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EP.11 熊さん虎さん土竜さん.1



 モフモフの可愛い女の子のお母さんから、下に居る男の娘と虹色女の子なら、私を地上へ帰せるよと聞いたので、牛さんのお肉を齧りながら向かおうと頑張っています。

 

「下へ行く階段が見つからないから、まだ洞窟を彷徨ってるんだよぉ……一人言は辛いっ」


 寂しいよぅ……さっきのモフモフ女の子のモフモフ感が忘れられないし、お母さんもモフモフ美人だったよねぇ。あのふわふわした尻尾……触らせて欲しかったなぁ。


「きっとモフモフ女の子よりも凄い筈っ、また逢えると良いな……」


 駄目だっっっ、折角孤独から解放されて居たのに、また一人ぼっちでっ、しかも洞窟内だと息が詰まって病んじゃいそうだよ!


「……また行き止まり……こんなんばっかりっ、下階段は何処ですかぁあああ────っ!!」


 叫んでも駄目ですよねっ、はい分かります、分かっています。



「うぬぅ……このまま延々と彷徨うのは勘弁して欲しい……どこに階段あるのぉ」

 

 しゃがみ込んで地面を弄じ弄じ……えいっ! っと指を差し込みます。何か腕まで地面にめり込んだ!?


「これは…掘れそう……いけるかな」


 めり込んだ腕を、力任せに横へふんっ──っと振ると、良い感じに掘れるよ。

 今度は、叩いて見ますよっとっととと──地面に亀裂が走った!? 叩くのはちょっと怖いから駄目だね。


 ならっ、掘り進めてみようかなぁあああっ!

 掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り「お肉を齧って」掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り掘り……虫さん一匹も居ない。

 

「それに──今度は上がれない……斜めに掘って進むんだよっ」




 掘り進める事、数時間……はい、洞窟が穴だらけになりました──拍手して下さいっ!




 一向に下の層に行けないし、なんだったら井戸が有る場所にも戻れなくなっちゃった。


「やっぱり全力で地面を殴るしかないのかな……間違い無く大惨事で、下手したらウリ坊ちゃんが巻き込まれちゃう……どうしよう」


 穴の中で悶々と考えて居たら、何か目の前の土が若干盛り上がってる……物凄く不自然に。

 ジッとそれを見つめていたら、ゆっくりとその盛り上がりが左に移動して──ポコって落ちた。

 だってそこ、私が掘った後だから、土が無い場所だもん……何だろうこの生物。逆さまになったまま、ジタバタと手足を動かしてる。


「何か可愛い……ウリ坊じゃ無いし、何だろうこの生物……」


 取り敢えず両手で掴み取り、顔を見てみると……つぶらな瞳と目が合ったの。


 鼻が細長くてお目目が小さい。爪が長くて、肌触りはサラサラしてる。


「土竜さんだぁあああ────可愛いっ」

「ヂュ──ッ!?」


 まって暴れないでっ、あっ──落ちて穴の中へ逃げた……待って…待ってよぅ……土竜さぁあああああああああんっ!!


 寂しさの余り逃したく無くて追いかけた。


 それはもう全力で穴を掘って。


 真っ暗だけど、『ヂュヂュッ!?』って声がするから方向は間違って無いんだよっ!


「土竜さぁあああ────んっ! 待ってぇええええええ────っ!!」

「ヂュッッッ────!?」


 もう少しっ、もう少しで鳴き声のする場所へ手が届く──っ、『ヂュブッ』捕まえた!


「……土竜さん? あれっ? 土の感触が無い……何で?」


 土竜さんを捕まえているであろう手を、ふん──っと横へ振り、体を前へ持って行くと──目の前には鬱蒼とした森が、広がっていた。


「んしょっと、出れた……なんで森…っとそうだ土竜さんっ!」


 あ──っ土竜さんが潰れて土色の石が見えてるっっっ。強く握り過ぎたんだ……うぅっ、土竜さんをちゃんと埋めなきゃ。

 

 土を掘って、ぺったんこになった土竜さんを入れ、土を被せて、合掌。


「……先に進むんだよ…うぅっ……」


 御免なさい土竜さん、この石は大切に持っておくからね。


            ◇ ◆ ◇


「土竜さん、石が有ったって事は魔物さんだったんだね……猪さんのが紫だけど、何が違うんだろう」


 まじまじと土色の石を眺めるけど、光に反射して綺麗なだけで、何が違うのか全く分からない。あの緑の石には木の様な模様が有ったけど、お湯に浸けたら消えちゃったし、さっちゃんが買い取ってくれるけど、何に使うのかが全く想像出来無いんだよ。


「それにしても……森だなぁ」

 

 さっきから『ブゥンッ、ブゥンッ』って、私目掛けておっきな蚊(西瓜サイズ)が迫って来るんだけど、長いお口を私に刺そうとしてるのに……その度にお口がひしゃげて自滅してる。


「私は硬く無いよね……うん、ちゃんとぷにぷにお肌なんだよ」


 あっまた、『ブゥンッ』やっぱりお口がひしゃげたの……蚊のお口が柔らかいのかな? それにしては、ひしゃげて落ちた蚊達は、落ちたまま動かなくなってるけど……これもスキル?


 何だろう……危なく無いのに、さっきから『ブゥンッブゥンッブゥンッ』と周りを蚊が行ったり来たりと羽音が煩くて苛々するの。

 西瓜サイズだから、それはもう大合唱並みに煩くて、しかも突っ込んで来ては落ちて行く。


「いくら来ても無駄なのにっ、これ以上来るなら叩き落としちゃうよっ(ニコッ)」


 ちょっと待って今私が笑顔を向けたら、『ブゥ……ゥゥゥ……』って一匹逃げたっ!? 

 それに釣られる様に逃げ始めたっ!?

 私の笑顔は蚊取線香じゃ無いよ! 何で逃げるっ、『ブゥゥゥゥンッ────』逃げるスピード速くなった!?


「……(ニコッ)……蚊にも効くなんて……」


 少し心にダメージを受けました。

 私の笑顔の何処が怖いのさ、鏡で見たら確かに怖かったけど、虫さんまで逃げなくてもいいと思うの。




 森に入って少し経つけど、蚊以外の生き物と言うか、魔物さんが見当たらない。勿論、落ちた蚊達には石が有ったから、蚊も魔物さんなんだろうけど、動物系の方が私的には有難いです。だってモフモフ出来るもん。


「モフモフ魔物さん出ておいでぇ……、出てきたら牛さんお肉をあげちゃうよぉ……」


 …………来ないよねぇ。

 仕方無い、早くあの二人を見つけないと……この森で下階段をどうやって見付けろと?


「さっきの洞窟、結局見てみたら巨大な岩山だったし、下に行くってどうやるんだろ……?」


 何か聞こえる……『む─にげ──』この声何処かで……『ば─でしゅ──』あの二人だ!?

 何で? 

 私下りて無いよ?

 穴掘ってたら森が有っただけなんだよ?


「何かから逃げて──っこっち来てる!?」


 森の先──男の娘と虹色女の子が何かから必死で逃げていて、二人と目が合った。


「白瓦っ、丁度良い所に化物が居やがったぞっ、あそこまで走れぇえええっ!!」

「ばっっっ、ゼグが刺激したからでしゅっ! 私のスキルもっ、万能じゃ無いって言ったのにっ、この馬鹿ゼグっっっ」


 虹色女の子、瞬間移動的なモノが使える筈なのに、何であんなに必死に走っての? と言うか、二人の後から走って来てるのって、どう見ても──モフモフしてるよね。



『グゥアアアアアアア────ッッッ!!』

『ニャァアアアアアア────ッッッ!!』



 凄い大きな虎さんの家族だぁあああっ!

 子供は間違い無く、大きな猫さんにしか見えないんだよぉおおおっ!


「助けろ化物ぉおおお──っ!」

「助けないと溶岩行きでしゅぅううう──っ!」



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