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EP.6 : 地下迷宮調査隊?.1



 カラオケ店で、さっちゃんに相当のダメージと言うか、乙女にあるまじき醜態を晒してしまった心の傷が酷くて、結局あれから一週間アルバイトの話も無く、楽しい学生ライフを満喫しているんだよ。


「なあ花乃歌、いつになったら地下に行くんだ」

「それは──、私にも分からないんだよ」


 さっちゃんは、レオンちゃんに終末の刻研究所の事、スキルの事やその目的等の話をして、私と同じ様に地下への調査を打診した。

 レオンちゃんは何か納得したようなお顔で『アルバイト代は高くつくぜ、華ノ恵お嬢様』と直ぐに了承し、二人が少しだけ仲良くなった気がして、私はとても嬉しいの!

 それから、私とレオンちゃんは家が近い事もあって、毎朝一緒に登校してるんだよ。


 今も学校に二人で登校中……視線が痛い。


「花乃歌は一回で三十万稼いだんだろ、私も早く地下に行って稼ぎたいぜ」


 レオンちゃんは、私が稼いだ額を聞いて直ぐに他のアルバイトを辞めて、地下への調査一本で生活をするらしい。

 親からの仕送りも少なくて、結構大変そうな状況だ……私も他人事じゃ無いけどね。


「結構危ないんだよ。前も言った通り、ウリ坊ちゃんだけじゃ無いんだから」


 あの大猪さんがお馬鹿なだけで、他の魔物さん達は物凄く怖い可能性が有るからね。


 そうこう話をしていたら教室に到着。

 ガラッ────っと扉を開けて教室に入ると、車椅子に乗ったさっちゃんが、こっちに顔を向けて来きた。


「おはよう、さっちゃん!」

「おいっす、華ノ恵お嬢様。今日も不機嫌そうな顔してるな」


「おはよう桐藤さん、野小沢さん、朝から一言余計ですわ」


 少しは仲良くなった筈なのに、毎朝必ず何がしらの嫌味を言い合うの……喧嘩する程仲が良いって事かなぁ。


「二人共、今日の放課後は理事長室へ。ようやくお仕事を頼めますわ」


 噂をすれば何とやらだよ。

 せっかく楽しい学生ライフを送って居たのに、それが終わっちゃったぁ。


「待ってたぜ華ノ恵お嬢様、ようやく初仕事だ」

「お願いっ、ウリ坊ちゃん来ないでっ……」


 他にもクラスメイトが居るから、そこまで声をだせないけど、レオンちゃんはとてもヤル気に満ち溢れていて、ちょっと羨ましいな。


「それと桐藤さん、以前お預かりしていた『盾』ですが、研究所の方で作り変えましたので、調査の際にお渡ししますわ」


 盾? あぁ、あの盾だね。

 なんでそれを私に渡すんだろうか……?

 まぁ、くれるのなら貰うけど、もともとはあの男の子の物だけど──良いのかなぁ。


            ◇ ◇ ◇


 放課後理事長室にて────


「それでは、今現在終末の刻研究所が知り得る情報と、今回の任務──もといアルバイトで何をするのかを、説明致しますわ」


 壁に大型のモニターが設置され、そこからでかでかと立体映像が映し出される。

 その映像の細かさときたら────レオンちゃんが睨みつける様に目を細めて見るぐらい細やかで、迷宮と言うよりアリの巣に見えるの。


「何だこのクソデカいの……こんなのが地下に埋まってるって、馬鹿じゃねえか」


 そうだよね。

 コレって迷宮の地図だよね。

 日本を分断する程の大穴が迷宮に変わってるなら、実際の広さは……この映し出さるている地図の何倍? 何十倍? 何千倍になるんだろう。


「この地図の何千倍の広さ……絶対迷うんだよぉ」

「桐藤さんの仰る通り、これはほんの一部ですわ。行動する時間を計算に入れて、先ずはお二人に、迷宮とはどう言った場所なのかを体験していただこうと思いましたの」


 前に華ノ恵百貨店の地下に行ったけど、あの先に行くのかぁ……ウリ坊居るかなぁ。

 出来れば倒さずに、一匹ぐらい捕まえて、あのお鼻をぷにぷにしてみたいの。


「成程な、今日はお試しって事か。バイト代は出るんだよな華ノ恵お嬢様?」


 レオンちゃんは生活がかかってるからね。

 ヤル気が全開だよ──!


「勿論報酬は出しますわ。夏休みには長期で潜る予定ですから、それまでは少しずつ慣らしていく感じですわね」


 夏休みに潜るんだ……遊びに行けない。


「それでは──今日はこの華ノ恵学院の地下から行くといたしましょう」


 えっ……この学校の地下からも行けるの?

 そうだったよ、ここ、大災害があった場所のど真ん中だもん、出入口ぐらい作ってるよね。

 

「どこから入るの、さっちゃん?」


 おっ? さっちゃんが壁を指差して……開いた!?

 直通エレベーターですか成程成程……秘密基地過ぎるよね。


「腕がなるぜっと違うな、喉が鳴るぜ!!」


 レオンちゃんは猫さんですか?

 ゴロゴロなるのはみてみたい気がするよ。


「では、行きましょう二人共」

「頑張るんだよ!」

「稼いで良い飯食わなきゃな!」


 さっちゃんの後をついていきエレベーターへ乗り込み、ゆっくり闇の中へと──降りて行った。



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