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EP.19 彼の見たモノ信じるモノ



 あの男──サングラスを掛け、バンダナを巻いた男と遭遇してから数日が経ったある日、私は戸ノ浄市郊外を散策していた。

 終末の刻と言われている大災害。

 未だその爪痕が残り、再開発される予定の無い、取り残された場所。


 何故この様な場所に来ているのか。

 きっかけは、華ノ恵将勇氏の記事である。

 終末の刻が起きた後、その財力と人脈と手腕で持って、大災害を乗り越えたと評される将勇氏であるが、そうであるならば、この目の前に在る光景に説明が付かない。

 瓦礫の山が連なり、まるで人工的に配置されたかの様に道を塞いでいる。

 私はそれらを掻き分け、掻き分け、ただひたすらに前へと進んだ。


 一時間程進み続け、疲れて瓦礫に腰を下ろしたその時、何処からか破壊音が響いて来た。

 私はカメラを手に立ち上がり、急いで周囲を見渡し、急いで腰を低くした。

 あの時の虹色の幼女が見えたからだ。

 私は息を整え、瓦礫の隙間からカメラを構えた。構えたのだが、先程まで居た虹色の幼女が居ない。

 私は舌打ちして瓦礫に身を預けた。

 瓦礫の中を歩くのに、相当体力を使っていた様だ。

 青く澄み渡る空が見える。

 私は息を呑んだ。

 私は直様カメラを空に向けた。

 有り得ない、何故、どうやって、そんな疑問すら置き去りにして、ただひたすらにシャッターを切り続けた。

 そして、落ちて来るモノが人であると分かり、大地の染みとなる惨状が頭をよぎった時──轟音と共に大地が裂け、カメラを手放してしまった。

 私はそのカメラに手を伸ばすが、手を掠め、そのまま闇の中へと呑まれて行った。







 ここは何処なのだろうか。

 痛む頭をさすり、身体を起こす。

 目の前に広がるのは何処までも続く草原であり、あの瓦礫の山とは似ても似つかない、とても綺麗な場所。

 頭を押さえた。

 意味が分からない。

 これは夢なのだろうか。

 そうだカメラっ、と辺りを探すも見つからず、私は途方に暮れた。

 有るのはこの、ボイスレコーダー一つのみ。

 どれほどの時間が経ったのか、私は空腹で我に返り、ようやくこれが『現実』なのだと実感した。

 ただひたすらに青空が広がり、夕暮れになる気配が無い。

 それだけでも異常なのだが、それよりも目に付いた、見てしまった異様なモノ。

 空腹なのも忘れ、私は走った。

 何故なら、その異様なモノが私を見て、まるで御馳走を目にした子供の様に、涎を垂らしなが向かって来たからだ。

 この世のモノとは思えない叫び声をあげながら、私を追って来る。

 私は必死にっ、必死にっ、必死になって足を動かした。

 追い付かれれば、そこに待っているのは──『死』である。しかも単なる死では無く、苦しみを伴う死であろう。

 そんな死は嫌だ。

 未だ超能力者と逢えぬ身で、無惨な死を迎えるのは御免被りたい。

 しかし、体力は既に限界であった。

 汗も出なくなり、喉が渇き、足が重たい。

 それでも、異様なモノは追って来る。

 後ろを向いたら駄目だ。

 足がもつれて転けてしまう。

 それでも気になってしまうのが人の性か、顔を向け見てしまった。

 私の目は、どうやら可笑しくなってしまった様だ。何故なら、異様なモノが増えており、更にその異様なモノの中心に、頭から耳を生やした幼女がおり、一緒になって涎を垂らしながら、追いかけて来るのだから。

 あっと思う間も無く、案の定転けた。

 それはもう盛大に転けた。

 目の前が真っ暗になり、そこで意識は途絶えた。

 






『お母さん見て見て! お肉ゲットしたの!』

『ミノン、それは食べちゃ駄目、どこで捕まえたの?』

 

 何か聞こえる、私はどうなっている。

 何も見えない……目隠しされてるのか。

 私は暗闇の中、只々恐怖に怯えるしか無かった。

 両手両足を縛られてるだろうか、一切動かせず、何も出来ず、意味の分からない声だけを聞いた。


『中層で走ってたの、要らないお肉?』

『うーん、普通あそこ通ったら死ぬ筈だけど、まだ生きてるんだね……』


 何を言っているのか、どこの国の言葉だ。


『まだ生きてる! 新鮮なお肉!』

『もう遅い時間だしなぁ……仕方無いか。ミユン、適当な所でポイして来なさい』


 私を食べる気なのか、これから解体されるのだろうか。


『え──っ、食べないの?』

『食べないの。もう直ぐ夜だから、早くポイして来なさい』

『はーい、森の中にポイするの!』

『それなら、ついでに薬草も摘んで来て』

『了解しました!』


 ぐっ、持ち上げられたっ、このまま終わるのかっ、このまま食べられてしまうのか。







『ふんふんふんっ、薬草発見! この辺りで良いかなっ、ポイします!』


 ぐふっ、何だっ、投げられたのか。

 私は痛みに身体を埋め、あぁ、これで終わるのかと覚悟した時、拘束を解かれ、目隠しも外された。そこに居たのは、私を追いかけていたあの幼女。


『……じゅるりっ……残念っ、ばいばーい!』


 その幼女は涎を拭い、何故かそのまま去って行った。

 私は助かったのだろうか。

 周りを見ると、どうやらここは、森の中らしい。

 私は安堵感に包まれ息を吐いたが、それにより、忘れていた空腹感が襲って来た。

 立ち上がり、闇夜の中を、恐る恐る進んで行く。木々の所為で視界が悪く、星空の明かりすら届かない。


 遠くで灯りが見えた。

 人が居ると思い、私は走った。

 木の根に足を取られながらも、必死になって走った。なぜなら、不安だったのだ。

 闇とは恐ろしいモノである。

 何故なら、そこにナニが潜んで居るのか、分からないから。

 

 灯りの見える場所まで後少し、そう思っていたら、森から抜けた。

 そして見てしまった。

 有り得ないモノを。

 不可思議な現象を。

 巨大な月が、二つに重なり、闇世を照らしている事を。


 私は羽紙森一(はがみ しんいち)

 フリーのジャーナリストだ。

 ここが何処なのか、帰れるのかすら分からない。

 だが、私は夢を──超能力に出逢う事を諦めない。

 何故なら、何故か、ここならば、出逢う事が出来ると思ってしまったから。

 月に照らされ、空を飛ぶ、あの様な生物が居るのなら、超能力者も居なければ不自然であろう。


 これからの記録を、ボイスレコーダーに残す。

 



『ミノ肉食べたら異能に目覚めた危ない少女の日常生活』を読んで下さった皆様、誠に有難う御座いましたぁあああああああああっ!!


これにてミノ活は終了となります!

伏線やら何やら色々と御座いますがっ、続きを書くかどうか悩ましいところですがっ、一旦は終了でお願い致します!


続きが気になるって言って頂けたなら、追々書くかもしれませんがwww


如何でしたでしょうか?

『つまんない! 良く分からん! 誤字脱字多い! 二番煎じ!』

と言う御感想でも、有難う御座います!


花乃歌や桜乃、麗音等、自分でイラスト描けたらなぁ……と悲しみに枕を濡らしながらも、取り敢えずは一作を終わらせた事で、只今一服中で御座います!


佐凪や白瓦がどうなったかって?

それは追々書くかもしれませんね……脳内妄想だけが取り柄なので。


ではでは、短い分にはなりますが、再度、お読み頂き御礼申し上げます。出来ましたら、感想や評価等頂けると幸いです! 


有難う御座いました!!

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