雨?飴! お菓子の雨。
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そのまま促されるように、扉を開ける。
――バン――
シーンと静まっているその場所は真っ暗で何も見えない。
『なんだ…これ。』
由梨が3人の声を代弁する。
3人ともが、由梨の制服の裾をつまんでいる。
するといきなり明かりが一点に集中している。
ステージの上が照らされる。
スポットライトか何かなのだろうか。
「転校おめでとう。これは皆からのささやかなプレゼントだ。」
大きな声が、その大きな場所に広がる。
それはあまりにも唐突で、4人とも誰だかわからなかった。
バッと4人の明かりが目を包む。
一瞬目が眩むほどの明るいライトだった。
それは全体が照らされたわけでなく、自分達に光があてられているのだ。
こつんと、4人の頭に何かが当たった。
こつん、こつんとそれは連続して降って来る。
状況を理解するのが一番早いのは、葵。
すぐに謎の物体に触れる。
『菓子類のようです。』
バッと今度こそ全体が照らされた。
そこで気付く、驚愕の事実。
全校生徒がその講堂に集まっていて、菓子類を4人に向かって、びゅんびゅん投げている。
まるで雨のようだ。
そう、この学校を編入するに当たって不明な点はあった。
まず、全体の見取り図を見せてはくれない。
行事も名前しか教えてくれない。
担任も会うまで不明。などなど…。
そこで、また大きな声が聞こえた。
「ようこそ、北星学園へ。俺がここの生徒の代表―――平島 伸行だ。」
ステージから降りて4人に近づく。
いつもよりドンと構えていて、制服もしっかり決まっている。
そして髪の毛は普段整髪料もつかずボサボサなのに、今日はびしっと決めている。
『えっ。伸?』
蓮は驚愕して固まり…って固まるとか、珍しいとか言わないで下さいね?
『有り得ん。有り得ん。ありえn…。』
由梨は夢か?と、自らのほっぺを抓っている。
『なるほど…。』
葵は、何かしらを考えている様子で、
『大胆ですわ…。』
愛花は最早わけが分からない。
自分達は何も聞かされていなかった。
そしてこの大規模のサプライズ、驚かないはずがなかった。
何より、伸行が堂々としていて、この学園の代表という事も…。