祭りの後の地獄道
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本当に嬉しい限りです。
「まっ…。」
伸行が由梨を停止させるよりも早く、
『婚約者だああああああああああっ。』
ざわざわというレベルではなく、どよめく講堂。
『以上だ。宜しく頼む。』
由梨はそれだけ言うと、次に2年になる愛花に席を譲る。
『2年の南沢 愛花です、不本意ですが伸行の妻でございます。』
さらにどよめく講堂。
次に1年の葵と蓮。
まずは蓮から、
『1年の北城 蓮だよ。宜しくね皆!そ・れ・と、伸は私の夫だから手を出したらだめだよ?』
もうどよめかない。むしろ凍てつく講堂。
そして、葵の番。
『1年の西島 葵です。兄さんの嫁です、宜しくお願いします。』
それだけ挨拶する。
『平島…夜道には気をつけろ。』『伸行よ、ただでは帰れんで。』
近くから怨念がましい声が聞こえる気がする。
「というわけで、4人に拍手~。」
伸行が今更取り繕ったところで、意味は無し。
何の音もしない講堂。雰囲気は地獄、伸行は生きた心地がしなかった。
「そ、そうか…!!うん、…うん。全員解散!」
解散の部分を強調する。
解散後4人と伸行がステージで話していた。
「ばっか…やろう。」
伸行はへたり込み考える。
陸奥と道隆に…殺されちまう。
『仕方が無い。』
由梨が言った事に、3人も頷いて先生とどっかに行ってしまった。
伸行は一体姫様が、何に怒っているのか良く分からなかった。