第三章 異世界転生、めんどうなことじゃ
これを広めてください（日本の将来のため）。要旨だけです。
読まれてない方は読んでください。これを広めるために書いている小説です。
どうしたものか……。亀の甲は、夜の村を歩きながら、頭を悩ませていた。
「こまった、めんどうじゃ……」
「月が二つか……異世界のお約束、ってやつじゃな」
彼は、夜空を見上げながら呟いた。運動嫌いで引きこもり生活を送っていた彼は、80歳で死にかけていたはずなのに、異世界転生のおかげか、意外と歩けている。
「これも、異世界転生の贈り物、ってやつかのう」
見た目はよぼよぼの老体だが、体は少し若返ったのかもしれない。夜道ですれ違う村人たちは、心配そうに声をかけてくれる。
「夜分遅くに、どちらへ？何かお困りですか？」
「いえ、少し考え事を。すぐに戻りますじゃ」
亀の甲は、丁寧に答えた。
「じいさん！」
背後から、レオンの心配そうな声が聞こえた。
「こんな時間に、どこへ行くんですか？何かあったんですか？」
「ああ、少し考え事をしていただけじゃ」
亀の甲は、振り返ってレオンに微笑みかけた。
「心配かけたかのう。考え事をしていただけじゃ。さ、帰ろう」
亀の甲はレオンの手を少し強く握り、家路へと向かった。レオンの家に戻ると、母親が温かいおさ湯を用意して待っていた。
「じいさん、遅くまでどこへ行っていたんですか？心配しましたよ」
「ああ、少し村を歩いていただけじゃ。この村は、思ったよりも普通じゃった」
亀の甲は、お茶を飲みながら言った。
「普通、ですか？」
レオンの母親が不思議そうに尋ねた。
「ああ、ただ人々が助け合って生きているだけの村じゃ」
亀の甲は、少し考えてから言った。
「しかし、この普通さは、わるくはないの」
レオンと母親は、顔を見合わせた。
翌朝、亀の甲が目を覚ますと、レオンの母親が竈に火をつけようとしていた。しかし、その方法は亀の甲の知るものとは大きく異なっていた。彼女は指先から小さな火の玉を出し、それを竈にくべていたのだ。
「魔法の世界か……お約束じゃな」
亀の甲は、思わず呟いた。
「じいさん、どうかしましたか？」
レオンが不思議そうに尋ねた。
「いや、なんでもない。しかし、あれは一体……」
亀の甲は、竈の火を指差した。
「ああ、これは火魔法です。この世界では、魔法が使える人は珍しくないんですよ」
レオンは、得意げに説明した。
「そうか……」
亀の甲は、少し考えてから言った。
「わしも試してみても良いかのう？」
「はい、もちろんです。簡単ですよ」
レオンは、亀の甲に火魔法の使い方を教えた。しかし、亀の甲がいくら試してみても、指先から火が出る気配は全くなかった。
亀の甲は、ため息をついた。
「どうやら、わしの体は動くようになったが、ギフトは使い終わったようじゃな」
「ギフト？」
レオンが不思議そうに尋ねた。
「ああ、異世界転生の特典みたいなもんじゃ」
亀の甲は、そう言って立ち上がった。
「まあ、魔法が使えなくても、なんとかなるじゃろう。それよりも、村をもう少し見て回るとしようかのう」
「はい、僕も一緒に行きます」
レオンが、元気よく答えた。
「ああ、頼むじゃ」
亀の甲は、レオンと共に家を出た。
「こまった、めんどうじゃ……」
亀の甲は、呟きながら村の小道を歩き始めた。
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