暴風雨
『やっと…帰ってきた。ふふっ、東宮はお前をを貰いに着たぞ!』
いかにも姉御肌をしてそうで、腕をまくっている、東宮家代表、通称東家。
『兄さん、やっと会えますね。西島家代表として、戦いに行きます。』
柔らかな笑みを浮かべながら凛としている、西島家代表、通称西家。
『別に伸を見に来たわけではありませんが、おばさんに会いたくなったのです。』
ツンとした表情をしながら頬を赤く染めているのは、南沢家代表、通称南家
『あっはっはっはっは!!伸に会いに来ちゃったぞおおお。』
馬鹿笑いをしながら暴れている明るい少女は、北城家代表、通称北家
「はぁあああああああああくっしゅうううううううううううん。」
平島 伸行は、はなをすする。
それは土曜日。
季節はすっかり春。
「はぁ、腹減ったなぁ。」
近くの桜のにおいが鼻につく。
「きーめた。昼は1人回転寿司だな。」
においをかいだ後の、発想なのかどうかは良く分からない。
すると4台のリムジンが目の前を通っていった。
「ずるいよな。金持ちって…俺なんか常にジリ貧だぜっ、へっ!!」
妙に胸を張り、ドヤ顔をしながら高らかに言う。
しばらく歩くと、さっきのリムジンが4台戻ってきた。
伸行は何故か嫌な予感がした。
それは、伸行の前で囲むように止まると
リムジンからまさに映画とかでしか見たことがない、黒服のごついおじさんが出てきた。
スキンヘッドに丸はげ、身長は185ぐらい。
黒服は今にも弾けそうな程ピチピチだ。
「な、なんなんでぇい。てめぇら!!」
「○▲◇×★´∀」
おじさんは意味の分からない言葉を発する。
「俺だって、伊達にこの数年間鍛えてたわけじゃないぞ。」
ファイティングポーズをとって、伸行は大声で叫んだ後に異変に気付いた。
さっきまで人通りがなかったはずの道に人が集まってきていた。
…リムジンが4台も止まっていて大声で叫ぶ子も居れば、人が集まるだろう。
バタンと音をたてて
リムジンから人が4人ほど降りてきた。