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EP.17ただ想いのままに全力で.2



 レオンちゃんの叫びで目が覚めた。

 夢の中でずっと、起きないと、起きないとって思ってたんだけど、ウリ坊がくっ付いて来て起きれなかったんだよ。

 そしたら急に、レオンちゃんの何とも言えない叫びが聞こえて来て、ウリ坊が潰れて、目を覚ませた。

 前に潰した、ウリ坊の呪いなのかなぁ。


「レオンちゃん!」


 倒れそうなところをギリギリキャッチしました! ……寝ちゃったよ、ここまで来てくれたんだね。

 ゆっくり地面に寝かせて、周りを確認……上っ、さっちゃんが男の娘の腕を──何してるのさっちゃんっ!?


「ごはぁっ!?」


 男の娘が地面に埋まった!? 

 何か気持ち悪い態勢で埋まったんだよ!?

 あぁっ、さっちゃんが行っちゃうっ、何処に行く気なのさ!


「待ってさっちゃん!」

「──っ、花乃歌、野小沢さんを連れてここから離れなさい。でないと私は……っ」


      ────ドッッッ────


「待────っむぅうううっ!? 飛んで行かなくてもいいじゃんか! 何か持ってたし……言いたい事が有るんだよっ!」


 もうあんなに遠くまで……ぬぅうううっ、私を舐めないでさっちゃんっ!!

 取り敢えず男の娘は、両手がないんだよぉぉぉっ、うひゃぁ……止血止血ふんっ『ぉあっ!』と、変な声出したんだよ。


「てっ……糞っ…」

「自業自得なんだよ! 玉を潰さないであげるから、死んだら駄目だからね!」


 これで良しっ、レオンちゃんをおんぶして、男の娘を脇に抱えてっと、ふう。

 屈伸……大丈夫。

 身体は……寝たから元気なんだよ。

 息を整えて、すぅうううはぁあああっ。

 

「ふんっ!! 逃がさないんだよぉおおお! さっちゃぁあああん────!!」


 踏み込んだ右足が(メゴォッ)地面にめり込んだけどっ、そのまま前に進むんだぁあああっ!!


    ────ドッドッドッドンッ────


 スピードに乗った──っ、今の音何だろ……後ろを振り返ったら転けちゃうし、気にしたら負けなんだよっ。

 さっちゃんは……居た! 

 むふふっ、捕まえたら色々お話しなきゃ!


「モォオオオッ」

「キルキルキルルルルッ」

「ゴギッゴギギギッ」


 魔物さん!? 邪魔っ『ブモッ』なん『キョッ』だよ『ゴヒョッ』退いてぇえええっ! 今の私の前に出たら────空いてる左手で殴って殴って殴って投げるからね!

 初めて見る魔物さんだったけどっ、可愛く無いし、急いでるから加減無しなのさっ!


「おっ……足っ…」

「何か言った? 足……走ってるんだから我慢して!」


 私の身長が低いから、男の娘の足が地面に擦れて血塗れなんだよ。大丈夫、もう少しでさっちゃんに追い付くから我慢して下さい! 


「──ここだっ! さっちゃぁああああああんっ、逃げないでぇええええええっ!」


 右手に力を込めて、持っているモノを振りかぶって────『お…っま…』全力で投げます!


「花乃歌っ追いかけ──『がぁぁぁっ』ゼグっ、きゃっ!?」


 ナイス投人! さっちゃんも上手く防いで男の娘も無事なのさ! 計算通り計算通りっ……さっちゃんが睨んで来るぅぅぅ。


「うぇっ…揺れで気持ち悪いだろ花乃歌……」

「レオンちゃん起きたんだね、下りて離れてて欲しいな……少し喧嘩するんだよ」

「……はいよっと。頼むぜ花乃歌、華ノ恵の奴何かおかしいからよ」


 分かってるんだよ……泣きそうなお顔してるもん。


          



「花乃歌……今この手にあるモノが発動されれば、この迷宮から上部、町にまで影響が出るの。だから早くここから離れなさい、花乃歌のスキルなら出来るでしょ……」


「私の事、花乃歌って呼んでくれるんだね、さっちゃん……かのちゃん呼びなら満点だけど、それは今後に期待なんだよ……」


「私の言ってる事を無視しないで! 私はっ、私は貴女のっ、花乃歌の両親をっ……」


「知ってる……思い出したんだよ。他の人を助けるパパや、私を庇って死んだ、ママの事をさ」


「──っ、なら早く立ち去りなさい! 私はっ、コレを下層まで持って行く。大丈夫よ、貴女の両親を殺した罪は消えないけど……本当は貴女にっ…殺して欲しいけどっ、ちゃんと消えるから……」


「さっちゃんは意外と泣き虫だよね。あの時も、泣いていたもん。必死に、必死に、抑えようとしてたんだよね。私見たもん……」


「それが何ですの……それが何なのですか! 私はっ、私は多くの人を殺めた殺人犯です! 花乃歌の両親だけで無くっ、御父様が揉み消してっ、過去の記憶がっ! 邪魔をっ! 抑えられなくてっ!」


「それでも生きなきゃだよ……さっちゃん、私はね、恨みは有るけど、そんな事よりも大事な事を知ってるの」


「花乃歌……止めて、言わないで……私をっ、愚かな私を死なせてっ、お願いぃっ」


「泣いてる子が居たら、抱きしめてあげる事。あの時、さっちゃんを見た時にさ、助けなきゃって思ったんだ……」


「花乃歌……」


「だからね、さっちゃん……」


「花乃歌……」


「私と一緒にね……」


「花乃歌ぁあああああああああああっ!」


「帰ろうよ、勿論笑顔でね」



 ママが残した最後の言葉。

 とても、とても、大事な言葉。

 叔父さん泣いてたなぁ。

『花乃歌、決めた事は真っ直ぐに、想いは隠さずやりなさい』

 分かってるんだよママ……っ、私はいつも真っ直ぐ行くんだよ!



「桐藤家家訓! 真っ直ぐ行って好きな人を抱き締めます! 見ててねママっ!」




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