰かが叩く。
『いまこっちは激アツの闘いをしてるんだ!邪魔するな…次は―――』
そのまま無視して続けようとしている。
『なーにをやってるんじゃ、お前等は。』
こつんと由梨の頭を小突く。
「健くん、久しぶり。」
伸行が挨拶をする。
『おー伸行じゃねーか、で?今日は重大な発表があるんだってな?』
にやっと笑う健はまさに悪がき。
『腰を抜かすぞ?』
こちとら負けずにやっとしているのは由梨。
淡路 健通称健くん。
幼少の頃東西南北が居なくなってから…。
もっともよくしてくれた、いわば伸行の兄貴。
現在20歳、淡路財閥の御曹司。
この4重婚にどう反応するのか、気にならないといえば嘘になってしまう。
すると、手前の部屋から由梨の親父さんが出てきた。
『3人とも下の広間に行くんだ。』
いつもと違う真剣な顔をしていた。