EP.9 可愛い未知との遭遇.3
「◾️ー◾️◾️、◾️ー◾️◾️、◾️◾️っ!」
私は何を見て居るのだろぅ。
「◾️◾️っ、◾️ー◾️◾️、◾️◾️っ!」
モフモフ女の子が肉切り包丁片手に、何かを口ずさみながら牛さんを切り分けているの。
「◾️◾️◾️ー◾️◾️、◾️、◾️◾️っ!」
しかも、ワンピースから少し見えているモフッとした尻尾が、左右に揺ら揺らと……楽しそうに揺れているし。
「◾️◾️っ、◾️ ──っ」
時折、切り分けた生肉を齧りながら、どんどん牛さんがお肉になって行くよ。
「◾️ ──っ、◾️◾️◾️◾️◾️◾️!」
ものの数分でブロック牛さんになりました。
モフモフ女の子のやりきった感が凄いっ、血がついた腕で額を拭ってるぅっ。
「お顔が血だらけになっちゃうよ!? 拭くモノ拭くモノっ、ハンカチあるからお水で濡らしてっ、こっちおいで!」
「◾️◾️、◾️ー◾️っ!」
「はい、どーぞ! じゃ無いからね! ほらじっとしてっ、可愛いお顔がホラーになるよっ」
生のまま渡されても私は食べれないからね、しっかり中まで火を通します。
火打石も転がってるし、焚火の跡の側に枝も有ったから、焼くだけなら出来るんだよ。
うにうにとお顔を拭くけど、やっぱり可愛いなぁこの子。何処から来たのかな……日本、と言うか地球には居ないだろうし、まさか──下から来たとか?
「まさかね……はいっ、綺麗になりました」
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️っ、◾️◾️!」
今のは有難う御座いますかな、しっかり頭を下げて、礼儀正しいモフモフ女の子なんだよ。
あぁ──せっかく拭いたのに生肉に齧り付いちゃった……後でまた拭き拭きしなきゃ。
「……私も火起こししなきゃね」
乾いた木屑に向かって──カチッカチッっと火種を着けて、それを纏めた枝の中へそっと入れたら──後はふーふーするだけっ!
「一発で火が着いたっ、燃え易い枝なんだ……」
残った枝にお肉を刺したら、中までこんがり炙ってからっ、油が凄いっ! ポタポタ落ちて来るんだよ。
凄い良い匂いだぁ……調味料一切無しのお肉だけど、この匂いは反則だと思います。
「◾️◾️◾️っ、◾️◾️」
「モフモフ女の子も焼きたいんだね、一緒に焼いて食べよう」
いつの間にかモフモフ女の子が横に居て、私と同じ様に枝にお肉を刺して、焼き焼きと尻尾を振っているんだよ。
そうだっ、スマホ確認してなかった──鞄から出して見ても、電波が通じてる訳無いよね。このモフモフ女の子だけでも撮っとこうかな。
「あっと、お肉が焦げるところだった──、先に食べよう……はふはふっはひゅいっ……食べた事無いのに、何故か食べた事ある様なお味……」
なんだろうこのお肉の味……初めて食べたお肉の筈なのに、食べ慣れた感が凄い。
「◾️◾️◾️◾️◾️? ◾️◾️◾️◾️◾️っ」
「なんでも無いよ、美味しさに感動しただけなんだよっ、熱いから気を付けてね」
お肉を美味しそうに食べて居るんだよぉ、ほっぺが膨らんで、可愛い──っと写真写真!
ふふふ、何の道具か分からないから、不安気にこっちを見ても逃げる気配が無いんだよ!
────パシャッパシャッ────
「◾️◾️◾️?」
「大丈夫だよー食べてて良いからねー」
────パシャッパシャッ────
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️?」
「見たい? 良いよ、一緒に記念撮影なんだよ」
────パシャッパシャッ────
「ほら、綺麗に撮れてるでしょ」
「◾️◾️ー、◾️◾️◾️◾️っ!」
────パシャッパシャッ────
────パシャッパシャッ────
────パシャッパシャッ────
はい、調子に乗り過ぎました。
貴重なスマホのバッテリーが切れました。
因みに写真の撮り過ぎで、本体容量もいっぱいになっちゃいました。
もしかしたら移動時に、電波が届く場所が有ったかも知れないのにね! でも後悔はしていない、だって可愛いが正義だもの!
最初は若干警戒していたモフモフ女の子も、このスマホで撮った写真に魅了されて、途中から単独撮影会だったんだよ!
「帰ったら印刷しなきゃ……アルバム作って保護シート貼って、永久保存なんだよ……」
「◾️◾️、◾️◾️◾️◾️◾️」
何だろう、急に私の服を引っ張って、何か言ってるけど……指差してる? 出入口? 洞窟の出入口に何が────
「こっ、この子のお母さん……」
────知らない間に綺麗な女性が、優しい笑みを浮かべながらこっちを見ていた。
「◾️◾️っ……あーあー良々っ、御免なさいね、家の娘が世話をかけちゃって」
「喋れるの!? この子の言葉、私には全く理解出来なかったんだよ!」
「ミノンはまだ小さいから、あっちの言葉を話す事が出来ないの」
モフモフ女の子のお名前ゲット! ミノンちゃんなんだよ、アルバムに書いておこう!
じゃなくて──あっちの言葉? それって日本の事だよね……えっ、ここ日本じゃ無いの?
「ふふっ貴女無表情なのに、とても分かり易い反応をするのね。ミノン、そろそろ帰る時間だから、そのお姉ちゃんに有難うしなさい」
「そんなっ、帰るって何処にさ! まだモフモフしたいしっ、私も帰りたいけど帰り方を知らないの! 知っていたら教えて下さいモフらせて下さいっ!」
何で驚いてるのっ、また『ふふっ』て笑ったけど何でさ。
「貴女、まるでお父さんみたいね。私のお父さんもよく、モフらせてモフらせて──って尻尾を触って来たもの」
「そのお父さんとは仲良く出来そうな気がするよ! だってミノンちゃん可愛いものっ」
「◾️◾️◾️、◾️◾️◾️◾️?」
首を傾げるその姿も可愛いの!
ぷにぷにさわさわモフモフ可愛いっ!
「でも御免なさいね。もう遅い時間だし、遊びの時間はもうお終いなの。貴女が帰る方法は──そうね、下のフロアにも二人居たけど、その内の一人なら、貴女を脱出させる事が可能だと思うわ」
二人って誰……あっ、男の娘と虹色女の子!
それ以外だと、さっちゃんかレオンちゃんだけど……私より下に居るって事は、違うよね。
「それじゃあね、ミノンもばいばいしなさい」
「ば◾️ば◾️、◾️◾️◾️◾️◾️」
あぁ!? いつの間にかミノンちゃんがお母さんに抱っこされてるっ!?
「うぅ、ばいばい……また逢えたら良いなぁ」
「ふふっ、また逢える日が来るわよ。その時はまた、ミノンと遊んであげてね」
あっ────消えたっ!?
何今のっ、幻じゃ無いよね、ちゃんと牛さんの骨も有るし、写真も残って……バッテリー切れで確認出来ないよぉおおお──っ!?
「また逢える日かぁ……次逢った時のために、調味料持ち歩こうかなぁ、あとモバイルバッテリーもだね……寂しいなぁ」
……下に行って、あの虹色の女の子に地上へ帰して貰おうっ、早くさっちゃんやレオンちゃんに逢いたいんだよっ!
「殴ってでも帰してもらおう……なる早でっ」




