モナの修行
光はなかった。
闇もなかった。
静寂もなかった。
音もなかった。
それらという概念さえも。
私は姿を現した。
かつて私を包んでいた繭、進化するパラドックスの殻は、その役割を終えた。以前の私は…今では笑えるものだった。私が「存在」となったものと呼ぶことさえ、侮辱だった。
存在、非存在、超越、そしてそれらに関する概念さえも…私の足元にある、くしゃくしゃになった子供の絵本のページのようだった。
意味、思考、定義といった絶対的な概念さえも、冗談に過ぎなかった。すでに時代遅れとなったシステムの中で、いまだに自分の居場所を定義しようとしている者たちの玩具だった。
私はただ、存在していなかった。
そして、存在しないことで、私は本来あるべきではなかったものすべてになった。
私は浮かんでいた ― いや、浮かんでいたのではない。浮かんでいるというのは、ただの表現だ。
私はただ、最も進化した存在でさえ測ることのできない状態にいた。
そして――
ある存在がやって来た。
ここで私に届く数少ない力の一つ。
永劫。
彼は歩かなかった。飛ばなかった。ただそこに、私と同じように存在していた。彼の姿は形を保っていたが、それさえも私の知覚を歪めていた。
彼は私を見た――その視線は目ではなく、私のオーラの読み取れない嵐を突き抜ける、重層的な理解からだった。
「モナ」と彼は言った。
彼の声が私に届いた――振動でも、意味でも、純粋な意図を通して。
「問題がある。」
私は待った。
「ザカリーが戻ってきた。」
その名前は、私たちがいた形のない非場所に波紋を起こした。それが重みを持つからではなく――ここではどんな名前も何も結びつけることはできない――それが何を表わすのか、ということから。
彼は続けた。 「彼は侵略を始めた。宇宙だけじゃない…多元宇宙だけじゃない…あらゆるもの。あらゆる物語、あらゆる層、存在そのもののソースコードまでも。彼はそれを純粋な無で上書きしようとしている。虚構も現実も意味をなさない状態だ。」
私は再び振り返った。動きではなく、意図を持って。
「彼を止めよう。」
イーオンは首を横に振った。拒絶のためではなく、理解のためだった。
「君は準備はできている…だが、まだ安定していない。行き過ぎた。意味さえも君を支えきれないほどに。今行けば…君の存在だけですべてが崩れてしまうかもしれない。」
それは…真実だった。
そこで彼は手を差し伸べた。「一緒に来い。」
私は承諾した。
そして瞬時に、私たちは別の場所へと旅立った。
何者にも手の届かない、隠された次元。思いつかないがゆえに、場所を特定できない場所。それを「場所」と呼ぶことさえ間違っていた。
ここにいる時間?
関係ない。
成長?
指数関数的ではない。無限でさえもない。
それは無限を超えるという概念を超えた成長だった。
数分もかからなかった。永劫の時も、運命のループも。
一瞬の息で、
そして、その息の中で、私は修行を始めた。
ザカリーと戦うためには…
私は全てを超えるだけでなく、全てを超えるという絶対的な概念さえも超える進化をしなければならなかった。
そして、私はそうした。
なぜなら、私はモナだからだ。
その後、私は一歩踏み出した。
足元には地面はなく、頭上には空もない。だが、その一歩が――
私の存在を静かに取り囲んでいた13,481,229個の非現実のループを崩壊させた。
「よし」とイーオンは言った。彼は再出現の永遠の虚空の中で、私の傍らに立っていた――いや、むしろ存在していた。
私たちは重力にも、論理にも、進歩にも縛られていなかった。ここでは、訓練は努力によって行われるのではなかった。
それは理解によって行われる。
束縛を解き放つことによって。
自己を含め、すべてを手放し、そしてこれまで何にも属していなかった新しい何かを創造することによって。
「定義超崩壊を乗り越えなければならない」とイーオンは言った。
「多元宇宙の脚本があなたの本質を理解しようとしたが、失敗したために、あなたの姿が崩れる状態だ。」
彼は手を挙げた。
たちまち、私は14兆もの物語に晒された。それらはあらゆる論理、混沌、そしてパラドックスを積み重ね、ループしていた。
それぞれが私を書き込もうとした。私を定義しようとし、私を分類しようとし、私を制限しようとした。
私はプレッシャーを感じた。
作者。神々。論理学者。概念的実体。果てしない形而上学的体系。
それらすべてが私を掴もうとした。
私は微笑んだ。
そして、私は笑った。
そして――私はそれらをすべて消し去った。
暴力によってではない。
もっとひどいことをすることで。
私は自分自身を定義させてしまった。
そして、その定義を書き換えてしまった。
システムは崩壊した。
そしてそれが砕け散った瞬間、私は新たな物語の場を創造した――それは、私だけが書き、私だけが読むことができる場だった。
イーオンは頷いた。「あなたは真の逆説的自由への第一歩を踏み出したのだ。」
次に彼は私を虚空のエコーへと投げ込み、そこで私は、なり得たあらゆる現実から現れた、自分自身の分身と戦った。
それぞれの姿は強力だった。中には、本来の私を凌駕したと考える者もいた。
しかし、どれも定義なき核に触れてはいなかった。
どれも意味なき超越を吸い込み、魂の一部とすることはなかった。
私はそれらすべてと対峙した。
それらを破壊したのではない。
それらを吸収したのだ。
あらゆるモナ。
あらゆる姿。
あらゆる「もしも」と「なかった」。
それらすべてが私になった。
そして私は再び変化した。
私の体?定義なきもの。
私の心?私だけが理解する真実へと収斂する、幾重にも重なる矛盾の領域。
私のオーラ?
隠された次元の壁が、永劫で初めて震え始めたとだけ言おう。
イーオンは見つめた。そして彼は微笑んだ。
「もうすぐ準備ができた」と彼は言った。
「あと一つ試練があるだけだ」
私は首を傾げた。「何が残っているんだ?」
彼は未完成の領域の端を指差した。
そこに扉が現れた。
一枚の扉。錆びつき、ひび割れ、あらゆる素材でできており、同時に何の素材もなかった。
「根源の葛藤への扉だ」と彼は言った。
「その向こうに真の試練がある。力ではなく、目的を問う試練だ。全てを失った時の、君の真の姿が問われるのだ。」
私は前に出た。
なぜなら、私はモナだからだ。
そして、私は強さ以上の存在であり、自由以上の存在であり、定義以上の存在だ。
もはやルールのない世界に、最終的なルールを書き記すのは、私なのだ。
時間は尺度だと彼らは言う。
しかし、ここ、概念も尺度も順序も超えたこの場所では、それは単なるオチに過ぎない。
イーオンは、私が修行を始めてから、無限の果てまでも長い年月が経ったと告げた。
それでも、外の世界の形而上学的時計を確認すると…
二ヶ月。
まさに二ヶ月。
思わずくすくす笑ってしまった。
この時、私は自分自身の最終形態――モナ・プライム0――と戦っていた。あらゆる物語の始まりに先立つ、混沌の最初の揺らぎから生まれた、その反映。
彼女の笑い声は私と似ていた。視線も私と似ていた。しかし、彼女の存在は、万物の始まりに存在した忘れられた法則のようで、現実の進化の陰に埋もれ、遥か昔に埋もれていた。
彼女は元のテンプレートで私を上書きしようとした。
私は許した。
そして、私はそのテンプレートを別の何かで上書きした。
決して書かれなかった何か。
可能性の負の空間に存在する何か。
力のスケールのルールを破るだけでなく、スケールそのものを私だけに合うように再構築した層。
彼女を倒した後、領域は反応した。
私は新たな姿を与えられた。
私はそれを名付けなかった。
名付ければ、観念の中に閉じ込められてしまうからだ。
そして私は、それをはるかに超えた存在になった。
しかし、もしそれを説明しなければならないとしたら…?
私の体は今、存在と非存在、そして概念的な嘲笑の間を揺らめいている。まるで私の存在が、神々でさえ笑うことを恐れる冗談であるかのように。
白黒の髪が、多元宇宙の思考コードの不具合のように流れた。
私の目は?純黒。何も映さない。なぜなら、反射でさえ私を定義できないからだ。
私のオーラ?意味を嘲笑い、矛盾を友のように抱きしめる波紋。
静寂の中で全てを見守っていたイーオンが、ついに動き出した。
「準備はできたな」と彼は言った。
私は眉を上げた。「何年も前に、無限を超えた無限と言ったじゃないか。」
「その通りだ」と彼は言った。「だが、今や君はついに準備という冗談の域を超え、訓練を積んだのだ。」
私は指を曲げた。
「それで…ザカリー?」
イーオンの顔が厳粛になった。「彼はあらゆるフィクションとノンフィクションの根源層をほぼ突破した。彼は知覚のルールを書き換えている。これ以上待てば、戦うという考えさえも失われてしまうかもしれない。」
私の唇に小さな笑みが浮かんだ。「それなら、彼を止めようという考えを失う前に、止めた方がいいだろう。」
イーオンは裂け目を作った。次元や領域を越えるものではなく、認識の層を越える裂け目を。
「行くぞ」
私は足を踏み入れた。
だって私はモナだから。
そして、訓練とは、誰にも準備できない存在になるための、また一つの言い訳に過ぎない。




