EP.4 : 怪しいお肉は何の肉.2
授業が終わったぁ──!!
画面をグィっと操作して、終了ボタンをポチりとな──っと、授業内容全く分からなかったけど、今度ちゃんと見直そう!
「桐藤さん、先に行っておりますわ」
「待ってさっちゃん一緒に──」行っちゃったよぅ……なんか今日はご機嫌斜めだなぁ。
「花乃歌お前──アイツと何かしてるのか?」
レオンちゃん……アイツ呼びだぁ。
さっちゃんと仲悪いのかな……若しくは付き合いが長いだけ?
この感じは、研究所の事知らないよね……何て答えようかなぁ、やっぱりコレかな。
「さっちゃんに勉強教えて貰ってるの! 今日の授業内容も、分からない事ばかりだから聞くんだよ!」
嘘じゃ無いよ?
さっちゃんに聞く内容が授業の事じゃ無くて、終末の刻研究所の事になるだけだから、本当に嘘じゃないよ?
「ふーん……何かアイツも昔から隠し事しててさ、何回聞いても教えてくれないんだけど、そん時のアイツの眼と──今の花乃歌の眼が──同じなんだよなぁ」
物凄く疑ってるぅ──っ!?
私の顔をジロジロ見てくるよぅ……レオンちゃんって格好良い系と思ってたけど、まつ毛長くて美人系だぁ。
「んっ……私の勘違いか?」
えっ……何が勘違いなのレオンちゃん?
「レオンちゃんどうしたの?」
「いや、何でもない……んじゃ私は帰るわ、またな花乃歌──」
「うん、また明日だよレオンちゃん!」
どうしたんだろレオンちゃん……?
疑ってたと思ったら、急に勘違いってどう言う事なの?
おっと──早く行かないと、さっちゃんのご機嫌が更に悪くなるよ!
校舎内のエレベーターに乗り、マル秘ボタンをポチりと押して────到着したけど、エレベーターのドアが開かない……?
「あれ? さっちゃ──ん……開かない?」
さっちゃんまだ来てないのかなぁ……でも先に行くって言ってたし、少しこのまま待っていよう。
────『一時間経過』────
さっちゃんが来ない……もしかしてだけど帰ったとかは、流石に無いよね。さっちゃんが先に行くって言ってたし、もう少し、もう少しだけ待とう。スマホをポチポチ……暇だぁ。
────『更に一時間経過』────
時間を確認──もう六時半だよ。来ないのかなぁ……帰ろうかなぁ……。
「さっちゃ──ん、いませんか──」
部屋の中には居ないみたいだけど、どうしたんだろう……スマホのメッセージを送っても既読にならないし、あと少しだけ待とう。
────『更に三十分経過』────
ピロンッ────
メッセージの返信が来た!
えっと、これは……。
『急用の為今日は行けませんので、明日の放課後に理事長室へ来て下さい。返信が遅れて申し訳御座いません。埋め合せは必ず──』
うん……帰ろう。この時間なら、あそこのお店が丁度タイムセールなんだよ。
「さっちゃん……どうしたのかなぁ」
◇ ◇ ◇
やっぱりお客さんいっぱいだよね。
以前に散歩した時は、全く人に遭遇しなかったのに、食料品店内は結構賑わっているなぁ。
「今日は──小々波さんは居ないなぁ、あのお肉の事問い詰めようと思ったのに」
さてさて、セール品は何が有るかな──椎茸が安い、買う! 人参と馬鈴薯も買って──煮物にしようかなぁ。
お札様がいっぱい有るから、お野菜も沢山買えるんだよぉ──ママにも何か送ろうかな!
お米……お高いの……五キロで九千円。
日本米は高級品だぁ──でも買う!!
コレをママに送って、私は安米を買おうかなぁ──五キロで千九百円……どこ産かなぁ。表記が──『衛生管理局認証米』って何? 気にしたら負けだよね。
それにしても……全然重さを感じない。
「うぬぅ……十キロ以上持ってるのに、まだまだ持てるこの腕力……筋肉無いのに違和感が凄いよぅ」
ムキムキ美少女花乃歌ちゃん(ニコッ)だよ!
こっち見てたお客さんが、逃げて行ったんだよ……解せぬぅ。
気を取り直して、次はお肉だけどまだ牛さんいっぱい残ってるから、要らないよね。買って腐るのは避けたいもん。
「──おょ、レオンちゃんだ」
鶏肉さんコーナーで、レオンちゃんがパックを見ながら悩んでいる。
グラムを確認してるのかな……あっ、こっちに気づいて近づいて来た。
「よぉ花乃歌。今学校帰りなのか? 結構遅くまで勉強してたんだな」
「ちょっと遅くなっちゃった──うへへ」
ぬぅ……二時間半も、エレベーター内でスマホをポチポチしてたとは言えないっ。
「ふぅ──ん……まあ良いけどな」
また疑いの眼差しだよぅ、観察力が凄いんだろうなぁ。まつ毛の長い吊り上がった目が、私をジッと見てくるんだよぅ。
「レオンちゃんはお買い物? お家近いの?」
全力で話を逸らすんだよ私!!
「私か? 最近一人暮らし始めてさ、ここら辺で一番安い店がこの店って聞いて、晩飯の材料を買いに来たんだ。花乃歌も近くに住んでるのか?」
良し! 逸れたんだよ!
「お家は直ぐそこのボロ……可愛いアパートなんだよ! 私も晩御飯の材料買いに来たんだ──偶然だねっ」
「へぇ──偶然って凄いな。ならその偶然に感謝して、今から遊びに行って良いか?」
「良いよ────んっ?」
反射的にオーケーしたけど、今何て言ったのレオンちゃん……遊びに? 家に? いやレオンちゃん! ちょっと待っ────
「じゃあ花乃歌の家で、晩飯食うかなぁ」
────っ確定しちゃったぁあああ!?
「材料は──この胸肉を買うからさ、美味い料理を頼むぜ花乃歌」
むぅ……良いって言っちゃったから、仕方無いよね。
「美味しいかどうかは分からないよぅ、あと私のお家は狭いからね」
家に上がって──狭って言わないでね。
それじゃあレジに行くんだよぉ。
ピッ──、ピッ──、ピッ──
「私の会計は、一万二千六百八十円!」
あと、ここで配達とかは──あったよ配達受付のコーナー! これでママにお米が送れるよ!
住所と名前を書いて──『お願いします!』
あとは、スマホをポチりママにメッセージを送れば──んっ? 今レオンちゃんがお会計した鶏肉に、エイドノア産ってラベルに書いてあった様な……違うよね?
「送信完了──っと、やっぱり気になるぅ! レオンちゃんちょっとそれ見せて!!」
「なんだ? どうした花乃歌、そんな食い入るように鶏肉見て……鶏肉苦手なのか?」
違うんだよレオンちゃん! 私はこの──『国産』って書いてる!? あれぇ……見間違い? さっきまでラベルにはエイドノアって書いていた筈なのに。
「なんでなの……また私の見間違い?」
「おーい花乃歌、会計終わったなら早く行こうぜ。お腹が空いてヤバいわ」
むぅ……訳が分からないよぅ。




