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EP.5 : 暗躍する者達.3



 戸ノ浄市郊外。

 未だ大災害の爪跡を生々しく残している未開発地区で、一人の幼女が足取り軽く、トコトコと瓦礫の山を進んでいた。


「危なかったでしゅ、あの男──何回も何回も追いかけて来て、ストーカーなのでしゅ!」


 ましゃか……、このプリティなわたしに惚れたとかでしゅか!?


「好みじゃ無いのでしゅよ!」


 いや──あながち間違いでも無い?

 だってこんなに可愛いでしゅもの!!

 間違い無く、大人になれば絶世の美女になるのでしゅから、ある意味で青田買いの可能性が有るのでしゅ!!


「フリージャーナリストも気持ち悪かったのでしゅ。あの男さえ来なければ火山に送ってやったのに、残念でしゅ……」


 でも、インタビューを受けて雑誌に載れば────アイドルも悪く無いのでしゅ!!

 世の男共から大金をせしめて、悠々自適な豪邸生活も悪く無いのでしゅ!

 

 自問自答を繰り返しながら先へ先へと、奥へ奥へと歩いて行く。


「それにしゅても……いつ見ても汚い所なのでしゅね。まぁ、前の世界とそう変わらないでしゅけど」


 まだ魔物が居ないだけマシなのでしゅ。

 小さい頃に、わたしが異世界の住人であった事を思い出したら、目と髪が前と同じ色になったのでしゅから──『びっくりでしゅ!』

 お陰でママンとパパンに気持ち悪がられ、育児放棄──というよりも、山奥に文字通り捨てられて、この場所に流れついたのでしゅ。


「記憶が戻ってなかったら、今頃あの世に居るのでしゅよ! 育児放棄反対なのでしゅ!!」


 まぁ……ちゃんとママンとパパンは地獄に落としたので、どうでも良いのでしゅけど。


 瓦礫の山を進み、少し下った場所に存在する地下道。そこは、かつての都市の名残であり、一昔前の地下鉄へと続く道。

 そこへ我が家に帰るが如く入って行き、階段を降りた先にある部屋。


「ただいまなのでしゅ──」と勢い良く扉を開けて中へと入り、同居人の顔を見る。


「お前……毎回毎回合図してから入れって言ってるだろうが白瓦ぁあああ────っ!!」


 うるさい男でしゅ。

 きっとカルシュウムが足りて無いのでしゅ。


「これでも飲んで落ち着くでしゅよ、ゼグ」


 この男はゼグでしゅ。

 こっちでは──『佐凪夜』と言った、ハイカラな名前なのでしゅ。名前負けしてるのでしゅ。


「白瓦ぁあああ……お前これぇ、粉ミルクだろ……俺は赤ちゃんじゃ無いぞゴラァ……」


 おっと、声を低くしゅてるのはガチギレ一歩手前なのでしゅよ、危ない危ない。


「間違えたのでしゅ、こっちの炭酸なのでしゅよ。ちゃんと振り振りしといたのでしゅ!」


「なんでっ、炭酸をっ、振り振りするんだっ!?」


 頭を抱えたのでしゅ……なんで?

 このゼグは、最近女の子にボコボコにされてから、ちょっと不機嫌なのでしゅ。

 たしか、後すこしで股間が潰れてたとか言ってたのでしゅけど……元々潰す程の立派なモノでも無いのでしゅから、問題なしでしゅよ。


「お前、絶対碌な事考えて無いだろぉ……」


 ゼグは勘がいいのでしゅね。

 このゼグも、わたし同じ元異世界人で、ゼグの場合はわたしよりもヘビーだったのでしゅよ。

 たしか……毎日ママンとパパンにボコボコにされて、変態共に売られて、あの世に行く一歩手前で記憶が戻り、全員漏れなくバーベキューにしたって言ってましゅたね。


「放火駄目! 絶対! なのでしゅよゼグ!」


「急に何だお前わ!? あとお前喋り方おかしいだろ! 気持ち悪いわ!!」


 何と失礼な……おっとしつれいな男でしゅか。わたしは幼女らしく喋っているだけなのでしゅ。


「いつもの喋り方でしゅよ? ゼグは記憶力が無いのでしゅ、お馬鹿さんなのでしゅ」

 

 疲れた顔をしゅてるですね。

 遊び過ぎましゅたか。


「それで……収穫はあったのか白瓦……」

 

 話を逸らす気なのでしゅね。

 仕方ないでしゅ……受けて立ちましゅよ!

 真面目モード……変っ、身っ!!

 キリっと!


「やはり彼の地に帰るには、直接闇を通らないと無理そうですね。何回か場所を変えて転移しようと試みましたが、全てこの世界の違う場所に飛ばされてしまいました。地下へと降りる為の場所は、華ノ恵学院以外にも確認出来ましたので、迷宮さえ攻略出来れば帰れますね。攻略出来れば──、の話ですが」


 今のわたし達じゃあ無理でしゅね!

 入った瞬間あの世行き決定でしゅ!

 上層から中層は雑魚ばかりなので問題無しでしゅが、下層は流石に戦力が足りません!


「あとは、ゼグの能力が火なのが問題です。地下で火なんて使ったら、酸素欠乏症なるモノで即あの世行きになりますので、ぶっちゃけ今のままだと無理ですね」


 この世界のわたし達の身体は貧弱過ぎるのでしゅ! なんでこの世界の人間は、鉄を曲げる事すら出来ないのでしゅか!!


「──っ、分析様々だな。なら簡単な事だろ。俺の火は使えないし、お前は非力で戦力にならねぇ……。なら、戦力になる奴を連れて行けば良いだけの話じゃねぇか……」


 友達居ないのにどうやって探すのでしゅか。

 ゼグはやっぱり……馬鹿なのでしゅ。


「誰かアテでも有るのですかゼグ」


 うわぁ……ゼグのお顔が嫌そうなお顔になってるのでしゅよ。


「居るだろ……化物女がよ……」



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