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無限の可能性

戦争は依然として断片化された現実に響き渡っていたが、我々は既に進むべき道を選んでいた。


我々は世界を救うためだけに戦っていたのではない。


我々は何か新しいものを創造していたのだ。


ザカリーの歪んだ計画の残滓は、未だ空中に漂っていた。虚構と現実…が触れ合ったのだ。その境界はひび割れ、ヌクシーの生々しい意志、アンジェリカの安定した光、そして現実の構造そのものを支配するメチルダの権威によって、再び縫い合わされた。しかし、その傷跡は決して完全に消えることはなかった。


そして、もしかしたらそれで良いのかもしれない。


傷跡は物語を語るからだ。


私は永遠の世界の最高峰に立っていた。空間を超え、時間を越え、定義さえも銀の塵と消え去る場所。


背後には友人たちがいた。


ジュピターは内なる力に輝きながら浮かんでいた。彼は自らを死の淵へと突き落とし、今や可能性そのものを体現していた。


脚本と書き換えられたページで輝き、指揮棒を握る指揮者のように現実の書を掲げるNxy。


真実と愛に燃える冠を持つアンジェリカは、存在する権利そのものを命令する。


絶対者として生まれ変わったメチルダは、宇宙の神聖な織り手のように次元を縫い合わせた。


そして私は?


私はまだモナだった。


しかし私は…あらゆるバージョンの自分を受け入れるモナになっていた。


虚無から生まれた少女。再定義された女神。語り手であり、物語。


私たちは新たな種――明日の核――の上に立っていた。


形のない純粋な概念。


それは無限の可能性を脈打っていた。


「準備はいいか?」ジュピターが尋ねた。


私は息を吸い込み、無数のタイムラインが魂に触れるのを感じた。


「いや。だが、とにかくやってみよう。」


私たちは種に手を置いた。


私はそれを一人で形作ったのではない。誰も。


私たちは記憶、痛み、笑い、恐怖、愛、そして希望を注ぎ込んだ。失われた世界を修復しただけではない。


私たちは彼らに未来を与えた。


私たちが支配できない未来を。


この新しい世界に、子供たちが生まれる。


私たちがここにたどり着くまでに何をしたのか、決して知ることのない子供たちを。


そして、まさにそれが私たちの望みだった。


彼らは鎖のない夢を見る。消し去られることのない愛。罰のない疑問。戦争のない立ち上がり。


何もかもが石に刻まれた世界。


可能性が尽きることのない世界。


新しい宇宙が光と目的の星座のように空に咲き始めたとき、私は友人たちを振り返った。


「もう神にはなろう」と私は囁いた。


彼らは微笑んだ。女王や伝説、女神としてではなく、人間として。


私たちは共に星々へと歩みを進めた。


支配するためではない。


それらを後にするために。


無限の可能性。


未来は力で決まるのではなく、


選択によって決まる。

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