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EP.11 熊さん虎さん土竜さん.2



 男の娘と虹色女の子が、大きな猫さんの家族に追われ森の中を爆走してるの。確か男の娘は、火を使える筈だけど──あぁ、森の中で使ったら巻き込まれて焼かれちゃうのか。


「糞っ、あの化物、全く動かねぇ──うおっ!? 危ねぇなこの糞猫っ!」


 凄い、鋭い猫パンチを避けた!

 虹色女の子が前を走ってるけど、どうみても遅すぎるんだよ。男の娘が上手く誘導して、虹色女の子に猫パンチが行かない様にしているんだね。


「ぶふっ、疲れたでしゅっ……もう体力の限界なのでしゅよゼグっ、ふぃっふぃっ」

「何とかあそこまで走れ白瓦っ! あの化物の近くまで行けばっ、この猫共も攻撃して来ない筈だ!」


 蚊避けの次は動物避けなんだよ……私を一体何だと思っているのさ。高校一年友達二人、笑顔が素敵な桐藤花乃歌、キラキラ乙女の十五歳っ(ニコッ)なんだよっ。


「ひぃっっっ!? ゼグっ、あの化物狂気の顔で見て来るでしゅよっ! 殺意がヤバいでしゅ殺る気全開でしゅっ!」

「あぁっ!? 俺は見る暇無いってのっ! この猫共っ、完全に遊んで──っ、動きが止まりやがった……」


 それは私が猫さんをジッと見ているからなんだよぉ……肉球どんな触り心地かなぁ。

 確か猫さんは、目を合わせると喧嘩の合図って聞いた事あるんだけど、今私が見つめている猫さん達は──目を合わせてくれない。


「ぐるぅううう……ぐるぅ」

「みゃぁぁぁっ……」


 何だったら、私と目を合わさない様に顔を逸らして、男の娘をチラチラ見ている。

 獲物を諦めるべきかどうか迷ってる感じっぽいんだけど、私は猫さんを逃さないよ?


「肉球触りたいし……子猫? ちゃんを触りたいし……モフモフ撫で撫で触わ触わして癒されたいから、逃す訳が無いんだよっ!!」


 


 今度は力を抑える様に────っ突っ込んでハグなんだよっ!

 



 突風を撒き散らし、男の娘と虹色女の子を吹き飛ばして、目算二十メートル程の距離を一瞬で移動して、勢いそのままに先ずは──猫さん(親)の顔面に抱き付きますっ!


「────グァアアアッ!?」


 ふふふっ、何が起きたのか分からずに、ビックリしてるんだよ。大丈夫何も怖い事はしないんだよ、撫で撫でするだけだからねっ(ニコッ)


「グギャァアアアッッッ!」

「ミャァアアアォゥッ!」


 あぁ……良い手触りだぁ。

 お日様の匂いがしてふわふわの触り心地……動物園の虎さんも、こんな感じなのかなぁ。

 お顔も可愛いし、目も凛々しくて格好良い!

 猫さんのお顔にくっついてるから──目をしっかりと見れる『グゥゥゥッ』んだよぉ。



「ぐっ……おぃ白瓦、化物が化物を……これは夢か? あの下層レベルの魔物がっ、何で怖がってやがるんだっ!?」

「痛っ、気を抜くなでしゅっ、まだ小さいのがこっちを見てるでしゅよ!」



 そうだ子猫──サイズは全然子じゃ無いけど、見た目は完璧な子猫っ!


「子猫ちゃん……触らせてっ(ニコッ)」

「フゥウウウッ!」

「グルァウッ」

 

 子猫ちゃんが威嚇して来たけど、親猫さんが止めてくれた! 私の気持ちが伝わったのかな、触って良いよねっ!

 親猫さんの顔から下りてっと、逃げ腰の子猫ちゃんを優しくハグなんだよぉ──『ニャンッ』、鳴き声も可愛いのさ!


「よーしよしよし『ゥゥゥッ』撫で撫でなんだよぉ、親猫さんよりふわっふわっだぁ──あれっ?」


 お腹に傷痕……しかもまだ、血が滲んでる?

 ぬぅっ、まさかあの二人……猫さん達に追われた理由ってこれ?

 どうしよう……消毒液も包帯も無いし、傷はほっといたら駄目なんだよ。


「森なんだから、傷に効く草とか生えてないかなぁ…………なんで?」



 地面をキョロキョロ探していたら、『何と無く草の種類が分かる』んだけど、何っ、何か変な感じなんだよっ。

 子猫さんから離れて地面をみると、『やぁ! 傷に効く草だよっ!』と言わんばかりに、この黒っぽい草から目が離せない。


「取り敢えず抜いてっ、子猫さんのお鼻に近づけて……」

「ニャン……ゴロゴロッ」


 喉を鳴らしたっ、可愛いんだよ!

 子猫さん的には大丈夫な草っぽいんだけど、これを傷に塗る為には……擦り潰してペースト状にしないとだね。



「おいあの草っ、何で化物が薬草を見分けられんだよっ、白瓦……お前情報収集さぼったな」

「ふざけるなでしゅっ、私の情報収集は完璧でしゅよ。あの化物……大地を割った事と言い、間違い無くレベルが上がってるでしゅ……一体どうやって……」


 あそこの二人は何をしてるんだよ。

 ずっとこっちを見たまま話し合ってるし、子猫さんを傷付けた張本人なのに……そうだっ!


「親猫さん、この草を擦り潰している間なら、あの二人を懲らしめても良いんだよ! だけど殺したらめっ、だからね(ニコッ)」

「はぁっ!?」

「馬鹿でしゅあいつっ!?」

「グルァアアアッッッ────ッ!」


 おぉ──即行動したんだよ親猫さん、我慢してたんだね。ちゃんと殺さない様に、優しい猫パンチで『ぐぅっ、ぬはっ!?』男の娘を空中回転させてるんだよ。


「お前っ、私達を殺す気でしゅか!?」


 虹色女の子はいつの間にか隣に居た。

 それで逃げれば良かったのに……と言うか、一人だけ避難してるんだよこの子。


「なんでしゅかその目は……私はちゃんとゼグに忠告したのでしゅっ、聞かなかったゼグが悪いでしゅっ!」

「それは良いから手伝うの。じゃないと次は、貴女の番なんだよ」

「はい……手伝うでしゅ……死にたく無いでしゅ」


 やけに素直なんだよ……そんなにこの子猫ちゃん、強いのかな?



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