第九章 異世界転生、まずは「彼を知り」じゃ
短編、これを広めてください（日本の将来のため）。要旨だけです。
読まれてない方は読んでください。これを広めるために書いている小説です。
亀の甲は、レオンに告げた。
「レオン、少しおじさんの所へ行って、大人の話をしてくる」
「えー、じいさん、僕も一緒に行く！」
レオンは拗ねたように言った。
「だめじゃ、レオン。これは大人の話じゃからな。お前は家で大人しく待っておれ」
「むー…分かった。でも、早く帰ってきてくださいね」
レオンは最後に笑顔を見せた。
亀の甲は、管轄者のおじさんの家へと向かった。おじさんの家に着くと、おじさんは温かく迎え入れてくれた。
「やあ、亀の甲。今日はどうしたんだ？」
「少し話があってな。レオンの父親のことについてじゃ」
「ああ、レオンの父親のことか。それで、何か気になることでも？」
「うむ。レオンの父親は、兵役で戦争に行って亡くなったと聞いたが、その時の状況を詳しく聞きたくてな」
おじさんは、少し困った顔をしながら、亀の甲にレオンの父親が亡くなった時の状況を話し始めた。
「レオンの父親は、ドン国との戦争で亡くなったんだ。最前線で勇敢に戦っていたと聞いている。しかし、詳しいことは私も何も知らない」
「そうか。しかし、ドン国は毎年貢ぎ物を要求しているだろう？なぜ、戦争をする必要があるんじゃ？」
「それは…ドン国が時々、無理難題を押し付けてくることがあるんだ。それに応じられないと、戦争になることもあるようで…」
「ふむ。しかし、レオンの父親が亡くなった時の戦の理由は？」
「それが…はっきりとは分からない。ドン国が何か新しい要求をしてきたらしい、それまでは分かったんだが…」
「なるほど。おじさん、何か隠していることはないか？」
「いえ、何も隠してはいませんよ。ただ、本当に何も知らないんです」
（やはり、何か裏がありそうじゃな…）
「少し国のことを聞きたいんじゃが、よろしいか？」
「ええ、構いませんよ。何か気になることでも？」
「うむ。この国の人口割合は、どうなっておるんじゃ？」
「そうですね…農民が九割、残りは商人と兵士です。貴族の方もいますが、ごくわずかです」
「なるほど。過去に農民一揆などはあったのか？」
「そのような恐ろしい事はありません。数年前に飢餓がひどく、一度あったくらいです。でも、王宮からの支給で収まりました。死亡者も少なく、扇動した人も死刑にはされていません。労役刑になっただけです」
「そうか。おじさん、魔法のことは知っておるか？」
「魔法ですか？少しだけなら…火、雷、水、風の攻撃魔法くらいなら知っています」
「治癒、農作、土木魔法はないのか？」
「聞いたことがありませんね。逆に、それは何ですか？」
「いや、なんでもない。おじさん、ドン国のことは知っておるか？」
「ええ、百年前の大きな侵攻があり、今の王様は変わりました。その後は、十年から二十年ごとに争いがあり、兵役で若者が何割か招集されますが、いつも惨敗で帰ってくる者はいません」
おじさんは、悲しそうな表情で言った。
「農民たちの暮らしは厳しそうだが、誰も声を上げないのか？」
「そのようなことは考えたこともありません。子供の頃から、王様に逆らうと地獄に落ちると言われていますから。そのような考えはダメですよ」
おじさんは、亀の甲を諭すように言った。
（これは、洗脳による搾取じゃな…）
亀の甲は心の中で確信した。
「管轄者には何か権限はないのか？」
「権限はありません。ただ、この街で最も信頼される者がなるだけです。名誉なことですよ。国からわずかですが、お金もいただけますし」
「管轄者が皆で集まる会合はあるのか？」
「半年に一度、国のすべての管轄者が集められ、王様からお言葉をいただけるんです。とても嬉しいですよ」
おじさんは、嬉しそうに言った。
「その時に、作物の納税率を伝えられます」
おじさんは、少しつらそうな表情で答えた。
「おじさん、今日は色々と教えてくれてありがとう。また、話を聞きに来るかもしれん」
「ええ、いつでも来てください」
亀の甲は、おじさんの家を後にし、レオンの待つ家へと戻った。
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