表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/70

第十章 異世界転生、次は「己を知り」じゃ

日本を豊かな国にする方法論も別途書いてますので、よければお読みください。

亀の甲は、翌日から町の人々に話を聞いて回った。まず出会ったのは、畑仕事に汗を流す男性だった。


「おじさん、毎日大変じゃな」


「ああ、まあ、お天道様の下で汗を流すのは気持ちがいいもんだ。それに、お国のためになるなら、頑張るしかないからな」


別の男性も、同じようなことを言った。


「大変だけど、これも国の為だ。文句なんて言ってられないよ」


三人目の男性も、笑顔で言った。


「俺たちの働きが、国を支えているんだ。誇りを持って働いているよ」


誰に聞いても、大きな不満はなく、皆、日々の生活に勤しんでいた。


楽をすることを信条とする亀の甲にとって、骨身を惜しまぬ村人の姿は理解を超えていた。


農作業中の女性も、食事の準備中の女性も、皆、気さくに話に応じてくれた。


「奥さん、毎日大変じゃな」


「ええ、まあ。でも、こうして食べさせてもらっているんだから、文句なんて言えませんよ。ただ、兵役に行かされると聞いたときは、一日中泣いてしまうんです」


別の女性も、涙目で言った。


「私たちにできることは何もないんです。ただ、家族が無事に帰ってくるのを祈るだけです」


三人目の女性は、寂しそうに言った。


「せめて、子供たちだけでも幸せに暮らせるように、頑張るしかないんです」


子供たちは、目を輝かせて言った。


「大きくなったら、お父さんやお母さん、王様のために立派な大人になるんだ!」


多くの人々が、「お国のため」「王様のため」という言葉を口にした。しかし、稀にではあるが、今の生活に疑問を持つ人もいた。


「正直、毎日が苦しいです。でも、どうすることもできないんです」


亀の甲は、人々の話を聞き、論理的に思考した結果、疑問を持つ人々が兵役に招集されていることに気が付いた。


(この国に生まれていたら、真っ先に兵役に行かされていたのだろうかと、ひやりと背筋に渇き汗を感じた)


亀の甲は呟いた。


「善人が損をする典型じゃな。心根が正しいのは良いことじゃが、行き過ぎると悪になる。過ぎたるは猶及ばざるが如し、じゃ」


「この老体で何ができるか分からないが、レオンの将来のために頑張ってみるか」と、亀の甲は久しぶりにやる気になった。

ChatGPTで修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ