表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/66

EP.12 二名様御案内〜 .2



「痛っ、今度は何だ……洞窟?」


 何で落ちて来たのに天井に穴が無いんだ……と言うか、何でここは穴だらけなんだ。


「意味分かんねぇ、迷宮って一体なんなんだ…」


 あー尻痛っ、結構強く打ったな。華ノ恵は何処に居やがる……あいつ飛べるからって無茶しやがって。


「野小沢さんっ、ウリ坊は居たかしら!」


 コイツっ……やっぱり焦ってやがるな。


「居たかしらじゃ無いわ! 華ノ恵御嬢様よ、お前少しおかしいぞ、あんな無茶しやがって。迷宮って下手したら死ぬんだろ……あんなやり方ばっかりしてたら、命が幾らあっても足りないぞ……」

「──っ、悪かったわ……御免なさい」


 花乃歌を見つけたいのは分かるけどな、こんな意味分からん場所で無茶なんてすれば、間違い無く花乃歌に会う前に死んじまうぞ。

 それに…華ノ恵の体調もどうだかな。

 昨日スキルを使って飛んできた時、相当疲弊してたっぽいし、無茶なんてさせられ無いぞ。


「頼むぜ華ノ恵……倒れられたら、私だけじゃあ無理だからな」

「……ええ、それは私もよ野小沢さん」

 

 花乃歌ならどうだろうか……普通に暮らしてそうだな、しかもウリ坊抱きながら。

 不安な要素が一つも無い。


「それでよ華ノ恵、何かこの場所…おかしくないか? 迷宮だからって言われりゃそうなんだろうけどさ……この穴、どう見ても不自然だろ」


 まるで重機を使って掘ったかの様な……穴の先が真っ暗で見えないぞ。


「プゴッ?」

「んぁ?」

「野小沢さん捕まえて!」


 いつの間に私の足下に──「待ちやがれ!」


「プゴップゴップゴッ──」


 くそっ、奥に逃げやがった!?

 何て速い奴っ、逃すか!


「華ノ恵! 追うぞ!」

「分かってますわ! あのウリ坊、人に慣れてますわよ!」


 だろうなっ、じゃなきゃあんな近くまで寄って来ないし、何より──『プゴゴッ』コッチをチラチラみて遊んでやがる!


「華ノ恵! 耳を塞げっ、『分かりましたわ!』すぅううう────」


 洞窟内なら──反響して効果が増すだろ!


「止まりやがれこのボタン鍋のメインディッシュがぁああああああ────────!!」


     ────キィイイインッ────


「ポゴップゴゴゴッ!?」


 どうだウリ坊っ、洞窟の壁が振動する程の音量だ、身体の芯まで響くだろ!


「捕まえましたわっ……泡吹いて失神してますわね。この場所だと、野小沢さんのスキルが役に立ちますわ」

「そりゃどうも。んで……そのウリ坊使ってどうやって花乃歌見つけるんだ?」


 私のスキルだと、動きを止めたり、酩酊混乱ぐらいなら出来るけど、洗脳はやり方分からないから無理だぞ。


「(ごそごそ)これを使いますわ」

「なんだそ…れ……おい華ノ恵、それって……」

「えぇ、花乃歌の下着ですわ。これをウリ坊に嗅がせて、花乃歌の居場所まで案内して貰いますの」


 はっははっ、マジかー華ノ恵御嬢様が下着泥棒……ただの変態だろそれっ!?


「華ノ恵…お前変わったな……悪い意味で」

「何をおっしゃいますの。この下着は花乃歌が我が家に泊まった際に、忘れて行った物ですわ。ずっと持っていて、返すのを忘れておりましたの」


 うん、言い訳がましいな。

 花乃歌に会ったら伝えてやろう、物凄く面白くなりそうだから。


「はいはい分かった分かった、早くそのウリ坊起こして臭い嗅がせようぜ」

「ええ、早く花乃歌を見つけませんと……」

「おーい、起きろウリぼーう……起きないぞ」

「そういう時は、ここのツボをっ『プギョッ』押せば大体起きますわ」

 

 おい……『プギョッ』って言って涙目じゃんウリ坊、少し可哀想に思えてきたな。


「プップゴッッッ」

「ほら起きたならコレを嗅ぎなさいな(グリグリ)」

「プゴップゴッブキュッ!?」


 うわぁ、花乃歌の下着をウリ坊の鼻へ捩じ込んでる、容赦無ぇ。


「プププッゴッ……プゴォオオオ────!!」

「っ、何だ急に大声だしてっ!?」

「これは……いけない! 『プギュッ!?』野小沢さん! 急いで此処を離れますわよ!」

「どうした華ノ恵、何で──」

「何でもです! 早くっ!」


   ────『ブゴォオオオオオオッ』────


「いっ!? 何だ今の声っ、耳が痛っ」

「迂闊でしたわっ、まさかダイレクトに中層へ来てるなんて……っ」


      ────『ブゴゴゴッ』────


 えっ、ここ中層なのか、上層じゃ無くて?

 つーか今の声何だよ、洞窟の奥から響いて来たけど。


   ────『ブゴゴッブゴッブゴッ』────


「何か…揺れてないか…地面……」

「気を付けなさい野小沢さん。このウリ坊、特殊個体な上に仲間を呼びましたわ……」


 その小さいウリ坊が仲間を呼んだ? ウリ坊の仲間って事は──ウリ坊か?


      ────『ブゴォッ』────


「どんどん揺れ酷くなって無いか!? なぁ、さっさと行こうぜ華ノ恵!」

「遅過ぎましたわね……っ」


 何処見て──「デカっ!?」


 この洞窟はそこまで大きく無い。

 大きく無い筈なのに……それを無視するかの様に、ミチミチに詰まりながらも歩いて来る巨大な塊。

 まるで小山の様なその大きさのソレの、茶色い草が猛々しく逆立ち、まるで怒り心頭に発すると言わんばかりの圧を放っている。


「プゴッ!」

「異常個体……スピリットボアッ、来ますわよ!」

「何だその名前っ!?」


    ────『ブゴガァアアアッ!』────


 速っ! 押し潰されるっっっ!?

 死んだ!? 私死んだ!?


「──沢さ─」


 糞っ、まさか死因が大猪に潰されてなんて、あんまりだろっ!


「──小沢さ─」


 花乃歌……せめて最後に逢いたかった……何か痛く無いな、死ぬってこんなもんか?


「野小沢さん! しっかりなさいっ!」

「うぉっ、華ノ恵……あれっ? 私死んで無いのか……」

『ブゴガァアアアアアア────ッ!!』


 うひぃっ!? 大猪の顔が目の前に──何か壁があるぞ……何だこれ。


「私のスキルで膜を張ってますのっ、流石にスピリットボアには通じませんからっっっ、ひたすら押されてますがっ──」

「因みに……後どれぐらい保つんだ?」

「精々っ、一分と言ったところでしょうかっ、ぐぅうううっっっ」


 残り一分か……『プゴッ……』コイツが呼んだんだよなぁ、大猪。


「……なぁ、あれはお前の親か?」

「プゴッ?」


 こいつ返せば……許してくれないかな?


「野小沢さんっ、何をしてるの! そのウリ坊を離したら駄目よ! 花乃歌を探してっっっ」

『プギャァアアアアッ! ブゴガァアアアッ!』


 やっぱり……大猪の目線が、ずっとウリ坊に向いたままじゃん。


「なぁウリ坊、お前のとこに花乃歌来てなかったか……」

「プゴォ……?」


 ウリ坊が頭捻ってるよ、凄い光景だな。


『プギャァアアアアォオオオッ!』

「ぐぅうううっ、流石にっ、これ以上はっ──」


 華ノ恵も限界だな、仕方無い。


「ほれっ、家に帰りなウリ坊。捕まえてすまなかった、花乃歌を探したかっただけなんだ……」

「野小沢さんっ!?」


「プゴッ──プッゴ、プッゴ、プゴッ!」


 あぁ、何か走り方可愛いな。気楽にお尻振りながら走ってるぞ、花乃歌の気持ちが少し分かったかも知れない。


『ブギィイイイッ』

「プゴッ…プゴプゴプゴッ…プゴッ!」


 ふぅ、突進止めたか……やっぱ親子、そりゃあ大猪も必死になるわ。


「っ、はぁっ、はぁっ、野小沢さん貴女っ、花乃歌を探す為にはウリ坊が必要っげほっ──」

「仕方無いだろ華ノ恵……お前限界だし、死んだらどうやって花乃歌を探すんだよ……」


 はぁ……ここからどうやって花乃歌を見つけりゃ良いんだろ……『ブギィ』何だ? 大猪がこっち見てる。


『(スンスンッ)ブギィ、スゥウウウウウウウウ』

「プッゴープッゴープギッ」


「なぁ華ノ恵……アレって何してると思う……」

「息を吸っていますわねっ、流石にもう防ぎ切れ無いですわよ……」


 何かウリ坊も……何だよその踊り。


「プゴォ(トントンッ)」


 何してんだウリ坊? 地面が柔らかくなって行くぞ、これは──スキルなのか?


「スキル持ちの魔物っ、特殊個体では無くあのウリ坊も異常個体っ!?」

「へぇ……土を柔らかくするスキルなのか……何で今使うんだ……」


 息を吸い続けている大猪に、洞窟全体を柔らかくしているウリ坊、その答えは直ぐに分かった。


『ブフゥウウウウウウゥ────────ッ!』


「うわぁ……生暖かくて少し臭い息っ、じゃ無くてっ、押されてっ、踏ん張り効かないぞ!?」

「何をっ、『プゴッ』ウリ坊貴方……っ、野小沢さん! このまま飛ばされますわよ!」

「そんな事言われてもっ、どちらにしろ飛ばされるけどなぁあああ──っ!」


「──プゴォップゴプゴッ」


 足を地面から離すと、大猪の鼻息で飛ばされて奥へ奥へと進み、『壁』に打ち当たるかと思ったその時────まるで、『柔らかい膜』に包まれるかの様な不思議な感触を身体に感じ、そのまま壁を突き抜けた。




 その先には────青い空が広がっており、下を見ると森、森、火事?




「また空かよっ、飛べるのか華ノ恵!」

「ええっ、最悪とっておきを使いますわ!」


 とっておきって何だ……そんなん有るなら、さっき使えば良かっただろ。


「ここは何だ、森林エリアって言うのか? 何かあそこだけ燃えてるけど──っ、花乃歌!?」

「野小沢さん、私が理性を失ったら、スキルで気絶させて下さい……んぐっ」


 あっ? 今華ノ恵の奴何飲みやがった……緑がかった石の様な物──っ!?


「華ノ恵っお前今のっ……」

「流石に限界でしたからね……これなら、かつてのチカラをっ、少しだけですが使えますわ」

「あんなモノ普通飲むかよっ、何か有れば気絶させりゃあ良いんだな! やってやるよ華ノ恵御嬢様っ! 全力で叫ぶからなっ!」


 いっっっ、急に華ノ恵から変な圧が出たんだけどっ、何だこの変な感じ。まるで、さっきの大猪が現れたかの様な圧だ。



「行きますわよ全力で……ゼグッ」

「誰だよそれ……」


 


 心優しきスピリットボア……ウリ坊……

 次に花乃歌と出逢ったら…牡丹鍋ですかね?


 はいはい後書きのお時間デスっ!

 ミノ活も後半戦! 読んで頂いて居る皆様に感謝!

 話の展開がスローペースなのは申し訳御座いません!


 いやぁ、ウリ坊可愛いですね(唐突に)。

 ぷちぷち潰されていたあのウリ坊が、地味に強くて実は優しい! 戦ったら死にますからね! バッドエンドはお断りですよまったく……。

 だから実際にウリ坊見かけても近付かない、触らない、出来れば離れる! じゃないと猪突っ込んで来て、足を噛まれるだけなら良いけど、骨……折れますからね。


 何だろう……後書きのつもりが注意喚起になってしまった……まぁ良いか!


 何はともあれ、あと少し?続きますので、皆様何卒最後までお付き合い下さい!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ