EP.18 危ない少女の日常生活
あの日から、一週間が経った。
さっちゃんは、どうやら迷宮で変なモノを食べた様で、体調を崩して検査入院なのさ。それも今日までだけど、学校来れるのかなぁ。
「あっさごはんの準備だよぉっと……牛さんのお肉……(すんすんっ)腐って無いなぁ、貰ってから結構経つのに……寧ろ艶々してる」
まぁ良いかな、お料理開始!
先ずはオクラを切って、ネバネバネバネバっと軽く掻き混ぜてっと。お肉は小間切れにして、胡麻をふりふり準備完了!
フライパンに油を少量、お肉を焼き焼き……胡麻の良い香りなんだよぉ。
お醤油、味醂、お酢、唐辛子を混ぜたタレを絡めて焼いて、最後にオクラを軽く混ぜて、少し焦げました!
「ご飯は少し…もう少し…もう少しだけ……これで良いかな。それじゃあ頂きます…ムグムグ…美味しーい!」
スマホをポチポチ……やっぱりあの穴はニュースになって無いなぁ、さっちゃんのパパが揉み消したのかな?
むぅ、面白いニュースは……「ぶふっ!?」
この記事っ、『空から堕ちる人、宇宙人か!?』って私だよね……ボケてるけど写真撮られてたの!?
「怖い世の中だよ(拭き拭き)ご馳走様……」
何か違和感が……そう言えば、あの迷宮で食べた牛さんに味が……まさかね。
「……学校に行く準備しよぅ」
歯磨きシャコシャコー、シャコシャコー、ぐちゅぐちゅ……ぺっ!(ピシッ)
「洗面器に…穴が……タオル詰めとこ……」
洗顔洗顔ー、お顔むにむにっ、水で流してさっぱりだよぉ(ニコッ(ピシッ))
「鏡にヒビが……何でさ!?」
笑顔で鏡は割れないんだよ! 私の笑顔はそこまで酷く無い!(ニコッ!)
パァアアンッ────「鏡が砕けたっ!?」
ぬぅぅぅっ、まるで私の笑顔が凶器みたいじゃない……掃除して学校行こぅ。
制服は新品なのさ! 昨日届いたから、やっとジャージから卒業なの!
だって鞄無くしたし……苗も無くしたし……お財布とスマホはポケットに入れてたから良いんだけど、要らぬ出費なんだよ。
良々、髪もミチミチに纏めたし、硝子も纏めて分別袋に入れてっと、行こう!
鍵をガチャッと閉めて、階段を降り──ぬぁっ、また勢いがっ!
「今度は大丈夫──ふんっ!(ベコッ)」
────ブゥウウウウウウウウン────
うん……車が走っててね、乗っちゃった。
どうしよう……運転手さん気付いてないけど、間違い無く弁償……お金…賠償っ!?
「さっちゃんっ! 早くアルバイトさせてっ!」
────ブゥウウウウウウウウン────
「おはようレオンちゃん!」
「いや花乃歌今二時限目だからな……何でそんなにボロボロ……」
「仕方無いんだよ! 車がどんどん進んで行って、何か変な集団に囲まれたから潰して来たの!」
「色々分からないぞ、私に突っ込みを入れされる気なのか……」
本当だよ! 変な姿の変な集団だったもん!
襲って来たから、一人一人念入りに男の娘にしてあげたんだよ!
「外国の言葉喋ってたし、銃撃って来たから、しっかり潰しました!」
「何をどう潰したんだっ!?」
むぅ……上手く伝わら無い。
「恐らく他国の諜報員じゃ無いかしら、桐藤さんが居てびっくりしたのでしょう」
「さっちゃん! 退院出来たんだね、ぎゅってして良い? ぎゅっとするね!(ぎゅうぅぅぅ)」
「ぐふっ!? くっ、苦しいですわっ」
おっと、若干車椅子が曲がっちゃった。
おかしいなぁ、スキル制御出来てる筈なのに、朝から変なんだよ。
「花乃歌、華ノ恵の顔がヤバいぞ」
「あぁっ、締めすぎたっ、大丈夫さっちゃん?」
「げほっげほっ、コレが幸せの代償かしらっ、折れるかと思いましたわ……」
そんなに締めて無いよ!
ほんの少しチカラを込めただけだもんっ!
────ガラッ────
「ほい席につけー、花乃歌は遅刻の理由……は良いか、何かボロボロやし。あと来週は中間やからなぁ、一年から赤点とるなよー」
んっ……先生今何て?
「何で学校始まって一ヶ月過ぎでテストするんだ、面倒臭いなぁ」
「あら? 野小沢さんは毎回上位ですのに、自身が無いのかしら?」
「小学校から一位の御嬢様には分から無いだろな、こちとら頭が良く無いもんで……花乃歌?」
へっ、中間? テスト? 迷宮潜りで免除は無いの?
「おい華ノ恵……花乃歌が西洋人形みたいに固まったぞ、地味に怖ぇっ」
「可愛いですわよ、このまま持ち帰って飾りたいですわ」
「さっちゃん怖いよ!? テストぉぉぉっ、全く勉強してないんだよぉぉぉっ、二人共助けて!」
二人の視線が痛いぃぃぃっ、勉強教えてくれないかなぁ。
「これは泊まり込みですわね」
「だな、絶対赤点は取らせ無いぞ」
「二人の目が怖いっ、優しく! 優しく教えて下さいっ!」
そんな私の願い虚しく、それからは放課後や休みの全てを、みっちりと勉強に費やされました。
こんなにも、迷宮で暴れたいなんて思った事に、私自身もびっくりだよ!!
「花乃歌っ! 方程式が違うぞ!」
「桐藤さん! イントネーションが違いますわ!」
誰か助けて下さい!!




