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EP.10 もし叶うなら



 花乃歌が姿を消した次の日、私は何とも言えない気持ちで学校に来ていた。


 華ノ恵御嬢様が何か手を回したのか、花乃歌は病欠扱いとなっていて、心配する声がちらほらと聞こえたけど、何事も無く授業は進む。


「ねぇ野小沢さん、桐藤さんは大丈夫?」

「……なんで私に聞くんだよ」


「なあ野小沢、桐藤どうしてるんだ?」

「……私が聞きたいぐらいだ、知らねぇよ」


「野小沢、今日の課題を桐藤に伝えておいてくれな──、頼んだぞ──」

「あんた先生だろ私に頼むなよっ!」


「野小沢さん、桐藤さんのあの顔見ないと……何故か授業に身が入らないの、何でだろう?」

「私が知るか! アレか、花乃歌の顔がカフェイン代わりなのか!?」


 華ノ恵の奴は来てないし、クラスの奴らも何で私に花乃歌の容体を聞いて来るのか。と言うか、花乃歌を怖がっている奴が聞いて来るって何なんだ……分かんねぇ。

 



「あぁ──むしゃくしゃするっ! 学校休めば良かったな……花乃歌をどうやって探すか。華ノ恵から連絡来るのを待つしか無いってのがな、私の性に合わないんだよな──っ」


 休み時間に屋上へ上がって、背伸びをしてから、ぼーっと空を眺める。

 屋上は普段から施錠されているが、窓から足場を上手くつたえば普通に上れた。何か身体が異様に軽いんだ。


「高校始まってまた日が浅いのに、何でこんな事になってんだよ……花乃歌、どこ居んだぁ……」



     ────ピンポンパンポーン────

『1ーA野小沢麗音さん、1ーA野小沢麗音さん、至急理事長室までお越し下さい。

繰り返します。

1ーA野小沢麗音さん、1ーA野小沢麗音さん、至急理事長室までお越し下さい。

     ────ピンポンパンポーン────



「華ノ恵の奴、わざわざ校内放送で呼ばなくてもいいだろ……行くか」


            ◇ ◆ ◇


 頭が痛い……吐きそうだ。

 昨日の家を半壊させてしまった反動が、体全体に広がり、今だにスキルを制御しきれずに、この姿から戻る事が出来無い。

 それに、私だけでは迷宮に潜れ無い。

 上層なら問題無いけど、中層や下層だと力尽きて倒れてしまう。


「愚か者ね……あれだけの事をしておきながら、花乃歌さんと仲良くだなんて……」


 それでも、だからこそ償わなければ。

 人殺しと罵られようとも、例えその力が私に向けられようとも、全ては私の未熟さ故の過ちなのだから。


        ────ポーンッ────


「校内放送で呼ぶなよ華ノ恵、花乃歌の居場所分かったの…か……何だその姿っ、髪白っ!?」


 エレベーターから降りて直ぐの発言にしては中々鋭いわ、確かに驚くでしょうね。

 白髪で眼は朱色、正に白髪鬼そのものの見た目ですもの……理性を保つのも辛いですわ。


「これが私の本来の姿……と言っても良いのかしら? 正確には、前の姿ですけどね……」

「びっくりさせんなよっ! 花乃歌が居ないストレスで、白髪になったかと思ったぞ。そんな事より額の傷やばいだろ、包帯から血が滲みまくってるし、大丈夫なのか?」


 変わった見た目より傷の心配ですか……本当に昔から、嫌な女ですわ。


「御心配無く、大丈夫ですわ。それよりも、花乃歌の居場所が判明しました。救出には貴女の力を借りなければなりませんの、お願いしても宜しいかしら」

「そんなの良いに決まってるだろ。それで、花乃歌は何処で何して──救出? おい華ノ恵、花乃歌は今何処に居る」

 

 勘付いた様ですわね。

 こう言うところは、素直に感心致しますわ。


「戸ノ浄市郊外の地下深く、迷宮の中層と下層の狭間に居ますの」

「何でそんな場所に居るんだ……まぁ良い、さっさと花乃歌を助けに行くぞ」


 そう、助けに行かないと。

 きっとその場所にはゼグが居る。

 それなら──丁度愚か者が揃う事になるわね。


「ええ、私の持つ全てを使って、助けに行くわ」


 


 その後で、もし叶うなら────


 

 

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