第一章 異世界転生、そして絶望
これを広めてください（日本の将来のため）。要旨だけです。
読まれてない方は読んでください。これを広めるために書いている小説です。
「ああ、やっと楽になれる……」
亀の甲は、古びたアパートのベッドで天井を見つめていた。八十年の人生は、特に波乱もなく、しかし喜びも少ないものだった。妻は早くに亡くなり、子供たちは独立して久しい。残されたのは、年金とわずかな貯蓄、そして老いさらばえた肉体だけ。
「もう、全部めんどくせぇ……」
彼は、若い頃から働くのが嫌いだった。理系の大学を出たものの、研究者としての道を選ばず、適当な中小企業で定年まで勤め上げた。その間、何度か転職も考えたが、結局はめんどくさくなり、現状維持を選んだ。
「死んだら、土に還るだけだろ……」
そう呟いた瞬間、彼の視界は眩い光に包まれた。そして、意識が途絶えた。
次に目を覚ました時、彼は見知らぬ場所にいた。
「……え？ ここ、どこだ？」
彼は、広大な草原に立っていた。足元には柔らかい草が広がり、遠くには山々が見える。風が心地よく吹き、周囲には何もない。ただただ広がる緑の大地。
「……え？ これって、もしかして異世界転生ってやつ？」
冗談交じりに呟いたが、状況は冗談では済まされないようだった。辺りを見渡しても、どこにも人の気配はない。ただ、草原の中にぽつんと小道が続いているだけだった。
「どうしてこんなところに……」
そう呟くと、少し遠くの方から何かの足音が近づいてきた。視線を向けると、見覚えのない少年が走って来た。少年は、破れた服を着て、やせ細った体をしている。汗をかきながら必死に走っている様子が伝わってきた。
「おじいちゃん、大丈夫ですか？」
少年は、亀の甲に駆け寄り、心配そうに声をかけてきた。その顔には、疲れ切った様子があり、年齢は十二、三歳くらいだろうか。服はあちこち破れており、薄汚れているが、目にはどこか希望を感じさせる輝きがあった。
「わしは……亀の甲。どこから来たのか、自分でもよくわからん」
正直に答えると、少年は驚いたような顔をしつつも、何かを感じ取ったようだった。
「よかったら、僕の家に来ませんか？ あそこで少し休んでいってください。食べ物もあるし、少しは助けになるかもしれません」
亀の甲は少し戸惑ったが、直感的にこの少年を放っておけないという感覚にかられた。年老いた体は疲れていたが、何かが彼にそうさせていた。
「……そうだな。お言葉に甘えるか」
「僕、レオン！ よろしくね！」
レオンは明るく笑い、亀の甲の手を引いて歩き出した。
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