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EP.6 : 地下迷宮調査隊?.3



 さっきの緑色の化物さん? 

 さっちゃんがゴブリンと言っていた化物さんの所為で良く見てなかったけど、今居るこの場所は──何だか工場の中に居るみたいな内装をしているの。


「さっちゃん、ここって何かの工場なの?」


 所々に鉄骨が剥き出しになっていて、灯りが付いてて電気も通ってるし、水の流れる音も聞こえる……右下のコレは水道管だよね。

 コレが迷宮……何だろう、違う気がする。


「ここは元最下層ですわ、二十年程前に造られた地下の観測所ですの。今では迷宮への出入口ですわね」


 地下から押し出されたって事だよね。

 一体この下はどうなってるんだろ……ウリ坊が居たって事は──森? いやいや地下に森は無いんだよ。


「出入口でアレかよ……それで、ここからどうやって下に行くんだ華ノ恵お嬢様」


 確かに、さっきからずっと真っ直ぐ進んでいるだけだし、先にはずっと長い通路が──長すぎだよね。

 まるで、ランニングマシンに乗っている様な錯覚に陥る程の長い通路だよ。

 横道も無いし、どう言う事なの?


「この通路……絶対おかしいよね」

「桐藤さんの仰る通りですわ。出入口と言ってもここは既に迷宮ですの。迷いの宮と書いて、迷宮と読む。これも一つの幻覚ですわ」

「じゃあこのまま、永遠に歩き続けるのか?」


 そうだよねレオンちゃん。

 流石に私の意味不明な体力でも、永遠に歩き続ける事は無理だと思うの。


「永遠に何て歩きませんわ。後百十歩程度歩いたら合図をしますので、そうしたら必ず一度止まってください」


 なんで百十歩?

 まぁ私は下に行く方法知らないから、さっちゃんの指示に従うしかないけども、もしかして歩数をずっと数えてたのかなぁ。


「まさか歩数をずっと数えてたのか?」


 レオンちゃんが突っ込み入れちゃったよ。

 確かに気にはなるけどさ。


「それも有りますが、大事なのは歩く速さの緩急ですわ野小沢さん。特に、止まる時は必ずしっかりと止まって下さいな」


 止まらなかったらどうなるんだろぅ。

 コレは聞かないでおこうかなぁ。 


「あと十歩ですわ。九、八、七、六、五、四、三、二、一、ストップ────では後ろを向いて下さいまし」


 えっ後ろなの……なんか怖いんですけどぉ。

 そ──っと後ろを……通路を歩いて来た筈なのに、下階段があるんだよ!?


「不思議空間だぁ……帰り道は?」

「安心して下さい桐藤さん。それは、別の道で帰れますわ」

「取り敢えずは下りろって事だよな。行くぞ花乃歌」


 レオンちゃん、全然怖く無いんだぁ……私はちょっとだけ怖いんだよ。

 雰囲気がお化け屋敷みたいで……ウリ坊でも居てくれたら、気が紛れるのになぁ……若しくは可愛い動物だよ!


 ゆっくりと階段を下りる。

 私が先頭で下りて行くんだけど、なんでさっちゃんじゃないのかなぁ。私より絶対に良いと思うのに。

 

「また観測所だ……兎さん?」


 階段を下りた先もまた観測所。

 違うのは──兎さんが居るの。

 兎さんだよね?

 立派な縦長の耳に赤い瞳を持ち、モコモコとした毛に覆われて、『ボリボリ』とゴブリンを細かく噛み砕きながら食べている、三メートルはあろうかという巨大兎


「珍しいですわね。あの兎はデビルズラビットと言う名前で、何でも食べる雑食兎ですわ。その巨体故に本来の脚力を出せず、ああして襲って来た魔物を両手で捕らえて食べますの」


 グロすぎるぅっ、可愛く無い兎さんだぁ!

 でもモフモフしたら気持ち良さそうな体だし、背後から抱き付けばイケるかもしれない。


「花乃歌の目がヤバいな、あの兎は危険なのか?」

「ゴブリンの様な魔物からしたら危険ですが、私達からしたら只の大きい兎ですわ。しかもレアな魔物ですので、毛皮は是非欲しいですわね」


 後で、さっちゃんとレオンちゃんが、怖い話をしているんだよ。あの兎さんの毛を剥ぐのなら、その前に是非モフらねば!!


「さっちゃんレオンちゃんっ、先に行くんだよ!」

「あっ、抜け駆けかよ花乃歌!?」

「あれ一体ですし、早い者勝ちですわね」


 地面を踏み締め全力突進なの──!

 早くしないとあの兎さんが、さっちゃんとレオンちゃんに絞められて剥がされちゃう!!

 その前に是非モフらせて下さい!!


 距離にして十メートル程を一瞬にして移動して──兎の背後に回ろうとするけど、勢いが止まらない!?

 『ギュッ?』っと鳴く兎さんと目が合った?

 そう思ったその時────『ギュブッゴッ!?』

 食べかけのゴブリンさんにぶつかりながら、兎さんの腹へ私がめり込み、そのまま兎さんが飛んで行って、壁にめり込んじゃいました。


「あ──あっ、兎さんがぁあああ!?」


 凄いグロテスクな事になっちゃってるよ!?


「流石桐藤さんですわね。内臓を潰して、一切毛皮に傷を付けておりませんわ」

「いや、あれどう見ても抱き付こうとしてただろ花乃歌のやつ……兎はご愁傷様だな」


 くそぅ、私は全力突進したら駄目だ……次こそは、次こそは──魔物さんをモフるんだよ!!


「桐藤さん。そのデビルズラビットは、後で回収班が取りに来ますので、先へ行きますわよ」


 回収班……ゴブさんの時に来て欲しかった。

 ぬぅぅぅ、ウリ坊に兎さん……私が潰さずに触れる魔物さんは居るのかなぁ。


 落ち込んでいたら──レオンちゃんが肩を叩いて来て『ボロ儲けだな!』って、私はただモフってみたいだけなんだよぉ!


 気を取り直して、さっちゃんの後を追いかけるけど、今日は何処まで行くのかなぁ。




 一部修正加筆しました。

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